第8話 ハル「異種族交流会?」 2

司会「はい移動でーす」


ガタガタ


ハル「ふう……(流石にしゃべってばかりだし、気をつかうし結構疲れるなぁ)」

トーゴ「おぉ! スゴイ美人だぞ、それに若い!!」ボソボソ

ハル「うん、えっと……うわキレイ」

ともこ「はじめまして、アタシはともここっちはいさみよ」

トーゴ「おぉ、俺はトーゴでこっちはハルだ。 君たちどこの出身? 王都かい」

ともこ「えぇ、南区の辺りです」

トーゴ「そうか、君もそう?」

いさみ「え、えぇ。 ねぇ、ぱ……ハル、大丈夫? 疲れてない」

ハル「え!? あ、うん。 ちょっと疲れてるかな」

いさみ「そう、あまり無理しちゃダメよ」

トーゴ「優しいんだねいさみさんは(ううむ、やはりハルは母性本能を刺激するタイプか。 思わぬところに強敵が)」

ともこ「この子世話焼きだからねー(危ないわね、バレるでしょ。 ……バレたらそれはそれで面白いか)」

ハル「あの? もしかしてどこかで会ったことあったかな」

いさみ「え!?」


トーゴ「ちょっと待てハル」グイ

ともこ「こっちもターイム」グイ


○トーゴ陣


トーゴ「おいおい、そんなベタなセリフどこで覚えたんだ引かれるぞ」ボソボソ

ハル「え? いや、なんか初めて会った気がしなかったから」ボソボソ


○ともこ陣


ともこ「あんまりいつも通りだとバレるわよ」ボソボソ

いさみ「ごめん、でもなんだか疲れてるみたいだったから心配で」ボソボソ

ともこ「もー、……(しかしこの子は本当にモテるわね、……恐ろしい子)」



受付「二名様遅れて参加でーす」

司会「はーい、こちらの席にどうぞ。 もう少ししたら移動しますので」


ともこ「こんな遅れても来る人もいるのね、アタシたちも人の事はいえないけど」

いさみ「……ッ!?(あの魔力、人間や獣人のモノじゃないわね。 まさか)」


司会「はい時間です移動してください」


ガタガタ


トーゴ「じゃあ、またフリータイムに」

ハル「ありがとうね」

ともこ「えぇ後で、……どうしたの怖い顔して」

いさみ「まさか……本当に他の……」


○遅れてきた女性客の席

トーゴ「はじめまして、おぉ!?(おお、双子の美人だ! しかもこれはデカい)」

ハル「はじめまして……ッ!?(この魔力!) ……あのもしかして貴方たちは」

キャサリン「フフ、はじめまして」たゆん

キャスリン「あらあなたは……エルフ族かしら?」たゆん

二人がフードをはずすと長い耳があらわれた。



双子はキャサリンが姉、キャスリンが妹と自己紹介をした。


トーゴ「エルフ族かこいつ以外ははじめて見たよ、まぁこいつはハーフなんだけどな」

キャサリン「あら、本当に? 珍しいわね」

ハル「あの、……ハーフエルフは嫌いじゃないですか?」

キャスリン「あらどうして? 少なくとも私達は嫌いじゃないわよ」

ハル「ほんとうっ! よかったぁ。  ところでお二人はどこの出身なんですか?」

トーゴ「そういや遅かったよね、もしかして隣国から来たの?」

キャサリン「惜しいわ、隣国の手前。 東の町から来たの」

ハル「町なの? 森じゃなくて?」

キャスリン「え? えぇそうね、東の町よ。 私達は都会派だからあまり森には行かないの」

ハル「そうなんだ。 じゃあ、あのおいくつになるんですか?」

トーゴ「バカ、女性に年齢をきくなよ」

キャサリン「あら、そうね20代とだけ言っておくわ」

ハル「え? エルフ族なのに?」

キャスリン「えっと、身体的な年齢よ。 それとも私たちにお婆ちゃんみたいな歳を言わせたいの?」

ハル「あ、ゴメンなさい」

トーゴ「まったくハルは子供みたいに思ったことをすぐ聞くんじゃない」

ハル「むー、だって」

キャスリン「ウフフ……、それにしてもトーゴさんはいい体格してるわね、鍛えてるの?」

トーゴ「いやぁ、俺は警備兵だからね鍛錬は毎日してるよ」

