ヤバン王 Ⅳ 支配者/ドミネーター


――――気が付いた時には








人間を食べていた








――――――



ゴリゴリと頭蓋を噛み砕いていく


ばりぼりとあばら骨をつぶしていく


口の中に新鮮な血が滲み出て喉を潤してくれる


こんな美味しい奴らが地上にはいっぱいいた


食い放題だった


奴らは小さな粒を飛ばして抵抗してくる


小型の兵共は飛礫つぶてでも倒れるものがいた


だが俺には効かない


  (オレは強い!!!)


もう口に入ってしまったのにバタバタするのを眺めるのが楽しかった


 ((オレは強い!!!))


走って食らって走って食らって走って食らった


(((オレは強い!!!)))


走って走って走って…





美味しい奴らの抵抗で警戒しなければならないのは『箱』だった


燃えカスのひどい匂いのする箱だ


兵共はそれの体当たりで倒れたが俺様は逆にひっくり返してやった


(((((オレ様は最強だ!!!!!!!))))


ドゥォォオオオオオンン!!!


潰れた箱だった!そいつが火を噴いたんだ


オレ様の前足が吹き飛んだ!!!


あ、ああああぁぁぁあぁぁぁぁぁっっっ!!!!


そいつもひっくり返してやった!


痛い痛い痛い痛い痛い熱い痛い熱い熱い痛い!!!!!


焼けるようだ


食って食って食いまくったなのに失った部分は生えて来やしねぇ!!!


狂いそうな毎日だった



真っ赤だった俺の体は真っ白になっちまった…



だが面白いことが起こった


適当に食いすぎたせいか腹の中の悲鳴がオレに力をくれる


次に火を噴くやつと戦った時はっきりと自覚した


飛んでくる飛礫を感じ毛が焼けてしまうような距離だが


―――熱い飛礫を避けた


((((((((もう俺は無敵だ!!!!!!))))))))





美味しい奴らがまばらになったころ


話が飛んできた


普段は西だ東だ美味しい奴らの場所を言ってるヤツだが


巣に戻ると褒美をくれるらしい


自分がどこにいるかもわからんが適当に歩いたらついたらしい


そこで【公爵】の地位とマントをよこした


そして褒美に欲しいものを聞かれた


毛の色か前の足か悩んだが…前の足を選んだ


獲物を抑えるのに前ついていた足が横についていた、


くそ爪が羽根になってやがる


声に文句を言ってやろうと思った


だが先に


「サービスで一部毛の色を戻しておいたよ、それと火を吐けるようにしておいた

 さらに強くなったんだ、その羽根と冠は公爵に相応しいかっこよさだと思うよ」


まあ確かに悪くない


だがそもそもお前は誰だ?


「ぼ…いや余は【スタート・ラスト始まりと最後のドラゴン】お前たちの親であり王だ」


声は言った


「お前はこれよりフレイムクラウン炎冠ホワイトドラゴン白竜として地上を支配せよ」


わかった


兵共が養殖場のを食うなとか抜かすのは聞く気にもなれんが


親の言うことならば聞いておいてやろう


ヤバンには俺と同格のエンシェント・ドラゴンはいない


俺様が支配者だ


だのに兵隊を声に代わって動かしてるやつが気に入らなかった


なんとか…ドン辺境伯


ドン辺境伯!


美味しいヤツと大して変わらないデカさのくせに

偉いヤツが付ける名前をもらったスカした野郎

今度会ったら食ってやるッ!


問題はあっちへ行ってもこっちへ行っても


水にぶち当たりやがる


謎だ


飯には困らないのだが


半島から出られない……







この半島を縄張りにして二度目の熱い季節


人間と会った


ヤツは人間だった、声は言っていた人間は恐ろしいから~なんとか


最初は粒を飛ばす奴が人間かと思っていたが美味しいヤツだ


恐ろしくとも何ともない


俺様を見て逃げ出さなかった


追っかけて手足をもぐのが楽しいのに


ビビらせてやろう


ベッと食べてた頭をヤツの足元に吐いてやった


これでイイ声で鳴いてくれるだろう




なんだヤツは?!模様が出たぞ?!


初めて生の人間に全身の毛が逆立つような気配を感じた


火を噴くヤツどころではない!!


何なのだ!!つがいが止めに入らなければ…


オレ様の縄張りがすべて吹き飛ぶぐらいの気配だった!!!


殺さなければ!殺される!!!


クソックソックソッッ!!!!俺様の爪も牙も当たらない!!


つがいを抱えてなんで避けられるんだ!!!




!!!!!



