第23話美優9

「社長ぉ~!!!!挨拶お願いしますよぉ~!

式には400人弱位出席するんで~、挨拶はまあまあ短めでお願いします~」


結婚式の一週間前。

皆が居る前で大きな声で話した。



「400人も出席するのかい。

凄いね~」


「えぇ。本当はもっと人を呼びたかったんですけどぉ~。

会場の関係で呼べなくて~」



この式が終わった一ヶ月後に、寿退社予定。

でも有給があるから正確にはその前で退社しちゃうんだけどね。


私の後任で魚売り場にやってきたのは・・・・・・別の部署に居たおばちゃんだった。

おばちゃんってよりももうおばあちゃん?みたいな。

もう子供も社会に出て手が空いたから、早朝からバリバリ働ける!って喜んでいた。

最初から私みたいな若い子じゃなくて、こういうばあさんを任命してろよ!って言いたくなったけどグッと我慢。



皆私の事を見直した?

今まで散々魚売り場へ左遷された事を馬鹿にされ続けてきたけど、それが一発逆転!

次期社長夫人の座に付けるのよっ?!




「あ!社長!くれぐれも挨拶の中に私が魚売り場で働いていたって話はいれないでくださいね?

そういう話いらないんで!」


口止めも完璧!

これで会社も辞めちゃえば、私の隠し事も一つ減るわ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る