第8話
決闘はあっけなく終わった。『無限回廊』と呼ばれる神業を使う男はそこそこ長いナイフを両手に装備し、アニエスに対抗した。男のナイフ裁きは中々のものだったが、生前に何度も死闘を繰り返してきた騎士にとっては容易いものだったのか、男の攻撃を難なく躱していく。
「ふざけんなよ、オイ。何、俺の攻撃躱してくれてるんだよ、オイ。ムカつくなぁ、オイ!オイオイオイオイオイオイオイィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!」
「確かに、貴様はナイフ裁きは良いが、それだけだ。身体中のあらゆるところが無防備すぎるぞ!!」
「うるせぇよ、オイ!!また、無限回廊に閉じ込めてやらァ!!」
男はそう叫ぶと、男の身体中が不気味なオーラに包まれ、次第に辺りの空間がグチヤグチャと歪んでいく。恐らく、あの歪んだ空間に巻き込まれると、再び無限回廊の世界に入ってしまう仕組みだろう。
アニエスは腰から剣を抜きながら、逆走し始める。俺も、それにつられて、逆走し始めるが、歪んでいく早さがとんでもなく、あっという間にすぐ後ろの所まで来てしまったが、
「甘いっ!!」
走っている内に力を貯めていたのか、光輝いていた剣を歪んでいく空間に向かって思いっきり突き出す。すると、剣から槍みたいな衝撃波が発し、歪んでいく空間を貫いた。そして、そのまま男の方に直撃する。
「ぐはっ!!…………嘘だろ、オイ。」
そう言って、男は倒れた。俺は恐る恐る死んだかどうか確かめたが、一応脈はあった。どうやら、アニエスの『貫通撃』は歪んでいく空間でほぼ勢いが無くなったみたいだ。
「こいつ、どうします??」
「そのままにしておこう。どうせ、すぐに目を覚ますと思う」
「分かりました。では、先へ行きましょう」
そう言って、再び歩き出し、約15分ちょいでジャングルを抜けた。
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ジャングルを抜けた景色は壮大だった。辺り一面海で広がっており、ピカピカ光り輝いていた。そして、浜辺には何本かヤシの木的な木も生えており、トロピカルな雰囲気を醸し出していた
「綺麗な海だな。見事だ」
「同感です。」
俺とアニエスは海の魅力の素晴らしさに見とれていると
「助けてぇーーーーーーー!!」
ジャングルの奥から、悲鳴が響いた。俺とアニエスは顔を見合い、頷き合うと、すぐに悲鳴の聞こえたジャングルを走り出した。
その先にいたのは、集団の人数に襲われそうになっていた1人の女性がいた。
試練残り97:05
神様候補者残り7946人
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