なんだ!????潰れたやつかッ??

いや、痛みはそれほどないが…俺様を水に漬けるなどと!!


黒い…鳥にしてはデカイが、ヤツの仲間かっ!!!


「良いタイミングだ、褒めてやる。だがアレは俺の獲物だ、以後

手出し無用、ゆみやを守れ、牽制のみ許す」


ほうぅ黒い鳥のほうが強そうだが…この俺様を獲物だとぉ?


乳繰やがって!そらっそらそらっ


!!!!!


『うっぜぇえええええぇぇぇぇっっっ!!!!』



な、なんだどうなってる


多少デカいとはいえ、いつも踏みつぶしてる程度の生き物に俺様がひっくり返される…???


ま、まだだ腹を見せたとはいえ、負けじゃねぇ!!


奥の手だ!!


断末魔を上げろッ『チカラ』をよこせェェェッッ!!


剣を使う気か?ヨシヨシこいこい


俺様が≪炎冠≫だってことを教えてやるぜ!


息溜めてる間…動けんがな!!!

防御あげておけば俺様はかすり傷、ヤツは毒で苦しんで…死ね!!



きた!ばかめえええぇぇぇぇぇ!!!!


丸焼きだぁ!!!!丸焼きだぁ!!!!黒焦げだッッッ‼‼‼‼‼




ハハハハハハハハハハハハハハハ




真黒になって!


縮んだ…?


わけじゃないな大きいのも居やがる


増えたんだ!!


今度の黒いのは角が生えてる食い物だ!!…ドンなんとかも生えてたな


まあいい


糞っちっこいのは強いな、いや硬いッ


爪も牙も当たる!!!当たるのに何で転ばないんだ!!!


模様のやつは弱ってるのに食わせろっ!!



ヨシ、模様に代わるのか今度こそ食ってやる!!


なんだ?


隙だらけじゃないか!!


「ぶっ!てんめコンノヤロウ前口上まで言わせろバカ―!!!」


先に言えよ


・ ・ ・ ・ ・ 


コイコイしてやがる 終わったのかよ


潰してやんよ!そんなほっそい刃程度で切れやしねぇ


懐に入って加速で終いだ。


掬い上げちまえば足バタバタさせるだけだからな、クククク


死ねッッッッッ


!!!??


いでッッッ素手??剣は――――ッッ????


ぐ、ぐあぁぁぁあぁぁぁぁぁっっっ












「敵の名はスター・トラスト・ドラゴンだ」

俺は目覚めた

―――――――――――――――――――――――――――



「炎冠が破られたか」

「なに、問題ない。ヤツは四冠の白竜にて最弱!」

「否!もとより白竜に四席目など不要!破られて当然の存在よ」

「この凶刃白竜と」「無敵白竜、」「最強白竜がおるわ!!!」


「「「フハハハハハハハハハハハハハハハハー!!」」」


―――――――――――――――――――――――――――


≪―――――炎冠が倒された、王より早急に対策をするよう御命令だ。

 貴殿の治めるナリタ付近に賊がいるとのことだ≫


≪―――――?!嘘でしょ?公爵『様』を倒せる武器なんて…

 あともう西ぐらいにしかないんじゃないの?≫

≪その通りだ、武器は西にしか確認されていない。だから我々は西を優先して

 制圧しに行っている≫

≪では北?、わざと見逃してるけど脅威となる武器があるなら話は別ね…≫

≪そのか可能性が高い。が、銃や戦車ではないらしい。炎冠はノロイを発動し

 なかったとのことだ≫

≪車かしら?でも公爵が車にやられるとこなんて想像できないけど。

 車なら適当に半島内食べ歩いてる公爵探し出すことも可能…?

 であれば賊はいま徒歩で潜伏もしくは別に車があったとすれば北への帰路…?≫

≪潜伏の可能性が高いだろうな≫

≪なぜです?…川をどう渡ったのかは不明ですけど…≫

≪北はあくまでも可能性だ。関も川も封鎖されたまま、

 であれば半島内で車を発見しての反乱…≫

≪…なるほど流石トライドン辺境伯♡≫

≪という仮説が立つが、俺の予想は別だ。≫

≪――?≫

≪車程度。いや戦車でも公爵を倒すのは不可能だ。だが俺は公爵を倒せる≫

≪!!≫


≪……私たちと同じ〝アナルブレイカー”が人間に出現したと?!≫

≪その呼び方はやめろ////≫

≪…テクノブレイカー?≫

≪……【能力者】だ。能力者の可能性がある、それも我々と同じ【支配者ドミネーター型】。≫

≪同じドミネでも私じゃ公爵様は倒せませんけど?≫

≪能力にも相性がある私は貴殿とはやり合いたくない…≫

≪光栄だわトライドン辺境伯爵さま♡私は辺境伯となら一晩と言わずやり合いたいですわ♡≫

≪≫(キモッ)

