ヤバン王 Ⅲ 日本/ヤバン
―――20XX年
世界的な核戦争が勃発した――――
人類は絶滅したかに見えた
さらに!!
――――人類に追い打ちをかけるかの如く
突如現れた恐竜人間、【竜人】による侵攻が開始された!!
「ィィィヤアアッッホオオオウウウウゥゥゥウウウ!!!!」
「イエエアアアアアァァァァ!!!」
「ホモだホモだホモダ!!!ホモサピエンスドモヲ食イ散ラカセ!!!!!」
パンパンパーン
彼ら頼りの銃声が響くも勢いに乗った竜人達は崩れるモノなく突き進む
9㎜拳銃の鉛玉は『ウロコ』にわずかに跡を作ったがそれだけだ
日本国内で流通されてないがアサルトライフル/小銃とよばれるものであれば有効という情報が
銃に詳しくない日本においてこのような悲劇を多数生み出した
(第三次世界大戦後の現在ではインターネットが機能していない)
竜人はそれぞれ体格が違うが頭長高2メートル以上3メートル以下
二足直立したトカゲ、恐竜そのものに見える、厳密にいうなれば獣脚類、鶏の足を持つものである
竜人とはいうが動作は鳥のソレと大差ない
とりあえず口先で当たるのだ
無数の凶器のついた顎で、
核の炎を免れた貴重な車に立てこもるしかその場をしのぐ方法はなかった
が
軽い物とそれより重い速度がついた物がぶつかるとどうなるか?
軽トラックは軽く横転させられてしまった、
幌からわずかな食料と大事な子供と女が転がりでてしまう
転がり出た『食料』を見つけた竜人たちは嬉々として其れをついばむ
「オテてオイチー」みちみちみち
「シンセンオイチー」ぐちゃぐちゃ
父と長男は絶望とともに捕食者に食われる家族を見るしかなかった
タイヤを上にした車にできることはなかった
…が
車もガソリンも貴重になってしまったため流行らなかったが
車両による神風アタックが日本において一番竜人を倒していた
国家が核戦争で崩壊し生き残るためにそれを選ぶものは少なかった
「北にさえ着ければ……」
核戦争から家族を守った父の最後の言葉だった
―――――
≪ゆみや様、こちらソード。先ほどの恐竜が人間を捕食していた場所に現地住民と
≪捨ておきなさい。ご主人様の安息が最優先です≫
≪は。≫
≪メイス、真空層の強度と範囲を上げておきなさい、音も匂いも遮断しているはずですが入ってこられてはご主人様のお休みの邪魔です≫
≪だ。層コンマ5範囲300で再度展開シマス≫
――――真空層
球状に張られたそれを断面で説明するならば外側は中心から直角方向に運動を与え
反対に内側は内へ空気を制御することで境に真空を作っている
スーパーマーケットで見かけるエアーカーテンのようなものだと思ってほしい
これで内と外の温度を分けることができる
伝える空気が無ければ音も熱もまず伝わることはない
レガシアはこれで炎を防いだのだ
―――――
「おはよう、ございます」
「お、お早う御座いますご主人様、お加減はいかがですか?」
ギロッギロッ
目だけで装武はあたりを見回す、
まだ辺りは真っ暗だが 海の空が少し明るい、朝少し前…かな?
「距離300ちょい男が3人、それぞれなんかで武装している、が警戒の必要はない。
俺が話をつけてやる、バリヤーみたいの解け。それとごはんちょーだい」
「すごいです。お解りになるのですか?まだあんな遠くにいるのに」
「ねっほほはってひゃひゃんがががひへんから(ボリボリ)ふわわってくんろ」
「ご主人様のお鼻だけでなくお目目もお耳もすっごいのですね!」
えっへん
「ひまっは!ひんひんまるらしら!!!」
「まあ♡ご主人様その愛しの大事なところは他所の人に見せるのはもったいないです」
「ほうら!おはあちゃんいってた!(ごっくん)ちんちん隠さないとかっこ悪いもんよ!」
「先ほどの恐竜?がつけていたマントがございます。こちらを新しい腰巻にされてはいかがでしょうか?」
倒した証だもんね、ゆみやちゃんはわかってるなぁ
「よし!」
!
