第4話 恋活の行方

翌日のことだった。

「ねえ、紫・・・。あの後城崎君と帰ったりした?」

昼休み珍しくランチに誘われたので、近くのカフェでランチプレートを食べながら彩絵が聞いてきた。かなり疑っている。

そんなことすっかり忘れていた。

それにあれから彼から特に連絡はない。田辺からは連続でメッセージが来て、一度だけお礼を送っておいたが。

「何か彼も地下鉄だからって階段降りてったから紫と会ったんじゃないかと思って。」

「あ、あー・・・。でも降りる駅違うかったから、電車だけだよ一緒だったのは。」

紫はその後飲みに行った事は面倒なので伏せた。

「ほんとに?何かさ・・・城崎君って紫の事気に入ってた風だったけど?」

「えー、そう?彩絵の考えすぎじゃん?」

「だってー、視線が紫だったよ。ねえ紫も彼の事狙ってる?」

「え、えー・・・。まさか。そこまでは考えてなかったけど。殆ど会話してなかったじゃん。」

というか彩絵が付け入るスキを与えてなかった。

「私じゃあ城崎君狙ってもいい?」

彩絵はオレンジジュースを飲んで言う。

「え、勿論!何ゆってんの、私にことわりなんていれて。」

「だってさあ、あの中じゃ絶対彼だよ!あとの奴ら何~?あの田辺とかいう奴からあたしに鬼ライン来てさあ。うっとおしいのなんのって。」

「彩絵にも来てたんだ、実は私も。」

「だよね~!」

ついでに言うと紫は牧野と岩城からも何故か殆ど会話していないのに、デートの誘いを受けていたがそれも面倒なので伏せた。

「なーんであたしがあんな奴と関わらなきゃいけないんだっつの。あたしは面食いなの!!」

彩絵は自信満々に言う。

「ねえ、彼の事デートに誘いたいんだけどさあー、何てライン送ろう?」

彩絵は直に相談してくる。

・・・え、めんどくさい。そんなの自分で考えてよ。

「ここだけの話。里佳子も美香も城崎君の事いいっつってたのよ。だから先手必勝で早く手を打たなきゃね!」

彩絵は本気で気合を入れていた。

紫は内心わかっていた。

本当は検一が自分の事を気に入ってくれているってことくらい。それくらいどんな鈍感でもわかる。だけどそこまでまだ興味は持てなかった。

「あー、あたし誘われる側だからなあいつも!こういうの得意じゃないの!」

彩絵は堂々と発言する。

・・・いや大抵あんたが誘ってると思うけど・・・。

紫は内心毒づく。

「ねーえ、紫イ。彼どんなコが好みなのかなあ?」

彩絵が相変わらずしつこい。

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