「オシャレは帯から!?・①」
「お前たち、それぞれ学年最強なんだってな?」
歩きながら刀子は、いたって普通に、
「おら、
すると銃夢先輩が口を開いた。
「てか、叉鬼は1年の時から学年最強だ。そんでもってそいつは、最後に相手の腹を切って、腸を取り出すから、いまや2年全員に嫌がられているんだぜ!!」
目つきは悪いが、ちょっと楽しそうに言っていた。
「へえ!趣味、悪いんだ」
刀子は気にせず、ズバリと言った。その言葉に叉鬼先輩は。
「つい!やってしまうだ。早ぐ内臓ば
と、恥ずかしそうに頭をかいて言った。
「でも! 銃夢
「へえ、どんな?」
刀子が叉鬼先輩に聞いた。
「銃夢
頬を赤らめる叉鬼先輩。すると銃夢先輩が低い声で刀子に言った。
「俺は2年間、みんなに切り刻まれて来たんだ。とにかく、とても悔しかった」
銃夢先輩は刀子に言いながら、今までの過去を振り返っていた。
『お前!刀も抜けないなんて!!』
『一回も勝てないないのに、単位もらえるなんて、どんだけ甘いんだ?この高校は!?』
『
そんな風に、みんなに言われ辛い2年間を過ごした銃夢。
『そういや俺が、余りに負け続きなのに単位がもらえるのはおかしい!と言われ、3年生からの単位取得の内容が変えられてしまったんだよなあ』
そんな単位取得の心配が生まれた3年生であったが、4月すぐの誕生日を迎えた銃夢は、手の中の金属の
『これが銃か?これが、私を変えてくれるかもしれない物なのか!!』
銃夢が強さを求め手に入れた銃はコルト社の、シングル・アクション・アーミー(SAA)の銀色、6インチモデルだった。
それから銃夢は変わった。「勝負!」の掛け声と共に、相手の抜刀よりも早く銃を抜き、相手を頭を吹き飛ばした。
『えっ!本当に私が勝ったの!?』
そして次々に相手をやっつけた。
『アハハハ!何?なんでこんな簡単に相手が倒せるの!?』
やがて、見ている者をうならせた――
『はっ、早い!全然見えない!?』
0、02秒という早打ちを身につけたのだ。
『アハハハ!今まで、よくもやってくれたなっ!!』
さらには、今までの恨みを晴らすべく、相手の足を撃ち、腕を撃ち飛ばし、そして腹を!と苦しめてから、頭や心臓を撃ち、射殺するようになったのだ。
『おい!次は誰だ?早くしねーと、俺の方から手当たり次第に行くぞ?』
それはエスカレートし、ダムダム弾を手にいれてからは、 一層、相手に苦痛を与えてからの射殺を行った。
『オラオラオラオラ!!すぐに死ぬんじゃねーぞ!!もっと、苦しめーーーっ!!』
それから、3年全員を一人3回ずつ殺して回った。
『俺は、1ヶ月で3年最強になったが、まだまだだ!今まで馬鹿にしてた奴等をもっと見返してやる!次ぎは抜刀祭で天辺に立つんだ!!』
それが今の銃夢先輩にとっての心の
「ところで、お前の誕生日はいつだ?」
銃夢先輩が刀子に聞いた。
「オレは8月だ」
刀子はそう銃夢先輩に答えながら、自分と同じく、自分を俺と言う所、そして抜刀が出来ず悔しい思いをした銃夢先輩に、親近感を感じていた。
「じゃあ、3年の8月まで耐えろ!そして、銃を取れ!!お前の抜刀が下手な事は、朝の様子や体育館での様子を見ていて分かっている。お前も俺と同じだ。でも、銃さえ手に入れてしまえば!!」
「銃はそんなに強いのか?」
「ああ結局、刀は銃に勝てないって事さ!」
「そうか」
「この銃はなあ、西部開拓時代に時代を切り開いてきた銃なんだ!俺も、このSAAで自分の人生を切り開く!!」
そう銃夢先輩は言うと、右腰のホルスターに収められた愛銃、銀色のSAAを
「そうそう、
すると、銃夢先輩が叉鬼に言った。
「そんな事を言ったら、お前もそうだろ?お前が1年の時の抜刀祭で、みーんなの腹をかっさばいたから、今年の抜刀祭にお前が出るって言ったら、2年全員が出るの辞めただろーが!!」
「アハハハ!そう言えばそだ!銃夢
叉鬼先輩は大笑いしながら、とても嬉しそうに言った。叉鬼もまた過去を振り返っていた。
1年生になり、初めてのホームルーム。皆が自己紹介をし、大きな拍手をしている中、叉鬼の番になった。
『
モジモジしながら、黄色の長い髪を三つ網お下げにしている叉鬼の自己紹介には、まばらな拍手だけが起こっていた。そして、休み時間になった。
『
『なんか教室が
『てか、腰のソレはなんだ?刀じゃないだろ?
皆は冷たかった。それはしだいにエスカレートし、物を隠されたり、無くなったり、こずかれたりしていった。
『次の授業は、とうとう本当の切り合いになるから、アイツの事、みんなで切り刻んじゃお!!』
そんな声が聞こえた、合わせ立ち合いの授業。その時、力関係が逆転した!
『―――ゆるじで!!』
歯が欠け、肉削がれた顔で叫ぶクラスメイト!!だけど叉鬼は淡々と。
『早ぐ締めねーと!
と、腹をかっさばき、生きたままのクラスメイトの内臓を取り出した。
『――ぐるじー!ごろじで!ごろじで!!』
そしてそのまま、のたうち回るクラスメイトを、ほったらかしにしたのだった。
『
こうして1年最強に、叉鬼はなったのだった。
「ところで、抜刀祭って何だ?」
刀子は先輩二人に聞いた。
「ああ、このセーラー高校が主催の祭りで、近くの高校からも招待して、合わせ立ち合いで最強を決める祭りだ」
と、銃夢先輩が言った。そして、歩みを止めると刀子に改めて銃夢先輩が言った。
「じゃあ、話は終わったから、帰っていいから」
すると叉鬼先輩は、にこやかに言った。
「んだんだ!」
そう言って、二人の先輩は刀子を開放したのだった。
◇◇◇
次の日の休み時間。
「ねえ、あの後、大丈夫だった?」
鞘乃が刀子を心配して言った。
「ああ!大丈夫、大丈夫。なんか、オレの事を心配してくれてたみたいでさ」
「心配~!?」
鞘乃は驚いていた。
「ああ、3年になって誕生日を迎えたら、銃が持てるから、それまで頑張れよ!だってさ」
「なーんだ!ホッとしたよ!!」
鞘乃は、胸をなでおろした。
「なあ、所で良く見れば鞘乃の、刀を差す
「いきなりどうしたの?刀子ちゃん!?」
普段、オシャレなどに
つづく
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