「じゃあヤツの鶏冠の羽根あるか?赤いの。髪の毛につけるもんよ」
ハッ
!
「ご主人様?!戦われるのですか?!ギプスが反応して!」
「入墨、死力使う前に出るもんよ!カッコイイもんよ!」
「お気に召されたならいいのですが…ご主人様のお命は私の命より尊いのです
どうかどうか…大切になさってください」
「お前のほうが大事だ!だからここは見栄を張るもんよ!
じゃすてぃ―男らつってこぃぇ、ふぉれにぐ!れが間で立ってれ!ゆみやちゃんは俺のそばだ」
「「「「はっ」」」」
――――時間は少し遡る
核に対し核に応戦したとされ、電気もなくテレビもなく国家による治世もなされなくなった
物流が滞り食料が手に入らなくなり世界中が死屍累々のなか食料を奪い合った
イナゴの群れは冬を越せず―――
―――アリが生き残っていった
食料生産を始めた地方から徐々に文明を取り戻しつつあった
比較的日本は世界的に見ればその回復は著しかった
『銃』が少なかったためである
だがそれは次なる悲劇が襲う。
人は彼らを
ヨーロッパのどこかが始まりとされ瞬く間にユーラシア大陸全土、アフリカ大陸、
アメリカ大陸、オーストラリア大陸と侵略は止まることがなかった
当然、人類は抵抗を試みた
未だ航空機をはじめ戦車やミサイルは核戦争を経てもまだ20年は争える兵站があった
ただの殴り合いならば。
小銃で小型~中型の恐竜は傷付き、倒れた。
倒した以上の人間が倒れた。無傷で勝利したにも関わらず
竜人たちの血液が大気に触れると致死性のウィルスが散布されるという見解に至った
このことが竜人たちの侵攻を止められなかった原因だと目されている
1mに満たない小型の竜人でさえ恐怖の対象になったのだ
貴重な航空機、ミサイルによる攻撃はあまり戦果をあげれなかった
大軍や拠点があるならともかく捕捉が難しく移動、分散し、余りにその数が多かったのだ
そう数が多かったのだ
物量の差が結局は明暗を分けた
平和を取り戻した日本にも竜人たちの魔の手は伸び
銃の少ない日本では市民の抵抗もほとんどできず首都を陥落。
竜人の跋扈する時代となったのだ
人類はいま『養殖場』でしか生きられない家畜となってしまったのだ!
・
・
・
・
「な、なああんた…/「ッ」/様は北からいらっしゃったんですか…?」
3人の男のリーダーのような少しガタイのいい男は聞いてきた
「ちがうもんよ。海の中でずっと寝てたもんよ。オレ、浦島太郎っぽい!
オレ、浦島太郎?」
「地上に戻ったら年月が過ぎていた…確かに浦島太郎みたいですね」
「オレは浦島太郎みたいな装武だ。こっちの乙姫様が俺の大事な女のゆみやちゃんだ。お前らなんて言ううんだ」
「総武…?俺たちはクジューリ…/「よせッ」
若い男が名乗ろうとしたのをリーダーらしき男が止めた
「?」「ごしゅじんさま…大事な女だなんて…」ぴと
「オレはスズキだ!鈴木ケンジ!」リーダー?が名乗った
「オレはイトウ……イトウヒカル…です」
「キド、木戸リョウヘイ…です」躊躇った男が名乗った
俺と大差ない腰巻やボロのジーンズをはいたのみだ
黒々と上半身は日焼けしているが線が細いヒョロヒョロだ
3人とも右肩から大きな入墨?(凸凹しているから焼き印かもしれない)
英語と数字が彫られてた、こっちの入墨のほうが全身だもんよ
3人相手でも負ける気がしない、3人ともクワにシャベル柄の長いカッチャギ鎌を持っているが
負ける気がしねぇ!
負ける気がしねぇ!
ゆみやちゃんの腰に回した手をお尻にもっていき
(なっ!)
