第6話
湊は自分の名前の意味を考えたことがなかった
湊ってそんな意味があったんだ・・・
しかし、湊はテラの言葉を聞いて、心が苦しくなった
「・・・私なんて、大切にされないよ・・・」
『なぜ?』
「だって・・・、私は、人とかかわるの苦手で、何かをしようとしても気味悪がられて、それならかかわらないようにしようって、目線が合わないようにって伸ばした前髪も余計に変にみられて、唯一のとりえの勉強もいいように使われて・・・。大切になんか、されないよ!」
湊は感情のままに、テラに暴言を浴びせてしまった
テラはじっと湊を見つめる
『・・・湊よ。そなたは、自分が好きか?』
「・・・え?」
突然の問いに湊は驚き、テラを見つめる
『自分が好きか、と聞いておる』
「あ、えっと・・・、好きじゃない・・・」
『であろう。それだから、だれからも大切にされんのだ』
テラは湊にもわかるように息をついて見せた
「ど、どういうこと?」
『そなたは、自分の事が嫌いなのなら、少しでも変わろうとしたか?』
「え・・・」
『しておらぬだろう?自分の事は嫌い。だけど、変わろうとする努力もしない。それでは、皆に好かれるわけがなかろう』
湊は反論しようとしたが、できなかった
なぜなら、テラの言っていることは当たっているからだ
湊は歯がゆくなり、こぶしをぎゅっとにぎった
その様子を見て、テラは頭をもとの位置に戻す
『湊よ、そこに座りなさい』
湊はテラに言われた通り、その場に座る
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます