私の理想の人


 理想の人……誰にでもそんなイメージありますよね?


 私にもあります理想の人、容姿とかはあまり気にしない、年齢も気にしない、優しくて誠実で、頼りがいがあって、そして私を大事にしてくれる同じ価値観を持ってる人、そんな人が私の理想


 でも男の子ってみんなカッコつけてるか、諦めてるかのどっちか、モテたい人って調子が良くて、それ面白い~~って言いながらも全然聞いてなかったりする。


 私の理想の人なんて居ないって思ってた、つい最近まで



 でも居たの、私の理想の人、誠実で優しくて同じ景色に感動してくれる、私の話しを嫌がりもせずにいつまでも聞いてくれる、その人の話しも凄く楽しくていつまででも聞いていたい、そんな人が居たの!



 ###


「ねえねえ天音ってさ、渡ヶ瀬先輩の妹になったって本当?」


「……義理の妹よ」


「えーーーーーー!じゃあ朋先輩と同居してるって事?」


「去年母が再婚したんだから、まあ……」

 多分知ってる癖に聞いてくる、転校して暫くして分かったが、兄はこの中学のアイドル的存在だった……みんな容姿しか見てないでしょ、あの性格ブス……


「羨ましいな~~朋先輩って可愛いよね~~彼女とか居るのかな?、それとも彼氏?」



「さあ?」

 正直あいつの彼女なんて興味ない、彼氏だったら少し興味が……いやいや……


「えーーなに?仲悪いの?それとも付き合ってるのを隠してるとか?」


「冗談じゃないわよ!私には好きな人が…………」


「え!天音って好きな人居るの、誰々??」


 しまった……絶対に言えないのに……だって……誰だか分からないんだから……


「えっと、内緒……」


「えーー、教えてよーー協力するよー、だから私にも協力して、お兄さん紹介してね」


 絶対に嫌……でも私は愛想笑いでしか返せなかった……



 前の学校でも目立たない位置にいた、クラスの中の目立たない存在、同窓会で「えっと誰だっけ?」って言われる位置、黒髪眼鏡の地味な存在、そんな位置に居たので転校するとなったときに誰も悲しそうな人は居なかった……私も別に困らなかった、お母さんが幸せになるならと……


 新しい生活はとてもいい、新しいお父さんも優しくて、でもあいつは嫌い、大嫌い、女の子みたいな可愛い顔、その顔でブスって言った……最低……


 私には好きな人が居る、凄く優しくい彼……彼……もしかしたら彼女かも?性別は分からない


 そして年齢も……どこに住んでいるのかさえ……








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る