(はい)ぴと
「ケンジがリーダーか、お前らの目的はこれか」
もぐもぐと恐竜の手羽肉を食べる
「あんた/「ッ」/あ、ソレ平気なのかなのですか?」
「はにが?」
「竜人には毒があるんだ死んでも殺した相手を呪い殺せるんだとか」
「!ご主人様!すぐに吐き出してくださいッ」
ぐわんぐわん
「大丈夫だもんよ、俺にもゆみやちゃんにもき効かないし。そもそも焼いてあるから平気だもんよ」
「そう……なのですか?」
「え…?焼けばいいの?……それだけ?お、俺たち死ぬ気でそいつと…戦って…倒しても……」
まあ目を見ればわかるもんよ
その瞳に死力の炎が宿っていた
が
いまは涙に濡れている
「仲間が……グズゥ……たくさん食われたんだ…ズズッ……」
「ケン…さん…うちの女房も…たくさん食われた……」
「ヤツが近くにいるうちに仕留めようって…」
手にはサンドイッチ型の刃がついた鎌を握りしめていた
そんな農具で倒せたのかなぁ?足がブルッてるもんよ
頭の中で三人と恐竜を戦わせてみる……
む~~~ん
「無理だもんよ。お前らじゃ頑張っても勝てん、その得物でこいつの頭でも体でも突いてみろ」
「あ、」
「え?」
「……」
それぞれの得物とこんがり焼けた恐竜を見比べる
「くそおおおおぉぉ皆の仇だ!!!!」
げぃぃぃん
ケンジのクワでの一撃が恐竜の嘴に弾かれる
今の一撃はプロレスラーでも重傷を負うかもしれない、人間なら
大きさが違った
クワは大きく曲がり刃先は砕けてしまっていた
使い込まれたその農具は磨耗しており、土さえ落としてない
そもそも農具であり武器であったとしてもそれは対人用であり
この馬鹿でかい恐竜、竜人をしとめるのであれば対戦車用の兵器が必要である
もぐもぐ
むぐ~~~ぽん
うーむ
くるくると食べ終わった骨を弄ぶ
「オレ様が何ゆえ『装武』という名前にしたか見せてやる」
きゅぽん
と工作用の小刀を抜く
「この小刀は…/ジャャ…キン/よく切れる」
手羽の細い骨、尺骨?の関節を切り飛ばす/みんな驚いてるな
「このあたりかな…」ゴリッ
転がってる頭にたくさん生えてる牙の手ごろなのを一つに刃を入れる
「そしてここからが凄い所だぞ!」
「あいはぶあボーン、あいはぶあはー!ん!んーーー!!!!あいはぶあどらごんすぴあー、あー!」
どや
切断面同士を合わせることによって牙と骨を接合したのだ
「ご、ご主人様?!!すごい…ちょっと意味が分かないレベルで…
分子構造を書き換えたのですか??」
「むずかしいこと言われてもわかんないもんよ。くっつくの!」
「は、はい…くっつくのですね…」
「ケンジ、やる。それで突いてみ」
「え?ご主人様もったいないのでは…」
言ってしまってから勿体ないはカッコ悪いのだ
ポイと投げてやる
「ケンジ突いてみろ。お前ならそれが扱える」
「オレ?…なら…?」
そうケンジの目の奥にはまだ力がある
20センチほどの牙に1.2メートルほどの尺骨を合わせただけの短鎗
恐竜の骨というのは恐ろしく強度があり、軽い
巨大化していく過程でどうしても骨の強度は上がり、太く硬くしなやかに
スポンジ構造になり軽くなる、
「だあああああぁぁぁぁッッ!!!」
!
鈍い音をたてて恐竜の頭蓋に突き刺さる
「割といい仕上がりだろう?」
「ご、ご主人様!!今のは?!インパクトの瞬間に加速しました!
