二章 冒険編
間話 別の動き
リン達が旅に向けて準備している間、神々の世界では険悪な空気が流れ込んでいた。
「ど、どういうこどだ!導きの神が下界の下等種ごときに負けたというのか!」
そう叫んだのは金髪の後ろを三つ編みで一束に縛った髪型をした。胸がふっくらして、スタイル抜群な神がいた。
名は『ヴァルキュリー』
戦乙女として知られる神様である。
「恐らくね」
そう返したのは髪は銀髪で肩まで掛かるくらい伸びており、背は百五十センチ行かないくらいでとても幼げな面影がある神。
名は『アテナ』
知識と豊作を司る神様である。
「だが、もしこれが本当だと、あの下等種共が我らと戦う手段を得たことになる。これは由々しき事態だ。早く大神様に伝えねば」
ヴァルキュリーは急いでここを出て大神様と呼ばれるお方に伝えに行こうとした。
「ちょっと待ちなさい」
それをアテナが止めた。
「何故だ! これは由々しき事態なのだぞ!」
そう言いながらヴァルキュリーは自分を止めたアテナを睨んだ。
「もし、私達がそれを知って一気に動いたら予防線を貼られかねないわ。それに気づいてない振りをして、私達だけで見つけ出した方が効率はいいわ」
アテナの言葉を聞くとヴァルキュリーは確かにと少し考えて、
「その考えに乗ってやる。だが、失敗は許されないぞ!」
「ええ、わかってるわ」
アテネは不適切な笑みを浮かべて答えた。
「そうと決まればさっさと行くぞ」
「はいはい、わかってるわ、相変わらず暑苦しいことこの上ないわね」
そう言いながら二人は下界に降り立ったのであった。
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