1日目─先生─

私は先生に、タイムリープで過去で、戻るか、それともタイムマシーンで過去に戻れるならどっちがいいですかと聞いた。

そしたら、先生は、タイムマシーンで過去に戻りたいと言った。

そして、私がその理由を聞いたら、先生は一度微笑みを浮かべ、そして語りだした。

「さっき、神林はタイムリープは、元の時間軸に戻ることが出来て、それで未来を変えない。そんなこと言ったよな」

「はい。言いました」

「それで、タイムマシーンで過去に戻るなら元の時間軸には戻れないとそして、未来を変えてしまうと言った。

でもさ、これって人によって考え方が変わってくると思うんだよね」

そこで、先生は一息をついた。

「神林は、タイムリープは、元の時間軸に戻れて、未来を変える力はないと言った、そしてタイムマシーンは元の時間軸に戻れず、未来を変化させる力があると言った。でも、俺の考えだと違う。元の時間軸に戻れるかそうでないかっていう点では、一緒だけど。でも未来を変えれる力はタイムリープもタイムマシーンも変わんないと思う」

「でも、タイムリープは、一定期間だけです。ですか、タイムマシーンだと期間は決められていませんよ」

「そこなんだよ。タイムリープは確かに一定期間でそこまで長くないそんなイメージがある。

でも、一定期間でも未来を変えることはできる。そうだろ?」

「そうですけど………」

「つまりは、タイムリープにも未来を変える力はあるってことだよ」

私は先生の言葉を聞いて、納得してしまった。

私は、固定概念によってタイムリープでは未来を変えることができないとばかり思っていた。

でも、固定概念を持っていたせいで、一定期間でも未来を変えることができるというところを見落としていた。

これも唯の私の固定概念なのかもしれないけど、タイムリープは、一定期間の未来しか変えない。それは先生はどう思っているのか気になって聞いてみた。

「タイムリープにも、確かに未来を変える力はあると思います。でも、それはそのタイムリープした一定期間だけなのでは?」

「なんか、今日グイグイくるね。未来を変えれるのは、確かにタイムリープした時の一定期間だけだ。でも、それでその一定期間でなにか未来をもの凄く変えるきっかけになることがあったのなら、それは、未来を変えるってことじゃないかな?」

一定期間の内に、なにか凄いことが起こり、そしてそれによって未来が変わる。先生はそう言っている。

「でも、そんなこと起こらないんじゃないですか?」

「なんで、そう思う?」

「だってそんな確率的に、凄く低いはずだから」

「なにか未来を変えてしまう凄いことが起こる確率は、凄く低いと思う。でも、0ではない。

それが、0.1かもしれない。でも、その0.1の可能性で未来を大きく変えてしまうことが起こるかもしれない。そう考えると、タイムリープにも未来を変える力はあるんじゃないかな?」

「確かに…………じゃあ、私が下手なことしたら未来が変わる?」

私はもの凄く不安を感じた。

あの店主に聞いておくんだったと思った。

タイムリープよる未来の改変はあるのかと。

「私が下手なことしたら?の次なんて言った?」

「あ、なんでもないですよ」

「そうか。まあ、いいとするか」

その時だった帰りの時間を知らせるチャイムが鳴ったのは。

「チャイムも鳴ったことだし、帰れよ」

「はい。今日はありがとうございました」

そして、私は学校を後にした。

帰り道。

私は考え事をしていた。

今日先生が話してくれたタイムリープでも未来を変えることがあることについて。

私はずっと、タイムリープは未来を変えることなんてできない。というよりもできるはずがないと思っていた。

でも、先生の話を聞いて、私の考えにも少し変化が起きていた。

──タイムリープでも未来を変えてしまうのではないかと。

私は今朝巫女に言ったはずだ。

タイムマシーンは、人の未来を変えてしまうものなのだと。

だから、過去に戻れるとするならば、私は人の未来を変えることのないタイムリープがいいと言ったはずだ。

それなのに、タイムリープでも人の未来を変えてしまうのなら、意味がないじゃないかって。

「………でも、タイムリープによる未来の変換の可能性はもの凄く低いって先生は言っていたよね……………」

可能性が低いからって絶対安心ってわけではない。

そんなのは私は知っている。

合格率2%の試験に私が受かってしまったようにその逆もあるっていうことだ。

「今日なにか、あったけかな?」

一番未来を変えてしまう可能性が高いのは、たぶん私が屋上で昼御飯を食べて、そこで彼と出会ったことだろう。

「……………………………」

空には星1つなく街の街灯が消えたら真っ暗になるのではないかっと思うくらいに、空は真っ黒だった。

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