第6話 初めての外泊

彼と初めて外泊した日のこと。


そのチャンスは、突然やってきた。

子供たちが、夫の赴任先へ泊まりに行ってみたいと言い出したのだ。

夫に相談すると快諾してくれて、私は結婚してからはじめて一人で過ごすことになった。


それを彼に話すと、

「じゃあ、せっかくだし泊まろうか。俺もその週末は帰らないで君といるよ。」


唖然とした。

毎週末、律儀に家族の元に帰る彼が、私を優先してくれた。

嬉しくて嬉しくて、その日を指折り数えて待った。


そして、当日。


迎えに来てくれた彼の車に乗り込み、ご飯を食べに行き、ホテルへ。


ラブホテルなんて大したことないよね、と思っていたけど、デザイナーズなんとかみたいなホテルで、とにかく広くて綺麗な部屋だった。


お酒を飲んで、ほろ酔いになりながら一緒にお風呂に入る。


このときがはじめての一緒のお風呂で、恥ずかしがる私を笑いながらわざとゆっくり全身を洗われて、気持ちいいのと恥ずかしいのでどうにかなりそうだった。


「今日は、声我慢しなくていいからね。」


セックスのときは、普段より低めになる声で囁かれて、体がゾクゾクした。


いつもより長いキス、いやらしく這う彼の舌

と指


69の形になって、一緒に気持ち良くなる。


ときおり喘ぐ彼に、もっと気持ち良くなってほしくて、教えられた通りに舐めて、咥える


「子宮、下がってきてるよ?ほら、ココ」


とん、と軽くつつかれただけなのに、ものすごい刺激と快感が体を走った。


今まで感じたことのない快楽に恐怖すら感じた。

「大丈夫、怖くないから。もっとその顔みせて、声聞かせて?」


そういって、一気にモノを突き刺された


訳が分からなくなるくらい気持ちが良くて、何度もイッて、何度も腰を動かした。


彼が私の中で果てたとき、私も果てた。


翌日は映画を観たり、雑貨屋に入ったり、普通のデートをした。

恋人繋ぎで手を繋いで歩いた。


夕飯、何たべたい?あ、お酒も買って帰ろう

なんて言いながら買い出しをして、私の家に二人で戻る。


料理をして、晩酌をしながらTVを見て、お風呂でいちゃいちゃする。


前日と変わった、ゆったりしたスローセックスを楽しんで、眠る。


翌朝、起きて時間を惜しむようにまたセックスをして、ばいばいする。


余韻に浸ることなく、私は妻へ、母へと変わる。

彼がいた痕跡をすべて消して、私は主婦に戻った

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