4

ボールを再び取られて

またこちらに向かってくる。



仲間が…一斉に集まって

ボールを奪い返そうと…

ゴールを守ろうとしている。




「独りじゃない…

俺は独りで戦っているんじゃない。」



仲間を見ながら呟いた。


不思議とプレッシャーが勇気に変わった気がした。



あの日のように

飛んできたボールに手を伸ばす。



試合終了の笛



俺に抱きつき飛びあがる仲間たち



俺は…頭の中が真っ白になっていた。


次の瞬間

「よかったぁ!!!」

と叫んでいた。


「やった!とか勝った!じゃなくて?よかった?!

お前らしいなぁ!」


と仲間やコーチに笑われた。



帰り際、トイレの前でアイツに偶然会った。

変わらない笑顔で俺に話しかけてきた。


「お前やっぱスゲェーな。

けど、次は絶対負けねーから!!

“打倒!守護神!”が

俺達の合言葉になったから。」



笑いながら手を振ってアイツは去って行った。


自分を変えたくて続けているサッカー。


けれど…


あの時に受けた衝撃は変わらないまま


ずっと俺の胸の深い場所で輝き続けるだろう。


その部分だけは変わりたくないと初めて思った。


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ゴールキーパー 東雲光流 @shinonomehikaru

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