まさかたったあれだけで霊化なさったのですか?!」
「ん~?ゆみやちゃんは知らんか?骨と言うのは元々霊化しとるもんよ
本人の性格がよく出てるだろ?」
「では骨で作ればすべて霊化した武器になる…と?」
「そんなことはないもんよ。ふつうは死んだらどっか行っちゃうもんよ。
コイツの魂は俺が食らったからな」ぺろ
「やっぱりご主人様は凄いのです…」
(でもどこでそんな知識を…)
「【
「?!」
「あのバットはただの金属じゃあないんだ」
「ぇ?ええ、ご主人様が霊化させた【黒】の至高の逸品です!」
「ふふん、それだけじゃあないもんよ」
「おかあちゃんの大腿骨が入っとるもん!あれはな、
『死地に転がっても剣を抜け』
っておかあちゃんがつけたんだ」
―――――今は無くとも
ピンチには必ずやってくる――――
そういうもんなんだ。
(((((((最強武器だからな!!!)))))
(ご主人様は食べることで魂…死力を回復できる?
召し上がった魂を使って霊化を維持しているということは
ただエネルギーとして吸収されているわけでもない…
死地転抜刀に母の霊化がされているならご主人様の中にまだ魂として残っている…?つまり…)
「な~に怖い顔してんだ」
「い、いえ。その召し上がった魂はご主人様の中で生きているのですか?」
「魂だけで生きてるかって言われっとわかんねぇけっとな、た~まに会うもんよ」
「お、お母様も召し上がったのですか?」
「あぁ~お母ちゃん食うわけねぇべよ。おかあちゃんだからだもんよ哺乳類だもんよ」
「ああぁ!そ、そうですよね」
「赤んぼはお乳だけで育つんだぞお乳はすげぇんだ!」
「なぁ、あん、貴方さまがすげぇのは分かった。よくわかんねぇけど!力を持ってるんだろッ竜人たちを倒してくれよ!もちろん俺もやる!力を貸してくれ!いや貸してくださいッ!!!」
「ふむふむ。俺『様』も暇ではないのだが」ニヤニヤ
「な、なにが望みだ…魂か…?」ごくり
「?、とりあえず ごはん。米、白米食べたい。コイツのお肉と同じ重さのコメを交換するもんよ」
「か構わんが…その肉は大丈夫なのか?」(食べる人間のほうが減ってしまったからな‥‥)
「おお、大丈夫だぞ逆にその毒に強くなるもんよ」
「(俺、商売もちゃーんとできるもんよ。な?)」
「(さすがご主人様です♡)」
≪ソード、ワンドに通達、恐竜の体液を念の為に検査なさい≫
≪は、こちらワンド既に完了しております。消化液、粘膜からは毒性は確認できません。四肢の断面を癒着させ皮膚を消火液で溶かすことによって苦痛を与え死力を得ていた模様です。死力の流れについては再現検証できておりません。体内には恐竜の血液はありませんでした。後ほど回復予定など詳しいレポートを送ります≫
≪こちらソード、剣で裁いた際に毒性は検査しましたが確認できておりません。≫
≪?、わかりました≫
(この恐竜は感染してなかったのでしょうか・・・それとも【能力】?)
