第24話
翌日、土曜日のため学校はお休み
湊は母親からもらっているお小遣いで貯めていた貯金の一部を持ち、街へと出かけた
怖いけど、変わらなきゃ・・・!
湊は絶対ひとりでは入らないような洋服屋や雑貨店など、いろいろなものを買いそろえていく
そして、美容室に入り・・・
「お願いします」
夕方、湊は今日買った帽子をかぶり、テラの元へと急いだ
「テラ~、今日も来たよ」
「いらっしゃい、湊」
テラは昨日と同じく人型をとり、妖精たちと戯れていた
ちなみにテラは人型の時は裸というわけではなく、鱗が洋服に代わっているようで昨日も服をちゃんと着ていた
「今日はどうしたんだい?」
「ちょっとね、家族とか学校のみんなに見せる前に、テラに見せたくて」
「なにを?」
湊はテラに問いかけられ、ニッと笑う
「じゃーん!」
自分で効果音をつけながら、かぶっていた帽子を取った
下から現れたのは、短く切りそろえられた髪の毛だった
「どう?結構切るのに勇気が必要だったんだけど・・・。テラがいるって思ったら勇気が出て・・・」
照れたように笑い、頬かいた
「・・・」
「テラ?」
「・・・似合っているよ」
すっと髪をすかすように撫でられ、優し気に微笑むテラをみて湊は顔を真っ赤にした
「あ、ありがと・・・」
帽子で顔を隠し、目だけテラにも見えるように出す
「前のように、黒く染めなくてよかったのか?」
「うん、テラのおかげで自分の事少し好きになれたし・・・。それに、自分の事をもっと好きになるために、慣れて行かないとって思ったから・・・」
「そうか・・・、でも、よく似合っている」
「えへへ、ありがとう・・・」
妖精たちも湊のまわりに集まりだし、髪の毛を触ったり頬をつついたりし始めた
すると1人の妖精が1輪の花をもってきて、湊の耳にかけた
その花は薄い紫のような、ピンクのような色をしており、湊の目とよく似ていた
「プレゼント、だそうだ」
「そっか、ありがとう。大事にするね」
湊は優しく妖精を撫でる。妖精も嬉しそうにすり寄った
Vert clair simaki @misaki0517
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