第6話

湊は自分の名前の意味を考えたことがなかった


湊ってそんな意味があったんだ・・・


しかし、湊はテラの言葉を聞いて、心が苦しくなった


「・・・私なんて、大切にされないよ・・・」


『なぜ?』


「だって・・・、私は、人とかかわるの苦手で、何かをしようとしても気味悪がられて、それならかかわらないようにしようって、目線が合わないようにって伸ばした前髪も余計に変にみられて、唯一のとりえの勉強もいいように使われて・・・。大切になんか、されないよ!」


湊は感情のままに、テラに暴言を浴びせてしまった


テラはじっと湊を見つめる


『・・・湊よ。そなたは、自分が好きか?』


「・・・え?」


突然の問いに湊は驚き、テラを見つめる


『自分が好きか、と聞いておる』


「あ、えっと・・・、好きじゃない・・・」


『であろう。それだから、だれからも大切にされんのだ』


テラは湊にもわかるように息をついて見せた


「ど、どういうこと?」


『そなたは、自分の事が嫌いなのなら、少しでも変わろうとしたか?』


「え・・・」


『しておらぬだろう?自分の事は嫌い。だけど、変わろうとする努力もしない。それでは、皆に好かれるわけがなかろう』


湊は反論しようとしたが、できなかった


なぜなら、テラの言っていることは当たっているからだ


湊は歯がゆくなり、こぶしをぎゅっとにぎった


その様子を見て、テラは頭をもとの位置に戻す


『湊よ、そこに座りなさい』


湊はテラに言われた通り、その場に座る

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