≪はぁーはぁーはぁー≫

≪〝しごく”のは後にしろとにかく、公爵を倒した賊がいるから調査と対策をしろ≫

≪はぁーはぁーはぁーはぁ……はぁい♡≫

≪……≫



「足の速いもので偵察隊を編成、北部の養殖場から東をまわって情報を仕入れなさい、よそ者の匂いがあったら帰っといで!」


がぁがぁとダチョウのような竜人たちがバタバタと走ってゆく


ここはナリタ

以前は成田空港であった場所

航空機は朽ち果て掘っ建て小屋があたり一面に広がっている


3次大戦においても最初の被爆国となった日本では空港に人が殺到した


恐慌に陥った人々を乗せて機械の鳥は飛び立つことはできなかった


さながら地に落ちたセミに群がる蟻のような光景だった


車での大移動の末、そのこと如くが燃料を尽かす運命だった



爆心地【群馬県砂張さはり市】より遠くに。

人々はその思いでいっぱいだった



そしてナリタは巨大スラムの一つとなったのだ





元成田空港を含む巨大砦の重要拠点エオンモール跡地

ここは水源を守るのと同時に都心部から攻めてきていた竜人たちを迎え撃つ砦の

最前線だった場所である


竜人たちは深い河に入るのを嫌っていた


水は飲むし日差しが熱い時には田んぼで泥をかぶる


泳げないわけでもない


習性とでも言うべき不可解な行動に人類は助けられていた


北は利根川。

西に印旛沼。

それらをつなぐ川が天然の堀となっていた

この立地がナリタをただの大スラムから砦と呼べるだけの変化する時間を与えた。



が、今はそれも――――敵の手中である。


ガラス張りで美しかったショーウィンドーも今は吹き抜け

木板でところどころ部屋にしているが廃墟と言って差し支えない。

竜人には家屋を作るような文化はないのだ


2階、元フードコートはナリタの支配者(暫定)【男爵】の私室となっていた

整列したテーブルには裸の男性たちがそれぞれ寝そべっており


それは男爵の食事だった――――


―――――――――――――――――――――――――――

「スター・トラスト・ドラゴンですか?」

「だとおもう。おはよう、夢を見たような気がする……もう忘れちゃった」

「夢では仕方ありませんね…」


「ここどこ?」

まるで氷の神殿のようなひんやり感だ。そのまま床も天井も柱まで氷だ

「今朝方到着したケンジさん達の集落【クジューリ】と言うらしいですよ」

そうだそうだ村に着いたんだ村っていうか集会所の元小学校だな

「これは?」コンコンとベットの下の床をたたいてみる

「少し日差しが暑いかと思いましたので簡単なものを作らせました」


グラウンド全部占有してるのはちょっと大げさな気もする

端っこの方で寝っ転がってる人がいっぱいいる、直接寝た方が気持ちよさそう

ん?

「あれ皆シャツ着てるもんよ?」(おっぱいは?)

「えぇ、既にもう恥じらいがないのか服を配ろうとしたのですが暑いからいらないと

、近くで涼むのを条件に着てもらいました…」

「わりとたくましいなー」


「もう大丈夫なのか?あん…あ、装武さん」

ケンジが氷の神殿をなんか担いで登ってきた

「おお、なんか急に寝ちまってよう、なんだ?あの後どうなった?」

「こっちは装武さんの話で持ち切りだよ、女共現金なもんで抱いて欲しいんだとよどうする?」

ゆみやちゃんのほほえみがちょっと怖い

ケンジは担いできた米俵を入り口にどっしりと置くと肩をすくめた

「」

ペロペロペロペロペロペロ

「ご、ご主人様??」

ゆみやちゃんを抱きかかえると耳の裏を激しく舐めた


「他所の女を抱くのは無理だな」ペロペロペロ


「ぁっうんっ♡あっ…」


「俺もう唾つけちゃったもんよ!」



「それ米か!?」

「あぁ約束の米だが最初はこの量でいいか?竜人の肉に抵抗あるのもいてな

俺をはじめ何人かで食べてみるよ」

「おう、いいぞ。ゆみやちゃん半分フラスコの子供に渡せる?」

「え?」

「お?」

「もちろんゆみやちゃんの分もあるもんよ、肉食えんと大変だもんよ」

「あのっ私が肉類を食べれないというのは…?」

「あれ?カユカユ出るから肉も魚も駄目じゃなかったっけ?牛乳にゅうにゅうは大丈夫だったはず―――?」

「ぇ、あ、はい。仰るとおりです!」

(思い出してくれた…?ではなぜまだ【ゆみや】と…)

