第14話
次の日、学校に行くとすでに真琴が来ていた
「お、奥野君。おは、よう・・・」
「ん?あぁ、白間さん。おはよう」
湊は自分の声に気づいて、返してくれることをうれしく思い、微笑んだ
「昨日は、ありがとう・・・」
「全然?人として、当たり前の事したまでだよ」
軽く笑いながら、真琴は勉強を再開する
朝から、すごいなぁ・・・
さすがの湊も朝から勉強することはあまりなく、朝は読書をすると決めている
湊は、真琴の隣の席に座り、読書を始めた
そういえば、これももうすぐ読み終わるなぁ・・・
次、なに読もうかなぁ・・・
湊がよく読む本はいたって普通の小説で、いろいろな作品を読んでいる
お昼にでも、図書室いってこようかな・・・
図書室はこの学校の中でも、指を数える程度しかない湊の心安らぐ場所である
そのほかには、保健室や美術室、廃部となった部活の部室などがある
今度は何借りようかなぁ
久しぶりに心弾ませながら、湊は読書をつづけた
そうして、お昼
湊はささっとご飯を食べ終えると、図書室に急いだ
「こんにちわー・・・」
カウンターのほうをみると、青白い肌をした、メガネをかけた男性が座っていた
男性は湊の姿を確認すると、読んでいた本を閉じ、顔を上げる
「白間さん、こんにちわ」
「こんにちわ。百目鬼さん」
男性、百目鬼 雅楽(どうめき うた)は湊の通う学校の司書である
肌が青白く、すらっと高い身長の持ち主で、切れ長の目にメガネをかけているので、一部の生徒からは吸血鬼なのではと言われている
しかし、本当は少し離れたところにある神社の息子で、姉と兄がいるため自由にしているらしい
湊とは一年生のころからの知り合いで、たまたま本の趣味が似ていたことで話すことができ、仲良くなった
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