殿ヶ谷戸庭園

 武蔵野線を敢えて新座駅で降り、柳瀬川を下りながら殿ヶ谷戸庭園に向かった。途中、柳瀬川沿いに滝の城址公園があり、テントを立て水遊びをしてる親子連れを見たのだが、増水が起きたらどうするのだろうかと、勝手に一人で恐怖していた。

 新座から国分寺までは結構な距離であった。何度も新座駅で降りたことを後悔し、駅を見つけたら電車に乗ろうと思ったのだが、どういうことか駅が全く見つからない。清瀬駅の案内は見つけたのだが、大きく迂回するだけなので辞めた。結局二十キロメートル近い道のりを全て歩くことになった。

 そうしてやっとの思いで着いた殿ヶ谷戸庭園なのだが、時期を外してしまっている感じがあった。藤や萩は勿論、紅葉もまだなので、次郎弁天池と竹の小径をまじまじと見たのだが、やはりどこか物足りない。同じ岩崎家の六義園と清澄庭園を先に見てしまっているからかもしれない。

 私はすっかり肩を落として、駅でやたら顎の疲れるうどんを啜った後、国分寺を後にした。

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