第13話
『何を言う。そなたもそうであろう?』
テラは湊に顔を向ける
「ううん、私はたくさんいる人間の中のひとりなだけで、いわゆるその他大勢って感じだし・・・」
『・・・たしかに、そなたと親しくない人から考えればそうなるだろうな』
テラは頭を戻し、目線だけを湊に向ける
『しかし、そなたと関わりを持つものならどうだ?』
「え?」
湊は下げかけた頭を上げた
『湊という名の、長い髪を持ち、華奢な体つきで、このあたりに住んでいるのはそなただけであろう?もし仮に、同じ名前を持っていたとしても、性格や趣味など何から何まで全く同じという者は存在せんだろう。もし、存在したら、それこそ怪異だ』
「え、っと、つまり・・・?」
『おぬしも、この世界で唯一無二の存在だという事だ』
「て、テラとおんなじ?」
『あぁ。ここにいる妖精たちもな』
テラと、おんなじ・・・
湊はまわりにいる妖精たちを見た
一見、みんな似たような見た目をしているが、よく見るとそれぞれに違った特徴があり、一人として同じ妖精はいない
湊はテラに抱き着いた
「・・・ありがとう、テラ」
『なに、感謝されるようなことはしておらんよ』
テラは優し気に目を細め、鼻らしきもので軽く湊をゆする
「また、来てもいい?」
『あぁ、いつでも待っておる。私も、この妖精たちもな』
「うん!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます