第4話 燃えろサマーキャンプ 4

トーゴ「危ない」

ハル「うわぁ」

ユウ「なんて奴」



ショーコ(騎士)「ははは、どこにいった潰れたか」ドドォンドドォン

ショーコは魔法を放っている、岩陰にユウ達は隠れている。


トーゴ「まいったな、ハルの魔法が効かないなんてな」

ユウ「それにショーコの体借りてるなんて卑怯よ。 でもあの魔法はどうやって? ショーコ魔力ないのにどうやって?」

ダン(シスター)「そうですね、私なんて今は回復魔法もできませんのに不思議ですね」

ユウ「ダンの体じゃ無理よ、体力しか取り柄ないんだから」

ハル「ねぇ、あれ。 あのカラスなんだけど」

トーゴ「カラス?」

ユウ「ショーコの肩にいる奴?」

ハル「うん、あれからすごい魔力を感じるけど……」

ユウ「カラスに魔力が? じゃあカラスだけ狙えば魔法を止めれる……?」

ハル「そうかも」

トーゴ「しかしどうやって狙う? 魔法でいけるのか?」

ユウ「難しいわね…… 一瞬でも動きを止めれたら確実だけど」

ダン(シスター)「だったら私が行きます! それが私の使命です、多分」

ハル「え!? ちょっと」


ダンが岩陰から飛び出した。


ユウ「ちょっと、体はダンなのょ…… ならいいか」

ハル「ユウ!?」

トーゴ「まあダンなら死なんだろう」

ハル「トーゴまで!?」


ダダダダ

ダンがショーコの前へ躍り出る。


ダン(シスター)「騎士様もうやめて下さい」

ショーコ(騎士)「居たか、食らえ”大火球”」ボオォオン


魔法の火球がダンを直撃する。


ダン(シスター)「あつぅ! でも……止まりません」


ガッ

ダンはショーコに抱き付いた。

ダン(シスター)「騎士さま! おやめください、」

ショーコ(騎士)「ぐっ、なんて力だ!? 離せ」


ユウ「今ね”電撃”」バリバリバリ

ユウは電撃魔法を唱えた。


カラス「グケゲェ!?」

電撃がカラスをかすめる! カラスは感電し弾き飛ばされた。




ショーコ(騎士)「グッ…… アアア!?」

ダン(シスター)「騎士様、もうやめてください戦争は終わってるのです」

ショーコ(騎士)「お前はシスター!? なぜそんな格好に!?」

ダン(シスター)「やっと気づいてくれた。 私はすでに死んでおります、だから」

ショーコ(騎士)「なに死んで、……そうだ死んで。 ……そんなお前が死んでたら俺が戦う理由は……」

ダン(シスター)「もう、いいのです。 全て終っております」

ユウ「邪気が消えていく? パパ、今なら」

ハル「で、でも」

ショーコ(騎士)「俺はお前に助けられたのに俺は……」

ダン(シスター)「いいのです、もういいのです。 ……ハルさんお願いします、光を」

ハル「わかった、”浄光”」パァアア

 ――ありがとう――

騎士とシスターは消え去った。


○翌朝、古びた教会の一室

ユウ「――ということよ」

ショーコ「うっそー、マジで? 全然覚えてないわ」

ユウ「だと思ったけど」

ショーコ「ダン君の抱擁を忘れるなんて一生の不覚! ガッテム!!」

ユウ「こだわる所そこ?」

ショーコ「体がバッキバキに痛いのもそのせいなのね、愛の力なのね」

ユウ「それはただの筋肉痛よ。 もうちょっと普段から運動をしなさい」

コンコン

ユウ「どうぞ」

ドアから担任教師があらわれた。

担任教師「どうだ? ショーコは大丈夫そうか?」

ユウ「えぇ、もう大丈夫です」

ショーコ「せんせー、この後どうするんです?」

担任教師「残念だがこの後の予定は中止することに決まった、親御さんが迎えにきたら各自帰ってくれ」

ユウ「ハイ」 ショーコ「はーい」

バタン

ショーコ「だってさ」

ユウ「あーあ、王都見学も中止か」

ショーコ「へぇ、以外。 そういうの興味あったの?」

ユウ「ちょっと用事があったのよ」

ショーコ「だったら帰る時に寄ればいいじゃない、もう休みなんだから」

ユウ「そうねー、それもそうか」

バタン!

トルマン「ウオォー! 無事か!? ケガはないんか」

トルマンがあらわれショーコを抱きしめる。

ショーコ「ちょっと父さん、大丈夫だからおちついてって」

ユウ「大きなケガはありませんよ、お父さん」

トルマン「おぉ、ユウさん! 一度ならず二度までも助けていただいて。 ほんっとうにありがとうありがとう!!」ぶんぶんぶんぶん

トルマンはユウに握手して激しく振り回す。

ユウ「べ、べつにショーコ達として当然のことですから」

トルマン「おぉ、なんと麗しいショーコ情! わしは感激じゃ」

ショーコ「いいかげんにして! ユウに迷惑でしょうが」ぺしん

ショーコがトルマンを小突いた。

トルマン「うむ、すまん! すまん。 しかしお礼に……今はこれしか持ち合わせが無いのじゃが、これで」

トルマンは懐から札束を取り出した。

ユウ「いえ、そういうのは結構ですから」

トルマン「しかしそれでは申し訳がない! わしの気持ちがおさまらんのじゃああ!」

ショーコ「父さん、だったらアタシにいい考えがあるから」

ユウ「ショーコ?」


○古びた教会、屋根の上

カラス「あーたたた、まったく我を狙ってくるとは。 油断したわ」

屋根にカラスがとまり辺りを見下ろした。

カラス「このあたりの死霊もあらかた浄化されてしまったか。 まぁよい、これだけ力を得れたのだからな」

カラスの姿がぼやけて人型に変わる、カラスは死霊使いだった。

死霊使い「フム、我が復活したということはあの方も復活されたたということかの。 いざ参るか」

死霊使いはその場から消えさった。


○トルマンの馬車

ガラガラ

ショーコ「ふー、ダンくんもこればよかったのに」

ユウ「あのバカ真面目は帰れって言われたら素直に帰るわよ」

ハル「トーゴも現場の収拾に忙しそうだったし、仕方ないよ」

ユウ「パパもお店よかったの?」

ハル「うーん、ちょっと気がかりなんだけどね。 飛び出してきちゃったし」

トルマン「大丈夫じゃ、わしのトコの若いモンを使いに出したし、たまにはお前さんも羽をのばすもいいじゃろ。 ホレあれが王都じゃ」

ハル「わぁ、初めてだ」

ショーコ「そうなの?」

ユウ「パパはほとんどあの町から出たことないから、よかったわ」

トルマン「わしの宿があるからゆっくりしていったらいいぞ」

馬車は王都へ向かっていく。

ショーコ「これでチャラでいい?」ボソ

ユウ「もちろんよ。 パパと王都に行けるなんて楽しみだわ、ショーコ殿」ボソボソ

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