「ご主人様?遅効性の毒の可能性もありますのでいったん精密検査をいたしましょう?何かあってからでは…」
「毒?ああ、大丈夫大丈夫。毒のウィルスなら滅菌しといたから」
「え?」
(必殺技使ったのは言ったら怒られるもんよ……)
「【
「な、な、何ですかその新技は?!」
「さよならは現世との魂のつながりを断つもんよ、細胞全部をいっぺんに殺すから魂だけ残るもんよ。
「……」
「まあ死力を回復させるために工夫したけど出費のほうがでっかいもんよ。魂が壊れるわけじゃないから抵抗が可能だ。さっきの俺みたいに、だから必殺技ではないもんね!やっぱ気合だけじゃ未完成もいいとこだもんよ。あれにスイングつけて体も破壊したら戻ってこれないかな~?」
「ん~~まあ千凡ノックで十分だもんよ、ケンジこいうのはいっぱいいるのか?」
「え?あぁこいつは特に大物だ【炎冠公爵】って呼ばれてた。あ…装武さんが頭に着けてるその羽根を炎の冠に見たてたんじゃないかな、炎冠が頭の高さが6m?他はだいたい半分以下かな?このあたりのがいっぱいいるよ嫌なぐらいにね」
「ほうほうほう。血に毒があるのも考えると刃物より打撃武器がほしいな、槍は突っ込んでくる相手には楽だけど数が問題だなぁ男手はどのくらいいんの?戦えそうなの」
「……」
3人の男たちは苦虫をつぶしたような顔でうつむいてしまった
「おいおいおい!まさか3人で全員なのか?」
「一応30人はいる「おいっ!」
「っても。成人してるのは俺らだけなんだ…ケンジさん以外はこの春に成人したその30人は畑手伝うようになったガキばっかりだよ…」
「地方の村じゃそんなもんかなぁ?大人は少ないどころの話じゃないけど…」
(´・ω・`)
「女は2000人以上か?俺たちが管理してるわけじゃないから全体は分からんが」
「すげぇ!ハーレムか?!」
「そんないいもんじゃねぇよ若い男はもうだいたいナリタに連れていかれちまった」
「なんだ、まだ連れてかれただけか?……じいちゃんばあちゃんは?」
「食われた」
ビキ
「ご主人様?!」
「あ……ぐっ……/ギリッ/…ふぅ~~~~ふぅ~~~~許さネぇ…」
(ぇ?ぇ?ご主人様こ、怖いです…)
「アメちゃんもヨーグルトもフニフニも!貰えねぇぇぇぇじゃねぇかあああぁ!!!!!」
(げっ今のご時世に飴もヨーグルトも手に入らないなんて言えない…ふにふに?ってなんだよ!!!)
「ご主人様、フニフニならございますよ」
「!!!!」
あ~~~~~~ん!!!!!
どこから出したのか赤ちゃんの食べる卵ボーロの入った紙の小袋から
装武の口につまんで入れる
ふにふにふにふに
((((((ほわわ~~~ん))))))
「ゆみやちゃんすっげぇ大根のおばあちゃんみたいだ」(誉め言葉
「もう!ご主人様ったら♡そんなに褒めても何にも出ないですよ♡」
ちょいちょいちょいと口の中がフニフニでいっぱいになる
「こういったお食事では回復しませんか?」
「ん?ん~~~殺さないとダメだな」
(((ぶっそうな・・・・人らだな)))
「獲物なら仕留めて食って、野菜でも育てて収穫すればすこしは回復する気がする、減った死力を回復させるのに必要なのは血や肉じゃなくて魂だもんよ」
「植物でも可能なのですか??!でも植物では育てる必要があるのですかッ??」
「ぉ?おう。魂自体に上下があるわけないからな~こっちの問題だもんよ、自分から遠いほど足しにならんもんよ、育てると情がわくんだよなぁ」
(……その条件であれば…)
「なあ、人手がいるなら北と合流するってのはどうだ?」
「北?浦島太郎に説明するもんよ」
「あ、あぁ北にはまだ人の町があるんだ北のみやこ【
「どうやってそこまで行くんだもんよ?」
「「「……」」」
「装武様、おそらくですが福島県沿岸に電気の光を灯した村を確認しました」
ふぉれすたは目がいいなぁていうか見えるのか…?
仮面は菱形のクリスタルになってるがあれ全部眼なんだろうか
「沿岸?じゃあ海沿いに北上すれば着けるのか?」
「まあ恐竜は倒すけど俺には重大な目的があるからな~」
「き、聞いてもいいか…?」
「俺とゆみやちゃんの家を建てるもんよ!!」
「?いや、その辺に建てればいいじゃないか……竜人どもがいるけど」
「ふぉれ、このあたりで一番デカい建物は何だ?」
「千葉県内でしたら成田です。空港跡地に砦のようなものができております」
「いや日本一でっかい奴は何だかわかるか?」
「少しお待ちください・・・高さで言えば新宿の都庁でしょうかずいぶん様子が違いますが」
ふむむ
「装武様どちらにも死力の反応がございます。成田が水色、都庁が翡翠色です」
「ふっザコだもんよ……」(やべぇ苦手なタイプだもんよ…)
「ご主人様この程度でしたら
「緑系ってどんなだ?やりあったことない」
「少出力の低安定です、
「普通、死力到達に至るまでにどっかおかしくなるもんだけどなぁ~」
「夜のうちに成田まで攻略してしまいますか?御命令くだされば如何様にも。」
「ぇっ、じゃすてぃはまあダメだな…毒があるんだから、新居が毒と血の海だもんよ」
「…」
「ではバリスタ、毒の解析に一体生け捕りにしてきなさい」
「はっ」まるで忍者のように消えていった
「ケンジ、お前んちどこだもんよ?肉と米交換するんだ」
「これ全部か?どうやって持っていくんだ……」
「装武様、私ニオマカセクダサイ」
レガシアが恐竜の丸焼きを掴むとひょいと持ち上げてしまった
?!
