第4話 居候
「お背中流しましょうか?」
「いやいい、絶対入って来るなよ」
「フリですか?」
「なわけないだろ!」
「フリですね?」
「もう出るから、外出ててくれ」
と、湯船でゆっくりする時間もなく、風呂場を半ば追放される。こいつ自分が早く風呂入って寝たいだけだろというのは口に出すのはやめておく。
「いえ、早く寝たいというよりは湯船を殿方に汚されたくないだけですので」
声に出たようだ。
「いや、さすがに、それは...ひどいだろ...」
という、風呂場のめんどくさいイベントが終わり、俺は自分の部屋で眠りについた。
「レイン様、起きてください。何時だと思っているのですか?」
今は午前10時、夜に行動する俺らにとってはまだ寝ていていい時間だ。
「何言ってんだ、昨日、仕事だったんだからもうちょっといいだろー」
「だめです。まだこの家に来て間もないレイン様は居候の身。さあ、働くのです(私の分まで)」
なんか聞こえてはいけない声が聞こえたようだが、大方、サボっていた仕事が溜まりきって、しわ寄せが来たのだろう。
「しょうがないな~」
レインがだるそうに体を起こすと、アインは
「では、私はこの布団を担当いたしますので、レイン様はそこら辺の掃除をしていてください。」
ああ、暇で遊びに来ただけかこいつ。
「やめてください、レイン様、夜這いはおやめください!」
「わけわかんないこと言ってないで返せ!俺はまだ寝るの!」
とベット争奪戦が始まった中、
「仲いいところ悪いね~」
「ちょうどいい!アイン。お前はクォーレお姉さんに遊んでもらいなさい。」
「って、あんた、逃げるんじゃないの」
「なんなんだよ二人して」
「お仕事です。レイン様」
「掃除も殺しも今日はやんねーぞ」
「いや今回は違う。掃除でも殺しでもない。居候を増やしに行くぞ」
「居候?」
「よかったですね、これでレイン様も晴れてハーレム主人公の仲間入りです」
二人が何を言っているのかわからないレインだった。
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