「次は牛だなお乳出るヤツ」

「いや~~~それは厳しいな、この辺りはもう竜人が出る前に成田に人が集まり

すぎて家畜どころか川に魚もいないと思うぜ?」

「ぇッ」

「野生でも特に鳥はやめておいた方が良い、やつらの毒に感染してるって話だし、

装武さんなら大丈夫かもしれないが」

「鳥も恐竜も大して変わらないからなあ~毒かあ~ムー!」

「ご主人様?、お休みの間に小型の恐竜をバリスタが捕獲してますので毒の分析に解剖してみてもよろしいですか?今は離れた場所に待機させてます」

「おー!後で丸焼きにるもんよ!」(ふぉれ!偉い!ご飯!)

《バリスタ、装武様がお褒めよ。メイス、真空断層を使ってウィルスの拡散を防止しなさい》

「デハ、『鳥』ヲサバイテマイリマス」

「おー待て待て。オレが締めるもんよ」

「あ、お召し上がりになるのでしたらの前に毒味をしませんと!危険です!」


――――――――――――



―――日差しが暑い、夏真っ盛りだもんよ


廃墟のような商店街を抜ける、大量の何者かが荒らしまくったような跡

アスファルトをぶち抜くような足跡が多数、炎冠より二回り小さいが歩幅からヤツ

より速く爪が長い。他のは足跡がはっきりしない。

壁には血痕があるが戦闘の形跡はない。真っ直ぐ


『食い散らかした』跡だ


「コチラデス」

なんとか工務店とある、上の方はどっかいった

「ぉっだんぷ、ゆんぼもある!」

「ぁ~、ガス無いから動かないよー。気持ちは凄いわかるけど」

「ちぇー、油も後で探すかー?」

「装武様お待ちしておりました」

奥の物置みたいな扉からフォレスタがクリスタルの仮面をのぞかせた

「ふぉれ、でかした獲物みしてみ?」

ショートカットの髪の毛をぐりぐりしてやる

「は!はい!喋れないようなので毒がないようでしたら血抜きをして燻製にしましょう!」

「あれ?喋れない?」

「はい、ぐあぐあとしか」


バタバタバタタタタタタ

す巻きで吊るされたダチョウ?歯があるから恐竜かな?色もカラフルだし

「唾を吐きます、お気を付けください」

それで嘴まで縛ってあるのかー

「毒は?」ゆみやちゃんは心配性だなぁ

「唾液にはございません、呼気にもございません、やはり血液にあるのでは?」

「メイス、採血なさい、これを」

ゆみやちゃんはまたもどこから出したのか牛乳にゅうにゅう瓶ほどの円筒状の物をれがに渡した


「普通の注射針では血が出てしまいますので・・・吸った後に皮膚に蓋をします。少し採血後腫れますが感染の心配が少ないです」

「蚊みたいなもん?」

「はい♡メイス外皮では失敗するかもしれません。目の下、口内、もしくは直腸から取りなさい」

「だ」シュウと空気の幕ができ

躊躇わず吊るされたダチョウの尻の穴に突っ込んだ!


!!

「ひょ」きゅっと俺の尻がすぼまったもんよ


びくんびくん……びくんっ…


きゅぽんッ「採血デキマシタ」

「少しお時間いただきますね」


「なら俺『様』は尋問といこう…」コキッコキッ

「ご主人様…?」


ガッシ

ダチョウは大きく目を見開いて小刻みに揺れている

「さァ喋ってイロイロ貰おうか?言葉は理解できるんだろう…ふふふぅん?」


ぐわぁぐわぁぐわあああぁッッ!!バタバタバタ


グイグイと細い首を締めあげる


ぐわぁぐわああああんんわッッッ!!!/バタタタタタタ


「バタバタしておいしそうだふふふふ、ふふふふ」


あ~~ん


ぐばあぁあぁんんわッッッ!!≪殺さないでッッッ!!≫


「よーしよし、やればできるじゃないかふふふふ。

聞きたいこと答えられたら解放してあげよう」


「ご主人様?わかるのですか?」

「あ?あぁわかるよ、わかるとも」に~こっり

ふぉ「流石ご主人様です!」れ「ゴシュジンサマ・・・?」


「さぁ!答えろッ……何聞けばいいもんよ?」(´・ω・`)