「すげぇ金太郎みたいだもんよ」
「移動でしたらお車に乗られては…?」
「ステラが乗って帰ったっぺ?」ぺ?
「すぐに来させます。/「いやいや、いいよ、ケンジどんくらいあるんだ?」
「ん?ああ、3キロぐらいあるが…大丈夫かそっちのお嬢さん」
「問題アリマセン」
「ゆみやちゃんは俺に乗るんだぞ」
「は、はい♡」
「仲良しだもんよ」
-------------------------
「浜からずいぶん歩くのに砂ばっかりだな、裸足だから歩きやすくていいけど」
下にアスファルトの道路があるのは、ところどころ割れて断面が見えるから道なのはわかる、ただ防砂林を抜けたその先ずっと砂道はつづいている。二車線道路の中央を一人通行できる分残して背丈ぐらいの草が生い茂っている。時々見えるオレンジのセンターラインの名残でかろうじて分かった
遠くに林の隙間から屋根が見える
「あれかー?」
「あれはただの廃屋だよ、この辺までは手を入れる余裕がなくてさ。浜に1805が魚取りに行ってんじゃないかって見当つけて探し回ってたのさ」
「いちはちまるごー?」
「あ…あぁ竜人の占領下では名前じゃなくてこの肩の焼き印…番号で呼ばされてんだ…本名はわからないから仕方なく番号で呼んでたけどそいつに食われた後だったよ」
「そうか…かわいそうに…」(´・ω・`)
(あれご主人様忘れてらっしゃる…?)
「魚取れるならもっと近くに住みゃいいじゃないか」
「…ホントどっから来たんだよアンタ?海なんて危なくて近づくもんじゃないだろうに、馬鹿でかい
((((!!!!))))
「怪獣ッッ!!!!!強いの??!!」
「ああ、おかげで船は出せないし、飛行機だってそいつがビーム出して落とすっていうぜ?見たことないけど」
「
「ん~炎冠は強いといってもまだ恐竜に毛が生えたぐらいだし、ビーム出すカイジューのほうが強いんじゃないかな?陸地にいる分には関係ないから竜人のほうが怖いけどね」
「すっげー!どんなんだろゴディラかな?空飛ぶならギャメラかな!?どんくらい強いと思うゆみやちゃん」
「ご主人様のほうが強いと思います♡」
ふむふむ
「そっかそっか」
俺>>炎冠(ちょっと強かった)≧?怪獣(俺のほうが強い)
=俺のほうが強い(安心)
「ビームくらい俺も出せるしな!!」
「出せんのかよ!!」
!!!
ガサッ
「おい―どこ行くんだー?」
装武は林の中へ走り出した
「ご主人様?どう、なさったの、ですか?」
いつもなら揺れもなく抱いてくれるのに
周囲はソードが警戒してるはず…
「「「「「「カブトムシ見っけた!!!!!!!!!」」」」」(大興奮)
(`・ω・´)シャキーン
((((((((カブトムシ!!!!!!!)))))))
(あ//////…ご主人様の大好きなカブトムシでは仕方ありません…)
((((((((カブトムシ!!!!!!!)))))))
「あーい大丈夫かーーーー?」
((((((((カブトムシ!!!!!!!)))))))
