「再生機でオッタマゲー!?・④」

「私に任せて♪」


 見ると額に白の鉢巻をし、前髪を左右に長く垂らした、青髪あおかみポニーテールの女の子が飛び出して来た!


 その女の子は刀子たちと同じセーラー服を着ていて、桜色のバータイからクラスは違うが、同じ高校の一年生だと分かった。青髪ポニーテールは黒いゴムで縛られていた。


 ちなみに身長は刀子の目ぐらいの高さで165センチ。おっぱいは、普通おっぱいで、白のハイソックスに茶色のローファーだ。


「まずは下緒さげおをほどいて」


 ポニーテールの女の子は、長い日本刀が腰帯こしおびから抜けぬよう、結んでいた紐の下緒をほどいた。


「次に、栗形くりかたに下緒の端を結んでと♪」


 ポニーテールの女の子子は、腰から刀を抜くと、下緒を通おす鞘の栗形に、ほどいた下緒の端を結んだ。


「これで、鞘を刀に沿ってずらすと、長く伸ばせるから、きっと引っ掛けて拾えるよ!」


 そう言うと、ポニーテールの女の子は、鞘の先端の小尻こじりをキーホルダーの輪っかに引っ掛けた。


「やった♪キーホルダーの輪っかが大きくて助かった!!」


 そう言うとポニーテールの女の子は、ホーム下に落ちてしまった刀子のキーホルダーを拾い上げたのだった。


「ありがと!スゲー助かったよ!!」


 無事、取り戻せたキーホルダーに大喜びの刀子!!


「凄いピョン!その日本刀、凄く長いピョン!!」


 柄恵はポニーテールの女の子の、刀の長さに驚いていた。


「うん♪この刀は、三尺さんじゃくあるからね!!」


「えっ!三尺もあるの!?」


 ポニーテールの女の子の言葉に、鞘乃は目をまるくした。


「さっ、三尺って?」


 こっそりと刀子は鞘乃に聞いた。その後ろで柄恵も聞き耳を立てていた。


「だいたい1メートルだよ」


「それって、どのぐらい長いんだ?」


「平均の長さは二尺三寸で、だいたい70センチだから、私たちの刀よりも、30センチも長いんだよ!!」


「30センチもか!そりゃ、スゲーな!!」


 刀子も目を丸くした。するとポニーテールの女の子が言った。


「ホント!長いでしょ?だから、 長いから物干し竿♪なんて呼ばれたりするけど、色々と便利なのよ!例えば……」


 そして、ポニーテールの女の子は説明すんげきを始めた。


「わーん!風船が木に引っかかったよお!


 私に任して!刀と鞘を合わせて伸ばして。風船の紐を絡めてっと!!さあ、取れたよー♪


 わーいお姉ちゃん、ありがとー!


 ……とか」


 すると、鞘乃が言った。


「あっ!確かに、長いから今回みたいに、鞘を伸ばせば届くよね!!」


「そうなの!そうなの!!じゃあまた聞いて聞いて!他にはね……」


 ポニーテールの女の子は、また説明すんげきを始めた


「ちょっと濡れたTシャツ乾かしたいんだけど


 私に任して!刀の鞘にTシャツの袖を通して、刀の両端を引っ掛けて、お日様に当てる!!


 スゲー!長いから本当に干せるんだね!!サンキュー♪


 ……とか」


 すると、刀子が関心して言った。


「マジで物干し竿じゃねーか!?スゲー便利だな!!」


「えへへへ♪」


 ポニーテールの女の子は嬉しそうに笑った。


「ホント!凄いピョン!!」


 柄恵も刀子と同じく関心していた。


「でも、それってなんだか……」


 でも、鞘乃だけが困ったような呆れたような顔をしていた。


「あっ!」


 その時、鞘乃が何かに気づいた。


「その刀って、どっちなんだろ!?」


 鞘乃の言葉に、ポニーテールの女の子がニヤッとした。


「へへ!良く気づいたね」


「んっ?なんの事だ?鞘乃?」


 刀子が鞘乃に聞いた。


「うんとね、刀の種類が気になったんだよ!」


「刀の種類?」


 刀子は首をかしげる。


「うん、差し方は打刀うちがたななんだけど、その刀は、長さから言って太刀たちだよね?」


「うんうん!」


 鞘乃が言うと、ポニーテールの女の子は嬉しそうにうなずいていた。


「ヒントは、この刀は”備前長船長光びぜんおさふねながみつ”だよ!」


 ポニーテールの女の子の言葉に、鞘乃はめちゃくちゃ驚いた!!


