名字は日本で一番多い名字で、名前もよくある名前の主人公は、同僚とあるニュースを見ていた。「しわしわネーム」という、要は「古臭い名前をどう思うか」という調査だった。自分たちの世代が、主人公のような名前を、「しわしわネーム」だという感覚が、バカらしかった。
しかし、名前の規制が緩和され、いつの間にかキラキラネームへの改名が、空前のブームとなっていた。自分の名前を気に入っていた主人公は、このブームに怒りを感じたほどだ。ところが、会社に出社したところ、同僚の女性がキラキラネームに改名していた。そして、一緒に「しわしわネーム」仲間だった同僚まで、キラキラネームに改名してしまう。上司からは、キラキラネームに寛容になるように言われ、主人公は……。
名は体を表す。キラキラネームはその人を表しているのか?
小生は、塾の事務の経験があるが、塾生の名前が読めずに、苦労した経験がある。作品に出てくるような、あまりに突飛な名前こそなかったが、この子はずっと名前を読み間違えられて過ごすのだろうと、感慨深かった。
名前があるから、その物を認識できるという議論もある。何気ない名前を前に一度立ち止まって、果たして名前とは何なのか? を考えるのに最適です。
是非、御一読下さい。