「ゆみやちゃん!」
「は、はい」
「俺とカブトムシ、どっち強いかな?」
「同じぐらい強いと思います」
!!!!!!
ぶるぶるぶるぶる
「ゆみやちゃん大好きだッッ!!!!!結婚してれッッッ!!!!」
「はいッ♡♡♡」
「意味わかんねぇ~よ」
「オイ、オマエ…」ギロリ
「いえ何でもないっす…」
「よいよい」にこにこ
「だ」
「これから沢山の女がいるところに行くんだからちょっとカッコつけようと思う。もちろんゆみやちゃんが一番だもんよ?ケンジ君のようにちょっと舐められても困るもんよ」
「あ、ああすまん、なんか敬語とか作法とかよくわかんねーんだ、下手すっと気を悪くさせちまうから先に言っておくけど戦後生まれなんか字もかけねぇし、女つっても、気の強いのしかいないからな?今の世の中生きてくのに皆そうなっちまう」
「ふむむ?要はゆみやちゃんがいい女ってことか?オレ様の強さを髪型で表現するもんよ」
「少し伸びてしまいましたからね…髪の長いご主人様も素敵ですよ」
「まぁまぁちょっと見ておくもんよ」
前髪に炎冠の羽根をくくりつけ
伸びた耳後ろの髪を後ろで束ね〝ちょんまげ”に
後ろ髪を背中でゆるく止めて
↑↑↑↑ 『カブトムシヘアー!!!!!!!!』↑↑↑↑↑
((((((かっこいい!!!!))))))
「ご主人様かっこいいです♡」
「ツヨソウデス」
「だろう!?だろう!?」
「あ、…うん、いいんじゃないか?」(本人気に入ってるなら…)
―――――カブトムシヘアー爆誕である
いくつもの廃屋を通り過ぎ朝霧の中から畑や田んぼが見えてくる
「ほぉーちょっと涼しいな…田んぼ見てると和むなぁ…あれ?なぁ恐竜の占領下なら恐竜がいるんだもんよ?」
「いや?いないはずだ。いつ来るかはわからないけど、俺らは割りとマシな方さ。決められた土地から出なきゃすぐには食われない。自給自足してれば生きていける…が、連れていかれた人達がどうなってるか…」
「其れなら普通に反乱し放題じゃないか。ふははは」
「言ってくれるぜ、言っとくけど女達は気が強いって言っても戦力にはなんないぜ?」
「う~む」
「いや、ケンジはやる気かもしんねーけど、俺らはその…なぁ?」
「…あぁ」
ヒカルとリョウヘイは
「ケンジは〝次”だからもうやるしかねーんだろうけど俺らもう少し先だからさ…」
「あんなでけーのにはかなわねぇーって1805だって魚取りに行ったんじゃなくて子供できないから逃げ出したんじゃないか…?」
「そうなのか?」
「北の場所がわからなかったとは言えこの半島の出口は奴らの本拠地となった東京か
利根川越えた向こうの北方向しかないからな陸路を行くと見つかってお終いだが
海岸沿いなら海に逃げるって手がある、海獣だって浅瀬にはいないはずだからな」
「ならみんなで行けばいいもんよ?」
「海岸自体は奴らの縄張りなんだ、奴ら鼻が良いんだこっちが見つける前に見つかっちまう。〝
「北都の人はよく来れたもんよ」
「だな」「だな?」「ぁあ!道はあるんだ!」
「どうやて来たか教えてくんなかったのか?」
「あぁ、その時は凄い人がいるもんだなと思ったぐらいで…」
(連れて行ってほしかったさ!でも…)
(言わなくてもわかる男の子には守るもんがあるんだもんよ…逃げたいとは言えんよな)
「その北都の人たちはこの恐竜の動向を調べてどうするつもりだったんでしょう?」
「そりゃ倒す算段してるんだもんよ?」
「やっぱり!」「「だよな」」
「ですよね。今の話ですと人間側のお手上げなのです」小さく万歳
「一匹づつぶっとばせばいいもんよ?」
「はい、ご主人様ならそれも可能ですが、刃物を使っても銃を使っても毒、この北都の人たちがとろうとしてる手段は…」
「『核』……だもんよ」
「「「!!」」」
「ですね・・・福島原発の核燃料を転用した核爆弾を作成してるのでしょう。知識と設備があれば割と簡単にできますし」
