第3話
教室掃除を終え、ごみ箱をもってゴミ収集している箱が場所まで行く
そこは中庭の一角にあり、二週間に一度ごみ収集の方々が来ている
湊が教室のごみをその中に入れていると、上から紙くずやお菓子、パンの袋などが大量に落ちてきた
「あ、ごっめーん」
「そこにいるの気づかなくてさぁ」
湊の頭の上から、ごみを落とした二人の女子生徒はくすくすと笑いながら、謝る
湊も、それが心から謝っているなんて、思ってもいない
「・・・うん、大丈夫だから」
「そう?それじゃあ」
女子生徒がもう一つのごみ箱を湊の頭の上に持っていき、そのままひっくり返した
当たり前だが、中に入っていたごみが湊の上に落ちてくる
「これもよろしくねぇw」
女子生徒は高らかに笑いながら、校舎へと戻っていく
湊はその様子を黙ったまま、見送る
そして、二人の女子生徒の姿が見えなくなると、湊は足元に散らばったごみを拾って箱の中に入れ始めた
「・・・私の見た目が悪いんだもんね・・・」
だから、みんな、こうやって・・・私を・・・
湊は拾いかけたごみを握りしめる
・・・どうして、私ばっかり・・・!
湊の目には涙がたまっていた
ただ、みんなと仲良くしたかっただけなのに・・・
みんなの役に立ちたかっただけなのに・・・
湊は涙をぬぐいながら、ごみを拾うのをつづけた
そして、すべてを拾い終わった後、ごみ箱を教室に戻し、家への帰路へとつく
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