「……ぇぇと、成田の能力者の能力でもわかれば…」


「教えてくれるかな?」ギロリ


「ぐわわぐわわあ、あぐわあぐわ」「ふんふん?ケツの穴が気持ちいい?」


パッコ――――ンッッ


「ご主人様、血液の毒性の結果が出ました。鳥インフルエンザの亜種に感染して

ます。人体に感染しても発熱、全身の痛み、嘔吐、程度です。死者が出るという

話でしたが…」

「ああ、そいつらの血で人が死しなきゃ人間が負けるはずはないんだ!」


「れが、よーくみてみん?」「だ?」


メイスはゆみやから瓶を受け取ると仮面すれすれに持って睨んだ

「……」

「…ご主人様?」



「臭いもんよ?」

「クサイデス」



「「「「……」」」


「冗談はさておき。そのインフルエンザウィルスは何色だ・・・?」


!!


「…トテモ薄イ白デス」

「よくできました。」ぱちぱち

「そいつはいま寝てるからな、起きると厄介なことこの上ない【武器】だ」


「『【死力兵装ダイハード】!!!』そんな!ありえません!」


「炎冠の腹に紫紺の粒が見えた。中継ぎのコントロールは取ったからスタトラか他

の中継ぎ持ちが来なければ毒は発動しないもんよ」鼻ほじ


「えっえっ?敵の死力兵装とも戦われていたのですか??ウィルス兵器の!」

「お、おう」ずっぽり

「た、食べちゃいましたよね??だ、大丈夫なんですか??目に見えないから

とおおおっても危ないんですよ?!しかも!紫紺て!紫紺て!!こっちのほうがかなり濃いじゃないですか!」


そんなに揺らしてはいけないもんよよよよ 


指が鼻にさ・さ・る


「ちゃんとやっつけたって言ったもんよ~」


「問題な/ぐっっきゅぽん/いっもんよ。前にもっと濃いヤツ喰らったし」

「まさか…」


「【黒死病ブラックロータス】クソ親父作の最悪の腐れ病、感染者の死力を食って爆発的に増殖、空気感染するくせに抵抗レジスト不可、感染者は喰われながら再生してゾンビ化して死力が尽きるまで操られる。おまけに本人はノーコストときたもんだ。しかも!作った本人がやばすぎるから使用禁止とか言って封印して盗まれたといういわくつきだ」

「お、お詳しいのですね」

「今ここにある鼻くそがそうだ」黒い鼻くそウニョウニョ

びくっ

「一部だけどちゃんとコントロールしてるから大丈夫。下位の同型なら盗るのはたやすいもんよ」

鼻くそ、ぱく―


「鳥インフル型はどうなったのですか?中継ぎがどうとは完全に支配下に置いたわけではないのですよね?」


「ま、まあとりあえずは大丈夫ってとこかな?紫紺のこいつは駄作だな燃費が悪すぎる。宿主の死の確定がトリガーで死力を吸い尽くし死をもたらす。血液から空気感染してドミノ倒し、効果は内臓破壊、血を吐いて死ぬ。感染強度はそのインフルエンザに依存かな?」

「ご主人様凄すぎます!!」


「うんむ、俺様すんごい!!」(すんごい!)


「この毒ドミノ倒しでも十分恐ろしい効率で人が死ぬのですけど…」


「使用者のコストがな。紫紺で世界規模を維持するには毎分両手両足と五感を捧げても維持できないだから死ぬ瞬間にのみ発動しあとはずっとインフルに擬態してるんだ、その一瞬も距離がありすぎるのか中継ぎ使ってるしな」

「この中継ぎをご主人様が抑えたから代わりが来るまでは近くの毒は発動しない・・・と言う事でしょうか?」

「そうそう、そんな感じ、発動も中継ぎのを使うからおそらくデカいヤツの腹の中から取ってたんだろう」

「な、なるほど…」

「な、なあ!!それって凄くないか?!毒を気にしなくていいなら…戦える!!」

ケンジが興奮しとる

「あ、あのその…検査の結果で面白くない話があるのですが…」

ケンジをちらちら見てる、聞かれるとまずいのかな?

「ケンジちょっと外でとくもんよ」「お?おう」




「この恐竜、遺伝情報の一部にフラスコの人造人間と同じコードが使われています。ホムンクルスです!私たちと同じ宇宙人の技術を手に入れたものがいます。すべては倒したご主人様の物なのに!!」


ん??



「えッ俺が倒したの宇宙人だったのっっ―――――!!!!!?」

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