忙しい人の為の異世界転移物

たぬきち

第1話 始まり、そして終わり

「あ、これ異世界転移だ!」


 俺はすぐに気付いた。何故ならそういうものだから。


 すぐにステータスを見る。


「なるほど。チートは最弱無敵か」


 ステータスのスキル欄には最弱無敵という魔法が記されている。


 説明には弱いと見せかけて最強の能力とある。


「よーし! まずはギルドだ!」


 ギルドに向かうと柄の悪い冒険者に絡まれた。倒した。周りに褒め称えられた。


「よーし! 依頼を受けよう!」


 ゴブリンの討伐依頼を受ける。その向かった先の森でゴブリンに襲われる美少女を助ける。惚れられる。仲間が増えた。


「よーし! 奴隷を買うぞ!」


 美少女と共に依頼をこなしていくうちにお金も溜まったので、奴隷を買った。

 死に掛けだったので、手厚く看護してやると懐いた。仲間が増えた。


「よーし! ドラゴンを倒すぞ!」


 ギルドでのランクも上がり、最速でのSランク冒険者となった。そこで、Sランクだけが挑戦できる依頼、ドラゴン退治を受けた。倒した。止めを刺そうとしたところ女の子になった。怯えている。テイムして仲間にした。仲間が増えた。


「よーし! 仲間の真の力を引き出すぞ」


 森で出会った美少女は、実は天使だった。伏線はどこかにあった。なくてもいい。奴隷は弱っていただけで回復してからは強かった。ドラゴンは竜人族の集落で試練を受けて強くなった。引き出した。


「よーし! 魔王を倒すぞ!」


 倒した。苦戦したけどなんやかんや仲間との絆がほにゃららで倒す事ができた。国中から褒め称えられた。


「よーし! 戦争を止めるぞ!」


 魔王が居なくなった人間の世界では未だに国同士の争いが続いている。それを止める為、仲間と冒険者達で国を作った。止めた。世界中から褒め称えられた。調停者と呼ばれた。


 だが、元の世界には戻れない。


「よーし! 元の世界に戻るぞ!」


 元の世界に戻る方法を探した。見つけた。神と呼ばれる存在が関わっているようだ。倒した。元の世界に戻しますと言われた。

 

 だが、元の世界よりこちらの世界の方が気に入っている事に気付いた。俺が残るのを世界中が喜んだ。


「よーし! 幸せに暮らすぞ!」


 暮らした。


 おしまい。






ええ。ごめんなさい。悪意はほんのちょっとしかないです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

忙しい人の為の異世界転移物 たぬきち @tanukichi0320

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