「…マジで?」
「ゆみちゃんの簡単にできるは多分簡単じゃないもんよ」
「…そうでしょうか?」
「でもまあ追い詰められたらそうするだろうなとは思うけど、そんな逆転兵器があるならなんで負けが決定する前に使わなかったもんよ?」
「もともとヤバンには核兵器は無かったろ?」
「野蛮?」
「いまこの国はヤバンつーらしいジャパンが訛ったんじゃないか?」
「ドイツ語の日本に似てますねヤーパン」
ふむふむふむ
考え込む装武
「オレあたまいい!!!」
「どうされたのですかご主人様?」
「俺、王様になる!恐竜やっつける!一番でっかい家手に入れる!ゆみやちゃん幸せにする!」
「ご主人様♡」
「俺――――【野蛮王】になる!!」
「おぃぉいおぃ」「しぬわあいつ…」「たいしたもんだ…」
「ご主人様なら野救剣の野を救う王様で野救王とかのほうが受けはよろしいのでは?」
「野球王は仮面バッターゼロワンの
(ゼロスリー城島のが好きだもんよ)
-------------------------
「俺様はヤバンの王!野蛮王!!装武だもんよ!!」↑↑
集会所らしきところにつくなり
大きな声で宣言した。
村の女子供はザワザワしている
「俺様はデカイ恐竜を倒せるッッ!!!
奴等を全部蹴散らしてヤバンを俺の国にするッッ!!」↑↑
少し遅れてレガシアが恐竜の丸焼きを担いで広場に入ってくる
悲鳴のち歓声
「アレってこの辺の炎冠公爵?」
「あんなに大きな恐竜…マジ?!」
「……どうやってもってるの」
ドキドキしたもんよ
人を見ずにセリフだけ言い切るのが
上がらないコツだもんよ!
驚いた顔でも拝んでやるか…↓↓
!!!!!
「ぇ、えええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ??!!!!
おおおおおおぉぉぉぉッッぱいまるだしだあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
目ん玉飛び出たもんよ
「ご、ご主人様っっ、ソード隠しなさい!」
「は!」翼で絶妙な距離感で目隠しされてしまう
「貴様等!胸を隠せ胸を!」
ご主人様にはゆみやのを好きにさわっていいですから!ね?」
「おぱおぱおぱ―――!!!!」
もみもみもみもみッッッ
「ぁっあっ♡ご主人様ご主人様っっ♡」
(((((おっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいぃぃ!!!!!))))))
ハッハッハッハッハッハッハッハッハッ
ペロペロペロペロペロ((((好きだ好きだ好きだ♡♡♡))))
「ぁを~~~~~~~~ん!!!!」
《…ジ‼》
((((((おちんちんッびんびん!!!))))))
ハッハッハッハッハッハッハッハッハッ
(ご主人様あんなに大きくされて…これが私の中に!!)ごくり
(((((((((ぉおおおおおっっっおちんちんッッびんびん!!!!!!!))))))))))
《ジュウジッッ!!!》
「あがががががががががッッッ!!!おがあぁあちゃん??!」
《こんッッアホがぁああああぁぁぁぁぁッッッ!!!!!》
パッッッカ――――――――ン
???!!
ズルっと覆いかぶさっていた装武の体から力が抜ける
「ご主人様?ッッそんな!!逝かないでっっ」昨日の脱力が脳裏を過る
「ユミヤ様、装武様の心音、脳波ゴザイマス、失神サレテマス…
頭頂部〝タンコブ”ガアリマス」
「まさか……マインドコントロール!!お母さまなんてことを!」
装武の拳は親指人差し指小指がしっかり伸ばされ
肘は肩の高さに直角、膝も大きく開き、大きな口を開き、白目を向いた
みごとな『飛行形態』であった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます