第4話 燃えろサマーキャンプ 2
○ハルの喫茶店
クスシ「ふー、ごちそうさま」
ハル「ユウが居ないとご飯が余るから助かるよ」
トーゴ「ハル!? 大変だユウ達が事故に会ったらしい!!」
トーゴが飛び込んできた。
ハル「え!? なにがあったの」
トーゴ「山の教会で落盤があったらしい、古い地下壕が崩れて生徒達が巻き込まれたという話だ」
ハル「そんなユウは!? 無事なの!?」
トーゴ「落ち着いて聞けよ、何人かの生徒はまだ見つかっていない。 ユウもダンもだ」
ハル「ど、どどどどうしよう」
トーゴ「落ち着け、今から俺は馬で行くがお前も来るか?」
ハル「いく! すぐ行こう」
トーゴ「わかった支度をしてこい。 馬をもってくるから」
ハル「わかった。 クスシ、戸締りお願いできる?」
クスシ「いいわよ」
◯穴の底
ダン「いたた、どこだここは?」
ユウ「やっとお目覚め?」
周囲の岩肌を魔法の光が照らしている。
ユウ「穴の底ね」
頭上に落ちてきた穴があるはずだが暗くて見えない。
ダン「生き埋めか?」
ユウ「さーね、あっちから風が吹いてるみたいだけど」
ダン「地下道か?」
ユウ「随分先があるみたいよ…… 教会に繋がってるかもしれないわ」
ダン「救助は来てないのか?」
ユウ「……誰も来ないし、アンタも起きたからこれ以上待つ気はないわ」
ユウは立ち上がった。
ダン「そうだな、行くか」
ユウ達は移動し始めた。
ユウ(パパが心配してなきゃいいけど、……心配だわ)
○夜の草原
パカラパカラパカラ……
トーゴとハルが馬に乗っている。
ハル「ねぇ、どれくらいで着くの?」
トーゴ「2時間はかかるな、二人乗りだし仕方がない」
ハル「そんな……」
トーゴ「……なにか魔法でも使えたらよかったが、魔法はさっぱりでな。 スマン」
ハル「魔法……移動に使えるのは。すばやさを上げるくらいしか出来ないかな、でも馬に乗ってたら意味ないし」
トーゴ「……なぁ、その魔法。 馬にかけたらどうなるんだ」
ハル「そっか!? さすがトーゴ。 いくよ”風靴”」ビュルル
風が馬の脚を覆う、馬のすばやさが上がった。
パカッガガガガガガガガガガガガッ!!
ハル「うわわわわわわ」
トーゴ「落ちるなよ!」
○墓地・地下壕
地下壕を転落したショーコが歩いている。
ショーコ「はー、いったいここどこよ?」
幽霊兵士「ウバシャー!!」
幽霊兵士があらわれた。
ショーコ「ふん!」
幽霊兵士「あべし」
幽霊兵士はかききえた。
ショーコ「幽霊の分際で人様にメーワクかけるなっての! まったく」
テクテク
ショーコ「さっきから本物の幽霊ばっかり、他に誰かいないかしら」
「……シスター……ドコニ……」
奥の方から話声が響いてきた。
ショーコ「よかった、誰か居るわ」
ショーコは岩陰から様子を伺う。
騎士「なに敵が…………今度こそ……」
ショーコ(うわ、イケメン!! 騎士科にあんな方いたっけ? ノーマークだったわ。 ダンくんより好みかも、……チャンス!)
ショーコは騎士に向かって飛び出した!
騎士「何者だ!? 敵兵か!!」
ショーコ「きゃー、お化けですわー、助けてください」ドーン
ショーコは騎士に抱き付いた!
○墓地・地下壕
幽霊兵士があらわれた。
ダン「うおわぁあああああああああ!!」
ダンは剣を振り回した
幽霊兵士A「!!??」
幽霊兵士B「コワ! コイツヤベェ」
幽霊兵士はかききえた。
ユウ「アンタまだお化け苦手なの?」
ダン「なにをいう、見事に退治したじゃないか」
ユウ「アンタの剣幕にびびってたように思うけど」
ダン「むぅ」
ユウ「ほら、早く出口をみつけないと」
テクテク
ダン「なぁ、ユウ。 一つ聞くぞ」
ユウ「さっきも言いかけてたわね、なに?」
ダン「なんで、騎士科に入らなかったんだ?」
ユウ「なによ急に」
ダン「いや、昔は世界を駆けまわる仕事をしたいって、騎士を目指していたじゃないか」
ユウ「そうねー、そんな時もあったかしら」
ダン「正直俺より、お前の方が才能はあるじゃないか。 なのになんで騎士科じゃなくて普通科に」
ユウ「……いいじゃない、別に」
ダン「……俺のせいか?」
ユウ「ダン……?」
ダン「俺と居るのは迷惑なのか?」
ユウ「は、何言ってるの? ……アンタが居る居ないで物事を判断したことはないわよ」
ダン「それはそれで傷つくぞ。 でも、それじゃあなんで」
ユウ「っもー、めんどくさいわね。 わかったわ、正直にいうわよ」
ダン「本当か」
ユウ「騎士科って全寮制でしょ」
ダン「そりゃそうだ。 でも、寮が嫌って。 ……もしかしてハルさんと別々になるからか?」
ユウ「もう、わかったならこの話はここまでよ。 まったく」
○
???(あ、こんな所に人が! あの女性の体を借りましょう、えい!)
バシン!
しかし弾かれてしまった。
ユウ「ん? なに、今の?」
ダン「いたた、弾かれてしまいましたわ」
ユウ「ダン?」
ダン「あら、殿方の方に入ってしまいましたどうしましょう」ナヨナヨ
ユウ「ちょっとアンタ気持ち悪いわよ」
ダン「あ、あの。聞いてください。」オロオロ
ユウ「キモッ、近寄るな」
ダン「お願いします聞いてくださいィ!?」
◯
ユウ「はー、貴方はここにいたシスターで気が付くと幽霊だったと」
ダン(シスター)「はい」
ユウ「私に乗り移ろうとして間違えてダンに乗り移ったと」
ダン(シスター)「えぇ、どうも、ユウ様の守護精霊がお強いらしくて
ユウ「見えるの?」
ダン(シスター)「いえ、ハッキリとはわかりません。 すごい光ってるので」
ユウ「ふーん。 まぁ、わかったからダンから出なさい」
ダン(シスター)「いえ、その行きたいところがあるのです」
ユウ「自分で行きなさいよ」
ダン(シスター)「それが自分だけでは動けませんので」
ユウ「そうなの? じゃあ、何処に行きたいの?」
ダン(シスター)「わかりません」
ユウ「出ろ!」
ダン(シスター)「お待ちくださいおやめください、痛いです、言い直します会わければならない方がいるのです」
ユウ「あなた何年前の人よ? とっくに死んでるわよ」
ダン(シスター)「ええ、お亡くなりになった方なんです!」
ユウ「なら、さっさと往生しなさい」
ダン(シスター)「あのかたはまだここに居るんです、感じるんです」
ユウ「なんですって」
ダン(シスター)「聞いて下さい、私は隣国のシスターで戦争の時にこの砦を奪取した兵隊の救護班に所属しておりました……」
幽霊シスターが語り始めた。
ユウ(長くなりそうね)
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