第18話

「え、でも・・・」


湊はテラと名乗る、見知らぬ男性を上から下までじっと見つめた


「どうした・・・?」


湊はそっとテラから離れる


「もし、ほんとにテラなら、自分の体見てみて・・・」


「私の体?どうかした・・・」


テラは湊に言われた通り、自分の体を見た


そして、言葉を失い、目を見開く


腕を触り、上半身、足、顔と体中を触って、確かめる


「み、湊・・・」


「な、なに・・・?」


テラは目を見開いたまま、湊のほうに顔を向けた


「私は、今、どうなっている・・・?」


まるで、目の前に幽霊が現れたような青ざめた顔をしながら、湊に問いかけた


「・・・人間、になってるよ・・・?」


湊はカバンの中から、手鏡を出し、テラに見せた


テラは恐る恐る、鏡の中を覗き込む


そこには、褐色肌で、切れ長の琥珀色の目と銀色ともとれるように艶のあるグレーの髪の毛を持った、顔立ちの整った男が写っていた


テラが手を動かし顔を触ると、鏡の中の男も同じ動きをした


「・・・確認するけど、テラ・・・なんだよね?」


なんとか事態を飲み込んだ湊は、改めてテラに問いかける


「・・・そうだ・・・、と言いたいところだが、正直、私もこのようなことは初めてだ・・・」


まじまじと鏡の中の自分を見ながら、テラは今の自分を確かめた


「・・・よし、とりあえず、私の事はあとだ」


「え」


テラは鏡から湊に視線を戻す


じっと切れ長の目で見つめられ、湊はドキッとする


「まずは、洗わないとな」


そういうと、テラは湊から荷物を奪う


「え、ちょ、なに!?」


「さすがに、裸はまずいな・・・」


「裸!?」

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