リンの正体?


 『リン、リン、リン、リン』

 鐘かよ!!

 学校に来ても、頭の中はリンの事で一杯、授業に身が入らない……まあ、元々そんなに身を入れているわけではないけれども……


「わったがっせく~~ん」

 伏せていた顔を上げると、僕の目の前にちょっとチャラい感じの同級生ゆかりが立っている。


「なんか悩んでるみたいじゃない、お姉さんに話してごらん」

 超ミニの制服、太ももが僕の目の前でチラチラしている、僕はなめるように見上げそして……、また机に伏せる


「ちょっとちょっと、無視はないでしょ」


「なんだよお姉さんて、いま、そういう気分じゃないんだ、ほっといてくれよ」


「なによ~また2組の子振ったって聞いたよ」


「また……なんか言ってるのか?」


「まあね~~やっぱり彼氏がいるんじゃないかって」


「それか……僕はノーマルだ!」

 

「だったら彼女作りなよ~」


「いいだろ、別に……」


「私がまた紹介してあげようか」


「5分でイメージ違うっ言われたから二度といい」


「また変な話をしたからだよ」


「今時昨日のアニメ話しをしただけで、オタ認定されてもね」


ともはそうイメージじゃないからね~」


「それが嫌なの、僕の顔だけでそんなイメージ持たれても困る」


「その顔で生まれてきた宿命でしょ、贅沢な悩みよね、私より美人な顔で言われると腹が立つよ」


「女で生まれてきたならね」


「もう彼氏作ればいいんじゃない、朋なら付き合ってでみんなコロッと付き合ってくれるよ」


「だーーかーーらー、僕はノーマルだ!!」


「あははははははは、でも、まあ朋と付き合うのは本当に大変だよ、自分より美人な彼氏って結構プライドが傷つくしね」


「じゃあなんで告白してくるんだよ」


「まあ、見せびらかしたいんだろね」


「パンダかよ」


「うーーん、よく言えばブランド物とか宝石とかそんな類い?」


「どっちにしろ人間扱いして貰えないって事だろ」


「まあね~~」


「もういいだろ、ほら授業始まるぞ」


「は~~い、じゃあまたね~~」


「来なくていいいよ……」

 縁が自分の席に戻って行く、ヒラヒラとしている短いスカートをを眺めつつ頬杖をつく……


「あいつとも長いよな~~」

 日下部 縁くさかべ ゆかり僕の事を女友達みたいに扱う中1からの腐れ縁、僕に何かあれば今みたいに茶々をいれに来る……


「ただ、まあ助かってるけどね……」

 こういう雰囲気時には誰も僕に話しかけて来ない、そう言うときに必ず縁が来てくれる。


「彼女か……」

 女の子とは今まで何度か遊びに行ったり、ご飯を食べたり、お茶したりはしたことはある。

 でも正式に付き合った事はない……、なんか話しが噛み合わないんだよね、僕に対するイメージがそうさせているみたい。


「リンなら……」

 僕の容姿を知らないリンなら、そんなイメージを持っていないリンなら、僕と上手く行くんだろうか……


「小説の様に、偶然にこの学校に居たり、このクラスに居たり、そんな事があったら凄いんだけどな~」

 僕は周りを見回す……また何人か僕を見ていた……注目されるのは慣れている……でも……今日の視線は好きではない、この好奇な視線は……



 ####



「思いきってリンに相談してみようか……でも告白されて断って周りから変な疑惑を持たれてるって言うの?」


「でも……じゃあ私が付き合ってあげる、とか言われたり?」

 そんな自分に都合の良いことばかり考えつついつもの通りPCを立ち上げる。


「やった!」

 ゲームを立ち上げると既にリンがインしている、僕はいつもの場所に駆けていった、すると……


『なあなあ、行こうよ、すげえゴールド稼げる所あるんだよ、一緒に狩りにいこうぜ』


『大丈夫です』


『どこかのギルドに入ってるの?うちに入りなよ』


『そういうの興味ないんで』


『えーーそんなんで楽しい?、てか君女の子?』


『俺は男だよ、ネカマって奴だよ、ネトゲに女の子なんて居るわけないだろ』


『はははは、まあそうだよな、知ってたwww』


 っていうチャットが僕の所に……!!!!!


 ちょうど木の下で話していた二人、角度的に僕が見えなかったんだろう……僕は慌てて反対方向に戻った、エリアチャットの範囲から抜ける……今のログが僕の所に残った……僕はその場でキャラを立ち止まらせ、そのログを何度も見つめる……


 間違いなく書いてある、普通の会話と違いチャットはログが残るので聞き間違いとかではない…………お……と……こ…………



 リンが!リンが男!!!


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