第9話 買い物! コンビニエンスストア!

「ゆーとがこんなケダモノだとは、思ってなかった……」

「……すまん」


 時折、ぐすぐすいいながら抗議の声を上げるゆーとをなだめながら。

 俺とゆーとは、一昨日出会ったコンビニにやってきていた。


 え、ゆーとのショーツは、どうしたかって?


 ノーパン? まさか。


 きちんと乾燥洗濯機でショーツを洗って乾かしてから、それを着させて、ブレザーも着させて、やってきたとも。


 なお、時刻は、午後の5時、夕刻。


 それまでの3時間何してたかって?


 そらまあ、……うん、してた。


「……あうう」


 ふらつく足元をごまかすように、ゆーとが腕にしがみついてくる。

 さっきまで揉みしだいてた乳房が、ぎゅっと腕に押し付けられている。


(あー、流石にやりすぎた、……か?)


 肩を抱き、そっと支えてやる。


 念のためだろう、新しいショーツと、ナプキン、ティッシュ、夜食の惣菜を籠に放り込んでいたゆーとが、床近くのスナックを取ろうと屈んだその時だった。


「ぴゃっ?」


 小さな悲鳴が聞こえる。


「……どうした?」


「……支払い、すませて……来て」


 恥ずかしげに、顔を真っ赤にして、ゆっくり立ち上がりながら、

 ゆーとが、ぷるぷる震える手で、俺に、籠を渡してくる。


「……? え、お、俺が?」


「こ、恋人が一緒に来てるん、だから、……おかしく、ないと思う、よ?」


「……あ、ああ。でも、……でも、これ、を?」


 恋人……、まあ、告白されて、あんなにやって、まあ、そうなんだよな。

 思わず、嬉しそうに笑みを浮かべてしまうが。


 いやいや、とはいってもそれはそれ。


 女物の下着や生理用品の精算とか、まじ勘弁してくれと言おうと思ったが。


 ゆーとから、今にも泣きそうな顔で、


「……零れた」


 消え入りそうな声が聞こえてくれば、話は、違う。


「……うん、そら、恋人の責任、だわな」


 覚悟を決める。


 こうして、俺は、初めて、女性用下着と生理用品をコンビニで購入したのだった。


 なお、店員さん(20位のフリーターっぽい女性)からは、ゆーとと俺、交互に、色々察したような視線を向けられて、顔から火を噴くかと思った。

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