第13話 鑑定、再び。
アマンダ・ドーラン神官長との面談を何とかやり遂げた俺は、与えられた書物を読みながら頭の整理をやっていた。
アマンダ神官長は修道女に呼ばれて出掛けている。
(使って良いって言われたよな・・)
俺は壁際に置かれた鑑定器具を見た。
アマンダ神官長が出掛け際に、好きに使って良いと言い残していた。
(せっかくだから見ておこう)
俺は前回と同じように測定器具を扱ってみた。
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固有名:シン
性 別:男性
種 族:花妖精種
生命力:8
魔法力:3
筋 力:7
持久力:8
回復力:8
加 護:耐久防壁
:不撓不屈
習得技能:飢餓耐性7
:打撃耐性8
:蹴撃耐性7
:拳撃耐性7
:刺突耐性8
:斬撃耐性8
:投石耐性8
:冷熱耐性8
:爆音耐性8
:汚辱耐性8
:威圧耐性9
:疫病耐性7
:感冒耐性8
:寄生耐性8
:不眠耐性7
:睡眠耐性7
:恐怖耐性9
:魅了耐性9
:支配耐性9
:心傷耐性8
:幻覚耐性8
:呪怨耐性7
:死霊耐性7
:屍鬼耐性8
:悪臭耐性9
:窒息耐性7
:毒霧耐性7
:毒食耐性7
習得魔法:風刃Ⅰ(001/999)
:閃光Ⅰ(001/999)
:看破Ⅰ(001/999)
:探知Ⅰ(001/999)
:付与・聖Ⅰ(001/999)
:付与・光Ⅰ(001/999)
:消臭Ⅰ(001/999)
:消音Ⅰ(001/999)
:清浄Ⅰ(001/999)
:洗浄Ⅰ(001/999)
:排泄Ⅰ(001/999)
固有武技:細剣技:9*19mm(15/15 *5/h)
:細剣技:5.56*45mm(20/20 *5/h)
固有魔技:反撃*Ⅰ(10915/99999)
:神眼・双
:無限収納
固有特性:自己修復Ⅰ(001/999)
:物防特性Ⅰ(001/999)
:物攻特性Ⅰ(001/999)
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「えらく・・・増えたな」
俺は、ぽつりと呟いた。
見慣れない項目がずらりと増えた。おまけに、知らない内に魔法を習得しているらしい。固有魔技のところに、ヨシマサとマサミが喋っていた神眼や無限収納があった。
(どう考えても、あいつらの技が俺に移ったって感じだろ?・・これ俺が奪ったということ?)
ヨシマサ達が言っていたように、相手の武技を奪ったというのが一番分かりやすいが、俺には他人の武技などを奪うような技は無いみたいだ。
直感的には、二人を斃した時にぶつかってきた光球じゃないか・・とは思う。
ただ、どうしてそうなったのかが分からない。
これまでにも山賊など人間を斃してきたが、一度もあんな事は無かった。
召喚された者を斃したから、そうなったのか?
俺自身には、そうした技能のような物は無いのだから、ヨシマサやマサミに何らかの原因がありそうなのだが・・。
今の知識では、何がどうなったのか分からない。
ただ、誰かから奪って集めていた魔技や魔法が、ヨシマサとマサミを経由して俺に与えられたのだということは、紛れもない事実だろう。
(魔法は・・たぶん、ヨシマサやマサミが使っていたやつだ)
しかし、魔力の量というのは、どこにも表示されていないようだ。他にも、生命力の量も分からない。
アマンダ神官長が読ませてくれた書物には、過去に発現した魔技や武技について記されていた。特性というのは、そうした事に適性が高いというくらいの意味らしい。固有とつくものは稀少なのだとか。
(称号とか・・神技とかは無いみたいだけど)
書物に書かれているものは、召喚された勇者に協力をしてもらったらしい。
勇者と同じ項目が無いのは当然だろう。
(でも、身体の適性値が変化したのはなぜだろう?)
生命力とかの数値が増えている。
この数値は、そうした適性があるという目安だと聞いていた。生まれ持った適性が変化することがあるのだろうか?
(・・ふうん?)
書物には、神眼とは違うが、鑑定眼というものについて記載があった。
鑑定眼を持つ者は、他者からの鑑定を阻害することが出来るそうだ。
鑑定される部分を、氏名、性別、生命力、魔法力、筋力、持久力、回復力の7項目に限定できると記載されていた。
(・・俺が貰った神眼というのは?こうして鑑定具で全部でちゃってるけど?)
そう考えながら自身を見てみると、それまで見えていた情報を上書きするようにして、新しい項目が目の前に表示されていた。
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固有名:シン
性 別:男性
種 族:転生者(花妖精種)
生命量:6(6,328/6,328)
魔力量:3(426/426)
生命力:8
魔法力:3
筋 力:7
持久力:8
回復力:8
加 護:耐久防壁
:不撓不屈
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(生命量と魔力量が出た・・・神眼なら見えるのか。あぁ・・今、俺は自分自身を神眼で見たんだ)
鑑定具では無く、自分の神眼で自身を鑑定できるということだ。
種族は転生者となっている。
ならば、書物にあるように、見せたくない項目を伏せるにはどうすればいいのか?
(隠す・・見えなくする・・・塗りつぶす・・防御?)
あれこれ思ってみるが、どうも効果が感じられない。
項目一つ一つを見えるか見えなくするか選べれば良いのだが・・。
そんなことを考えていると、視界に表示されていたものが二重に別れて左右へ展開された。俺の視界で、右へ移動した方は文字が灰色になっている。左へ移動した方は、文字が光っていた。
(・・光を消す?)
固有特性という項目を見つめながら、光が消えるように念じると、フッ・・・と消灯したように光が消えて灰色になった。
次は、固有魔技の中の神眼*双というのだけを消してみる。
(なるほど・・)
大項目と小項目になっていて、上位項目を消せば下位に連なる項目も消えるわけだ。
俺は片っ端から消していった。
習得技能も、最初の三つを残して光を消す。加護は、耐久力だけを残す。生命量と魔力量も消した。
その上で、改めて鑑定器具を使って鑑定を行ってみた。
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固有名:シン
性 別:男性
種 族:転生者
生命量:6(6,328/6,328)
魔力量:3(426/426)
生命力:8
魔法力:3
筋 力:7
持久力:8
回復力:8
加 護:耐久防壁
習得技能:飢餓耐性7
:打撃耐性8
:蹴撃耐性7
習得魔法:風刃Ⅰ(001/999)
:閃光Ⅰ(001/999)
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(・・よし)
思ったとおりの表示となった。
このぐらいなら、誰に知られても問題は無いだろう。
小さな安心を得て、俺はそのままアマンダ神官長から与えられた書物を読み耽った。
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