第7話 マイマイ迷子の千年の森 4

フィメナ「よし、もう一息だ奴も弱ってきたぞ」

フィメナは切りかかった。

一つ目ワーム「……」ピカァア

一つ目ワームの瞳があやしく光る!

フィメナ「ぐっ!?」

トーゴ「どうした?」

フィメナ「うぅ」

ザシュッ!

トーゴ「う……ゴホ」

フィメナがトーゴを斬りつけた。

ルソル「たいちょー!?」

フィメナ「……」ズババッ

フィメナはルソルに襲いかかる!

ダン「危ない!?」

ダンがルソルをかばった。フィメナはそのままダンに襲い掛かる。

カキンカキン

ダン「なんだ? どうしたんだ!?」

フィメナは混乱している。


ユウ「さっきの光で何かされたのね」

ダン「どうしたらいいんだ」

ハル「魔法で正気に……」

一つ目ワームのなぎ払いがハルを襲う

ユウ「パパっ!?」

ルソル「えーい」

ルソルはハルをかばった、しかし二人とも吹き飛ばされる!

ルソル「きゃあ」ハル「うわあああ」

ユウ「こいつ、頭もまわるのね。 貴方もいい加減に目をさまして!」

ユウはフィメナに当身をくらわした。

フィメナ「うっ……」ガク

フィメナは気絶した。


ハル「うぅ…… 大丈夫? ”治癒”」

ルソル「あたしより、早くたいちょーを……」

ハル「うん……」


ダンが一つ目ワームを防ぎながらユウが魔法で攻撃する。

ユウ「……もう怒ったわよ "雷撃"」

ビリビリビリビリッ!!


トーゴ「やったか……ごふっ」

ハル「しゃべっちゃだめ(重傷だ……すぐには完治出来ない)」


一つ目ワーム「グオオオオオォン」

ユウ「そんな!? なんで!?」

ダン「あいつ……傷がふさがっていく、再生しているのか」

小人A「だからいった人間では勝てない!」

ユウ「貴方たち、まだいたのね。 どうすればアレを倒せるの?」

小人B「アレは怒り悲しみ苦しみを喰う、姫様は森になって感情がないから勝てたのだ」

小人C「逃げろ!! 襲ってくる」

一つ目ワームのなぎ払い!!

トーゴ「ぐふっ」

トーゴは気絶した。

ダン「ぐぁ」

ダンは気絶した。

ルソル「キャア」

ルソルは気絶した。

ハル「うわぁ」

ユウ「あぁああっ」



ハル「……そんな、どうしたら」

ユウ「コイツ……強い」

一つ目ワームのなぎ払い!

大樹トレント「」バキン

大樹トレントが攻撃を受け止めた。


ハル「おかあさん!?」

ユウ「まだ動けたのね」

一つ目ワームの連続攻撃

バキンバキン、メキメキメキ!

大樹トレントは砕け散った!


小人A「姫様ーー!?」

ハル「あ……おかあさん!? おかあさーーん!!」

ハルの悲しみが一つ目ワームに吸収され、さらに巨大化していく。

ハル「うわああああああああああああああああああああああぁぁ」

ユウ「……このままじゃ、パパごめん。 "睡眠"」

ハル「あぁ、あ……」カクン

ハルは眠ってしまった。


更に巨大化した一つ目ワームは木々を蹴散らしながら襲い掛かる。


ユウ「ぐっ、なんて大きさ」

一つ目ワーム「グオオオオオオン」

ユウ「……あの目、アレを潰せば逃げれるかも……これが最後の力よ稲妻斬り!!」ズバァッ


ユウ「……しまった」

目玉をはずしてしまった、一つ目ワームの傷が再生していく。

ユウ「ぐぅ……(……あぁ、勝てない。 パパ) 」

一つ目ワームは大きく息を吸い込んだ。口内に炎がちらつく。


ユウ「……(ここで死ぬのね、私も……パパも……。 だとしても)」

ユウはハルを振り返った。

ハル「すーすー」

ユウはハルを守るように立ちふさがった。

ユウ「……それでもパパを守る! 私はハルと一秒でも長く居たい!!」

一つ目ワームの激しい炎!!

ユウ「……ッ(……あぁ、ハル。 ありがとう、一緒に居てくれてわたしは……)」

ユウが激しい炎に包まれる。

ピカァ! ヒュボボボボボ

突如光がさし炎をかき消していく。

ユウ「これは!?」

ユウの剣が暖かな光を放っている。

ユウ「この光、雷撃とは違う……なに?」

一つ目ワーム「グオオオオオ」

一つ目ワームのなぎ払い!

ドジュウウウウウゥ、ボボン!!

