「刀なのになんで剣なの!?・②」

 「ショートソックス」!

 

 と、いう所で、ここまで様々なレッグウェアが登場して来たので、改めてレッグウェアの種類について少し説明をしよう。レッグウェアの名前は、「おおよそ」だがかかとからの長さで変わっていく。以下が一覧だ。


 5センチ以下………ショートソックス。フットカバー。スニーカー。

 13~15センチ…ソックス。

 22~26センチ…ハイクルー。ブーツソックス。

 33~38センチ…ハイソックス。ショートストッキング。

 50~55センチ…オーバーニー(オーバー・ザ・ニーソックス)いわゆる和名でニーソックス。

 57センチ…………スーパーロングオーバーニー、つまりはサイハイソックス。そして、ガーターに吊るされるガーターストッキング。


 ※前述したが、ルーズソックスとは「長さの」名称では無いので、ここには記載は無い。

 

 だがしかし!長さからの基準は、「おおよそ」でしかないのだ。なぜなら、脚が長くなると、サイハイでもニーハイになることもあるからだ。あくまで、平均値から導き出された区分だという事を、我々は肝に銘じていなければならないのだ!


 だから、「あれは、サイハイじゃない!ニーソだ!」「ソックスもハイソックスも同じだ!!」ではなく、平均値からの区分!という事を肝に銘じ、我々はそれぞれに、愛すべきレッグウェアを認め合い、そしてたたえ、共に楽しい「レッグウェア・ライフ」を送ろうではないか!!




 さて、本編に戻ろう。


 そうそう土偶の靴は、こげ茶のローファーだ。市立セーラー高等学校は、様々なレッグウエアあったり、バータイの巻き方だけでなく、靴も緩かった。ちなみに土偶の身長は155だ。


「えっ!土偶ちゃん、なんでそんな超!国宝級を持ってるの!?」


 察しのついた鞘乃が驚いて声を上げた。


「超!国宝級ってなんだ?」


 刀子が聞いた。


「3組の佐々木の刀よりも凄いのピョンか!?」


 柄恵が聞いた。


「多分、私が想像してる刀なら、今度は……




 億単位だと思うよ」


「「( ̄□ ̄;)!!」」


 刀子と柄恵の時は止まった。すると土偶が言った。


「ちょうど持って来てたんだ!!」


 土偶は椅子にリュックのように二本のベルトで掛けていた、明らかにギターケースなのを持ち上げると机の上に置いた。すると刀子が言った。


「えっ?どうみてもそれ!ギターケースだろ?」


「違うんだよ!普通の鞘には納められないから、お兄ちゃんのソフトギターケースを借りて、入れて来たんだよー!」


 土偶はそう言うとギターケースから、見たこともない形の刀を取り出した。


「マジか!それ刀なのかよ!?」


「びっくりだピョン!!」


「どっ、土偶ちゃんやっぱりソレって!?」


 みんなが驚愕の声を上げると、土偶は刀の名前を言った。


七支刀しちしとうだよ!」


 刀と呼ぶには、異様な形!中心の剣から左右に互い違いに3つずつ、枝のように刃が伸びていた。そうそう余談だが土偶の、お気に入りのキーホルダーは七支刀を持った土偶人形の土偶ちゃんだ。


「ヤベーな!その刀。7人まとめて切れるのか!?」


「刀子ちゃん、違うって!刀の先を数えると、7つある事から七支刀と呼ばれているの!!」


「そういう意味なのか!!」


 刀子は理解したようだ。その時、鞘乃が言った。


「ところで、こう言っては何なんだけど、七支刀は……




 日本刀じゃないよね?」


 鞘乃の言葉に。


「ええっ!?」


 土偶自身が驚いた!!そして聞いた。


「鞘乃ちゃん!それ、ホント?七支刀は日本刀じゃないの!?」


 鞘乃に言われた一言に、土偶の開いた口がふさがらない。鞘乃が言葉を続けた。


「確か、古代朝鮮半島西部の国、百済くだらから古代日本国の倭王わおうに贈られた物だったと思う!!」


「えー!ホントに日本刀じゃないの!?どうしよ!いつもの日本刀が壊れちゃったから、うちに有ったのを私、とりあえず持って来ちゃったんだ!!この刀も帯刀になるのかな?」


 鞘乃の言葉に慌てる土偶。


「武器なら帯刀になると思うけど、というか、そんな凄い刀を持っている土偶ちゃんちて、いったい何!?」


 今度は、超!国宝級の物が家にある事に、鞘乃の開いた口がふさがらなかった。すると伊達が話に入って言った。


「そう言えば七支刀は確か、鋳造ちゅうぞうでしたよね?」


 すると刀子が天然突っ込みを入れた。


「なんだ?チューぞうって?ネズミの親分か!?」


 話の腰が折れそうなので鞘乃が刀子に突っ込んだ。


「ちょっと刀子ちゃんは黙ってて!」


 すると柄恵も話に入って来た。


「えっ?鋳造って何ソレ?私も知りたいピョン!!鞘乃!教えるピョン!!」


「もう!みんなちょっとは真面目に授業を受けてよね!!何でも私に説明させないでよ!!」


「まあ、そう怒るなピョン!今の役割では、そういうキャラなんだピョン!!」


「もー!柄恵ちゃんメタ発言しないでー!!」


 てな訳で、鞘乃の説明が始まった。


「剣の作り方には鍛造たんぞうと鋳造ってのがあって、鍛造とは日本刀を作るのと同じ方法で、鉄を叩いて不純物を押し出し、鍛えたのち形を整えていく作り方なの。鋳造とは鉄を溶かして型に流し入れる作り方だよ!」


 すると伊達も説明を手伝った。


「ちなみになぜ、日本刀は鍛造になったかと言うと、西洋では高温を出せる石炭が良く取れたのと良質な鉄が取れたからそうです。日本では低い温度の炭を使っているのと、叩いて純度を上げるような鉄しかなかったからだそうです。そうそう、刀を鍛えてる時に飛び散る火花は、不純物なのですよ」


「へー!さすがは物知りの伊達だピョン!!」


 すると鞘乃も説明をした。


「叩いて鍛えるのは西洋でもあるんだけど、何度も折り返して叩いて、良質なはがねにすると、切れるが折れやすくなるの。それに西洋には鉄の鎧があるでしょ?」


「ああ、じゃあ斬れねーな!」


 刀子が鞘乃に答えると、鞘乃は嬉しそうに言った。


「そうなの!だから西洋の剣に求められるのは重さと叩いても大丈夫な強さなの。よほどの身分の高い人なら、鍛造で時間とお金をかけて作るけど、一般兵士とかに向けてだと、鍛造よりも簡単で、重い剣が沢山作れる鋳造が主流になったんだよ!!」


 すると伊達も補足した。


「でも日本刀の凄い所は、この良く切れるけどもろい鋼の問題を、積層せきそうにする事で可能にしたのです」


「「「積層?」」だピョン?」


 刀子に柄恵、土偶は疑問の声をあげたのだった。


つづく

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