「ええっ!!そんな刀で、物をひろったり、洗濯物を干したの!?わっ、私!急にめまいがしてきたよっ!?」


 鞘乃は今にも倒れそうになった。


「そんなに凄い刀なのかよソレ!?」


 慌てて刀子が鞘乃に聞いた。


「国宝級だよ!その刀が一本で、かるく家が建っちゃう値段だよ、きっと!!」


「マジか!?」


「まじピョン!?」


 鞘乃が言うと、刀子も柄恵もビックリした。その時、何かを思い出した鞘乃は言った。


「でも私、どっちか分かったよ!その長さ、そしてめいが備前長船長光なら、作られた年代は鎌倉時代だよね?だから、これは……




 太刀ね!」


 鞘乃が言うと、ポニーテールの女の子はニッコリして言った。


「太刀♪それ正解!でも差す時は、抜き打ちで袈裟斬けさぎり出来るように、打ち刀みたいに、刃を上にしてるんだ!!」


 すると、柄恵が驚いて言った。


「てか!いい1192!作ろう鎌倉幕府だから……800年以上も前の刀だピョン!!」


 その時だった。


―――ブーンッ!!


「わー!こっちに来るピョン!!」


 スズメ蜂が柄恵に向かって飛んできた。


「柄恵!あぶねー」


「柄恵ちゃん!逃げて!!」


 刀子と鞘乃が叫んだ。それと同時にポニーテールの女の子が腰から刀を抜刀した。


―――ヒュンッ!


 よけるスズメバチ!しかし!!


―ヒュンッ!


 素早く返した三尺刀さんじゃくとうが――


パラッ!!


 スズメ蜂を真っ二つにした。


「凄い!ツバメ返しだよ!!」


 鞘乃が叫んだ。


「へへ!良く知ってるね。今のが私の得意技!ツバメ返しだよ♪」


「話には聞いてたけど私、初めて見たよ!!」


 鞘乃の言葉にポニーテールの女の子はとっても嬉しそうだ!


「ちなみに、この握り方が大切なの!!」


 気分を良くしたのか?ポニーテールの女の子は得意そうに、握り方を見せて来た。


「「「右手の握りが逆手さかてになってる~!!」」ピョン!!」


 3人は驚いていた。普通ではない持ち方だったからだ。驚いている3人の様子を見ながら、ポニーテールの女の子は照れながら冗談を言った。


「でも今のはツバメじゃないから、スズメ蜂返しになっちゃうけどね!」


 その言葉に3人は大笑いした。


「なあ!ところで名前を教えてくれよ!!」


 刀子が言うとポニーテールの女の子は、ニコリしながら、こう言ったのだった。


「私の名前は……







 ――佐々木だよ♪」


つづく


☆次回予告



「再生機!マジでヤベーな!!」

「そうだね!刀子ちゃん。この機械のお陰で食料問題も解決したんだよ!!」

「えっ!なんだソレ!?」

「美味しいお肉の牛さんや豚さんが一匹いれば、あとは機械が大量生産してくれるんだよ!!」

「そうなんだピョン!だから絶滅危惧種の問題も解決なんだピョン!!」

「マジかよ!?」

「マグロやウナギとか、今や世界中で食べられてるピョン!そのままでは絶滅の恐れもあったピョン!でも再生機のお陰で絶滅は回避だピョンよ!!」

「スゲー!じゃあ、マイマイカブリも安心だな!!」

「えっなに?刀子ちゃん、マイマイって、いったい何!?」

「カブリ!ってなんだピョン!?てか次回!


 槍なのに帯刀って!?


 だピョン!!」

「マジかよ!?マイマイ知らねーのかよ!?

カタツムリを喰う姿が、殻をかぶるように見えるからだろうが!だからマイマイかぶりでっ!!」

「えっ!刀子ちゃんって、虫博士!?」



――また読んでね!

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