第5話 不思議な風
それから数日後。
山田さんに連れてこられたのは、往来の少ない古びた駅だった。
「じゃあ、西山さんはこっちのホームにいてね!私は反対側のホームにいるから!電車が来たら、そのまま、目つぶってて!」
早口でそう言うと、山田さんは反対側のホームへ続く階段を駆け上がっていった。
「おーい!!大丈夫だから!そのまま、なーんにも考えないで目つぶっててね!」
と、反対側のホームから手を振っている。
この状況で、何も考えられずにいれるのか、、と心配しているのも束の間、私と山田さんが立っている間の線路に、特急電車が、ものすごいスピードでやってきた。
私たちの目の前を、電車が通り抜ける。
フワッと全身が浮くような感覚と同時に、
顔に強い風が当たるのを感じた。
10秒ほど経って、風が止んだ。
ゆっくりと目を開けると、
向かい側に、私がいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます