第8話 ありがとう
ポンっと肩を叩かれて目を開けると、
山田リカが笑顔を向けている。
「おかえり!」
「た、ただいま?」
「山田リカさん、どうだった??」
そう聞かれると、
さっきまで、山田リカとして西山カオリとの話していたことを思い出した。
塾の宿題に不満を言うこと、テニス部の練習試合の結果が良かったこと、毎日朝の地下鉄で西山カオリと会うことを楽しみにしていたこと。
そして、カオリに「ありがとう」と伝えたいこと。
全てが走馬灯のように思い出された。
「これって、、??」
「そう、私。今西山さんが見たものは、全部私の考えてることだよ。」
「いつもありがとう。」
まっすぐな目で山田さんが私に言った。
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