キャサリン「へぇ~兵隊さんなんだ素敵。 ハルさんは?」

ハル「僕は喫茶店をやってるよ、あとは薬草採りとか……」

キャサリン「まぁ、こんなカワイイマスターさんが居るの? お料理もつくれるの?」

トーゴ「そうだな、俺もよく食べに行くが結構うまいぜ。 よかったら今度一緒に行かないか?」

キャスリン「あら、もうデートのお誘い? そんな軽い女に見える?」

トーゴ「いやいや、美人を見たらまず食事に誘えってのがウチの家訓で礼儀で義務なんだ」

キャスリン「うそ、そんなこといって誰にでもそう言ってるんでしょう」

トーゴ「ちがうちがう、ウチは躾が厳しかったんだよ。 ホントホント」

キャサリン「ホントはどうなの?」

ハル「えー、本当はね~」

トーゴ「おいハルもっともらしいこと言うなよ、二人が信じるだろう」


○いさみ達の席


狼男「いやね、人狼だからって犬派とか決まってないですよ。 俺はダンゼン猫派やから」

ともこ「そうなんだ以外~、でも猫からは嫌われない?」

狼男「そうっすよ、全然相手にされないんですわ、これが」

いさみ「ふーん……(パパ、楽しそうね)」チラッチラッ


○双子エルフ達の席

ハル「トーゴのお父さんは騎士だったから厳しかったのは確かだよ」

トーゴ「よーしよし、いい奴だなお前は」ナデナデ

ハル「やーめーてー、なでないで」

キャサリン「ハルさんはカワイイわね、私にもなでさせて」ナデナデ

キャスリン「ホントこんな弟が昔から欲しかったわぁ」


○いさみ達の席

いさみ「ふっ(バカね……パパは子供扱いや弟みたい~って言われるのを一番嫌うのよ)」チラッチラッ

狼男「でも最近あのでっかいネズミいるやないですか、カビバラっていう奴?」

ともこ「いやそれを言うならカピパラでしょ」


○双子エルフ達の席

ハル「本当? 僕もこんなお姉さん欲しかったかも~」

キャサリン「あらホント? うれしいわ」ナデナデ


○いさみ達の席

いさみ「パァッ(パパッ!!)」ガーーン

ともこ「ねぇどっちが正しいんだっけ?」

いさみ「……カピバラよ。 ごめんなさいちょっと席を外すわ」ガタ


スタスタ


狼男「……動物は好きじゃなかったかな?」

ともこ「ごめんなさいね、イロイロあるのよ」


○化粧室

いさみ「……(まずいわ、このままじゃ)」


――ハル「ユウ、僕この人と結婚するから」

――キャサリン「はじめまして、新しいママよ」


いさみ「ナァー! ……(なんてこと! 悪夢だわ)」

ともこ「大丈夫? そろそろフリートークになるわよ」

ともこが呼びに来た。

いさみ「……大丈夫よ、すぐ戻るわ」

ともこ「ねぇ、ユウ。 友人として言わせてもらうけど、そろそろ親離れしたら?」

いさみ「……なによ急に」

ともこ「ユウがハルさんが好きなのはわかるけどずっとそういうわけにはいかないでしょ。 ハルさんの幸せも考えないと」

いさみ「……そんなこと、分かってるわよ。 ただ感情が納得しないのよ」

ともこ「だったら」 いさみ「それに!」

いさみ「それに、あの双子は気に入らないわ。 なんだか怪しい」

ともこ「たしかにあの乳尻太ももは気に食わないわね。 卑怯よ半分よこせ」

いさみ「まぁ、言いたいことは分かったし頭も冷えたわ。 でも、私の感情とは別にあのオンナがパパにふさわしいかどうかは別でしょ」

ともこ「まぁ確かに……でもそれはハルさんが決めることじゃない?」

いさみ「ダメよ、パパは今、同族というだけで盲目的になってるわ。 私が見極めてあげないと」

ともこ「そう……なるのかな?(やっぱりダメだったか。 まぁいいか一応友人のギムは果たしたということで)」

いさみ「フリートークになるのよね。 ……上等じゃないパパは私が守る! ショーコ手伝ってくれるわよね?」

ともこ「いいわよ……(面白くなるわね)」

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