第13話 ダークエルフ?

 


「我が召喚の求めに応じ、いでよ!アリス!!」


 魔法陣が青白く輝きだし、その中から、

 赤髪で褐色の肌の、裸の幼女が現れた。


 顔の見た目は、エリスにそっくりなのだが、目が少し吊り上がっていて眼光鋭い。


 耳は俺と違い、少しエルフの様に尖っている。


 肌の色が褐色なので、見た目はダークエルフだ。


「ワッハハハハ!成功したのじゃ!

龍の姿で召喚された時は、羽が生えたおかしな姿になっておったので、心配しておったのじゃがな!」


 あの龍は、あれで可愛らしかったのに、何が気に入らなかったんだ?


 アリスは、もともと羽が生えてなかったと言う事は、東洋風な龍だったのが、転生したらファンタジー仕様の西洋風な龍になっちゃったって事か…


 まあ西洋風な龍では、とぐろは巻けないわな…




「何ニヤニヤして、わらわの裸をみておるのじゃ!」



「なっ!何言っているんだよ!あっ…兄貴が、いっ…妹の裸を見る訳ないだろ!」



「そうなのか?てっきり兄様は妾の乳を吸いたいのかと思っておったのじゃ!

いつも母様のオッパイを熱心に吸っておったしの!

少しくらいなら兄弟だし吸わせてやろうかと思っておったのに!」


「すっ…吸わせてくれるのか…イヤイヤ何を言っているのだ。

お兄ちゃんが妹のオッパイ吸うわけないだろ!ハッハッハッハ!」


 ウーン…幼女のオッパイ…イカンイカン俺は、ロリコンでもなし、シスコンでもないのだ!

…アレッ?もしかして…俺ってシスコンだったけ?

ジュリの事は好きだったけど、溺愛してたわけじゃないし?

…あー!よくわからん?!


「そうか…残念じゃ…折角、兄様の役に立てると思ったのじゃがな…」





 ウーン…アリスは何かと家族の役に立ちたいんだな…

龍だったのでちょっと人の常識がないけど…

今まで唯我独尊だったので、人に対して何をすればいいのか分からないのか…


「アリスにも役に立てる事が、これからたくさんあるさ!だから、気を落とす事はないと思うよ」


「そうか?そうなのか?」


「そうそう。まだ先は長いし、役に立つ事はいくらでもあるよ!」


「それより、何か服着よっか!エリスに何か着る物ないか、聞きに行こ!」


 俺がリビングに向かうと、俺の後ろに隠れてアリスがついてきた。


 アリスは、緊張しているようだ。


「アリス、大丈夫か?」


「…」


 後ろを振り返ると俺の背中からはみ出さない様に小さくなっていた…



 ---




「ママ!アリスに着せる服ない?」


 シャンティが作った料理を、キッチンからせっせとテーブルに配膳しているエリスに話しかけた。


「アリスちゃんにお洋服きせるの?

 でも、子供の龍の服はさすがにないなー」


「人の子供服でいいよ!」


「アリスちゃん、人になっちゃったの?」


 アリスがひょこっと、隠れていた俺の背中から出てきた。


「まあ!本当に人になっちゃったの?

 最近の子は、凄いわね!それにしても、アレンにそっくりね!それに、髪の色と、肌の色がアレックスと一緒ね!」


 アレックスと似ていると言われて嬉しかったのか、アリスが嬉しそうな顔をしてる。


「アレンの双子の兄弟って言っても、誰も疑わないわね」



「…」



「ママ!アリスは、正真正銘ママとパパの子だよ!

 僕は、ママのお腹の中にいる時からずっとアリスと一緒だったんだ!

 本当は双子で産まれてくる予定が、何かの手違いで僕だけが産まれてきちゃったんだよ!」


 エリスは、ポカンと聞いている。


「シャンティに聞いてみて!アリスが、ずっと僕の中にいた事知っているから!」


 エリスが後ろを振り返るとシャンティが涙をポロポロ流して泣いている。


「アリスお嬢様…」


「シャンティちゃん。アレンが言っている事は本当なの?」


「本当です。アリスお嬢様は、正真正銘エリス奥様のお嬢様です」


「そう…そうよね」


「どう見ても私にそっくりだもん…

 あの髪の色と肌の色は、アレックスと一緒…

 アリスがウチの子じゃなかったら、どこの子だっていうのよ!」


 エリスの目尻には涙が溢れてきている。


 エリスが両手をひろげた。


 それを見たアリスも目に涙を浮かべ


 そして…


 エリスの胸に飛び込んだ。




「母様ー!!」




---




エリスが適当にアリスの服をみつくろってくれた。


「今度、村までアリスちゃんのお洋服買いにいしましょうね!」


アリスが無言で首を縦にブンブン振っている。


アリス相当嬉しいんだな。


「それじゃあ、お祝いの食事にしましょうか」


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