第13話
俺とアニエスとサーラがジャングルに歩き出して、数時間が経過した。その数時間の間は幸いなにも起きず、日が落ちかけていた。どうやって夜を過ごすか、考えなければならない。なので、3人でこれから、どうするかを話し合う
「2人が寝て、1人が周りの見張りをする。それをローテションで交代していって朝を待つっていうのが最適だと俺は思うけど」
「なら、私が朝まで見張り役を承ろう。2人は朝までゆっくりと寝てくれ」
「ダメですよ。アニエス。貴方はこれまでに闘って体力を消耗しているじゃない!!」
「ですが、サーラ……」
「試練の残り時間はまだあります。この後も、きっと辛い展開がどこかであります。なので、素直に休んでください!」
「………分かった。サーラがそこまで言うのなら」
「じゃあ、俺の案で行きます。そうだなぁ……、2時間交代で行きましょう。見張る順番は俺、アニさん、サーラという順で。サーラはまだ10歳なのでそこまで負担はかけられない。だから、多分、サーラの番で1時間くらい経ったら日が登ってくるハズだから、これでいいと思う。どうですか??」
俺が説明すると、アニエスとサーラは頷く。そして、3人が休めそうな場所を完全に暗くなる前に急いで探し出す。
なんとか、完全に周りが見えなくなる前には休める場所を確保し、途中で拾ってきた枝や落ち葉などに火をつけ、焚き火状態にする。多少は周りが見える程度だが、ないよりはマシだし、火のおかけで猛獣達も寄ってこないはずだ。火の文明って素晴らしい。
「じゃあ、ここから2時間交代で。2人はゆっくり休んでください」
俺はスマホを取り出して、タイマーをセットしながら、2人に呼びかけをする。
「済まないな。拓海殿。何かあったらすぐに起こしてくれ」
「分かりました」
「お兄ちゃんも、見張りとはいえ、ちゃんと休むんだよ??」
「はいはい」
アニエスとサーラは俺に忠告した後、すぐに横になり、眠りについた。横になって、すぐに寝息が聞こえたので、よほど疲れが溜まっていたのだろう。
「ふぅー、これまでに色々とあったな」
俺、早瀬拓海はこの試験に臨んで、何回か死の局面に立ち向かった。だが、アニエスの助けや、悪知恵がなんとか働き、超えることが出来た。だが、これから先、これで通用するのかが、とても不安になってくる。
「早く、神業使えないかな………」
と、呟き、ミル時計を作動し、赤色のアイコンを押しても、反応は以前の同じ。まだ、神業は使えない模様だ。
「このままじゃ、俺、お荷物じゃねぇかよ!クソ………」
早く神業の能力を得て、少しでもアニエスやサーラの力になってあげたい……。
そう、思いながら、俺はぱちぱちと燃えている焚き火に追加の枝を投げるのだった。
試練残り89:37
神様候補者残り7000人
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