第4話

ふと気づくと、見たこともない神社があった


あれ、こんなところに神社なんてあったけ・・・?


湊は不思議に思いながらも、鳥居をくぐり中へと入って行った


続く道を淡々と歩いていくと、狛犬が置かれているところにつく


しかし、その先には拝殿がなく、うっそうと茂る森が広がっていた


「え、どういうこと・・・?」


湊はいつも見るような神社と違う形をしていることを怪しみながら、森に近づく


すると、森には道が続いていた


それは獣道ではなく、人が通れるように整備されているかのようだった


湊はその道を奥へ奥へと進んでいく


どこかへ誘われているような感覚を覚えながら、湊はその足を止めようとはしない


しばらく歩くと、開けた場所に出る


森の中にポツンとあるような空間で、たぶんだが地図で見るとそこだけ森が消えているようであろう


「うわぁ・・・」


しかし、そこはとてもこの世とは思えないような美しさだった


青々と茂る木々は日光を浴びて木陰を作り、がけの上から滝が落ちているので涼しげな印象を受ける


さらに、その滝から生まれる池や川は透き通っており、そこにいる生き物たちの姿をみることができる


ふとふいた風が湊の頬をなで、爽やかな匂いが鼻をくすぐる


・・・私と違って、きれいなところ・・・


湊は岩のある木陰に座り、じっとその様子を眺める


春だっていうのに、涼しいところ・・・


湊は岩によりかかる


すると


『おや、珍しい。お客さんかな?』


という声が聞こえ、湊は肩を跳ね上げた


慌てて、あたりを見渡しても人の姿はない

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