一つ目ワーム「グオ!!??」

光がワームの体を弾き飛ばした!

ユウ「……(この光、これなら)これだったら! いける!」

ユウは輝く剣を投げつけた!

一つ目ワーム「ギュオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」

一つ目ワームの目玉に剣が刺さり光が炸裂する!

シュゴオオオオオオオ!!


一つ目ワームを倒した。

小人A「すごい!」

小人B「お前人間なのにアレをやっつけた」

小人C「お礼にお前達の傷治す、ゆっくり休め」

ユウ「ふ、ふふ。 そうさせてもらうわ」バタ

ユウは気を失った。


○後日、町の詰所

フィメナが馬で王都に戻る準備をしている

フィメナ「それで小人達は確かに言ったんだな?」

ユウ「えぇ、あの虫は何かが飛び去った時に落ちた目玉だけなんだって」

フィメナ「目玉だけで…… こんなこと一体どうやって報告すればいいのか」

トーゴ「まあ、まともにとりあわないよな普通は。 まぁ王女なら大丈夫だ」

フィメナ「王女ならっていやな予感がするが、報告しないわけにもいかないしな。 では世話になったな」

トーゴ「ああ、またな」

フィメナ「……その、その傷はすまなかった。 この詫びはいずれだな……」

トーゴ「気にするな、女に斬られるのは慣れている」

ルソル「えー!? 誰がたいちょーを斬るんです!?」

トーゴ「アホ、お前の訓練だろうが!」

ルソル「あ、そっかー」

フィメナ「ではそろそろ……」

トーゴ「おう」

ハル「気を付けてね」

フィメナ「あぁ、ハル君も達者でな」

パカパカ

フィメナは去って行った。


○ハルの喫茶店

ハル「……」ぼー

ユウ「パパ? パーパ(またぼうっとしてる)」

ぎぅうう

ハル「あっ!? ちょっとやめてよ」

ユウ「だめよ、パパに置いていかれて寂しかったもの。 その埋め合わせよ」ぎゅう

ハル「暑いよ」

ユウ「ダメよ我慢して」

ハル「仕方ないなぁ、ユウがいると一人でいる時間もないじゃないか」

ユウ「そうよ、私はパパを一人にさせないの。 何があってもね、わかった?」

ハル「もー、わかったよ。 だから離れて」

ユウ「だーめっ」かぷっ

ハル「ひゃっ!? ちょっと耳を食べないでって!」

ユウ「だってクセなんだもの」


○王都、王女の部屋

ナナ「なるほど、そんなことがあったのか」

フィメナ「……信じるんですか?」

ナナ「当たり前じゃ予想はできていたからの」

フィメナ「予想が出来ていた!? どこまで」

ナナ「わらわが見つけた古文書によれば、400年程前に勇者が魔王を倒した折に首を持ち帰ったとある」

フィメナ「首?」

ナナ「うむ、はじめ王都に首塚を建てるはずが、住民の反対運動で出来なかったそうじゃ」

フィメナ「反対運動って、ごみ処理施設じゃあるまいに」

ナナ「案外似たようなものだったのかもしれんな。 そうして首の行方は分からなくなっておったのじゃが。 ここに古い地図がある、お主が調査にでてから見つけたものじゃが」

フィメナ「またどこからこんなものを……盗んでませんよね?」

ナナ「ちがうちがう、無期限で借りてるだけじゃ」

フィメナ「……ちゃんと返してくださいよ。 で、これがなんですか?」

ナナ「ここに村があるじゃろう……しかしのちの時代の地図には記されておらんのじゃ」

フィメナ「この村……私が見てきた廃墟ですね」

ナナ「さて、これらのことをまとめると一つの結論に至るな」

フィメナ「……なんですか」

ナナ「隠された村に封印されていた魔王が復活したのじゃ!!」ババーン

フィメナ「魔王とかそんな事……(王が知ったらどう思われるか)」

ナナ「なんじゃその顔は? まぁ心苦しいのはわかるが安心せい」

フィメナ「別のことで心苦しいんですよ。 で、なにに安心せい、ですか?」

ナナ「わらわが勇者の子孫としての務めを果たすからじゃ」 ドドーン

フィメナ「はぁ!? おやめください、果たさないでください」

ナナ「わらわはここに、二代目勇者を襲名することを宣言するのじゃ!」ドヤァ

フィメナ「……魔王につづいて勇者……正気ですか」

ナナ「当たり前じゃ! さっそく兄上に報告じゃ、行くぞ」

フィメナ「やめてください、それが一番問題です! ってこら、まてアホ王女!」

ナナ「ふふふ、わらわの戦いはこれからなのじゃ!」


第7話 マイマイ迷子の千年の森 終わり

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