第20話

そういうとテラは、一度池からあがり葉っぱを2枚とってきた


「これは妖精たちに教えてもらったんだが、なんでも汚れがとれるそうだ」


テラは葉っぱを細かくちぎり、池の水をかけ、こすり合わせた


すると、だんだん泡がたちはじめた


「わぁ・・・」


「よし、こんなものだろう。洗うぞ」


テラは優しく湊の髪の毛を洗い始める


絵の具によって絡み合った髪をちぎれないよう優しくほどき、それでいてちょうどいい力加減で洗う


「きもちい・・・」


湊は目を細める


「それはよかった。しかし、その服も洗わないとだろう?」


テラはもう1枚の葉っぱをわたす


「さすがに私が洗うわけにもいかないであろう。自分でしてくれ」


「あ、うん」


湊は先ほどのテラにならい、葉っぱを泡立たせる


「後ろは汚れてない?」


「ああ、汚れていないよ」


「わかった」


湊は制服についた絵の具に泡をつける


すると、こする前からすでに泡に絵の具が溶け出しており、するんとおちた


「すごーい!」


「ある程度の汚れならすぐに落ちるが、そうだな・・・、呪いや意図的になにか細工されたものだと落ちにくいな」


「へぇ・・・」


「もういいだろう。湊、池に頭からつかって、髪の毛の泡を落とすといい」


「あ、うん」


湊は言われた通り、池にぼちゃんと頭までつかった


泡をしっかりと落とすために、手ですかしながら髪の毛を洗う


もういいかな・・・?


湊は勢いよく水面に顔を出す


「ぷはぁ!テラ、汚れ落ちて・・・る?」


テラに汚れを確認してもらおうと振り向くと、テラは目を見開いていた


「・・・テラ?」

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