第2話
『雨?』
少年は首を傾げて聞いた
『はい、雨です』
少女はやはり無表情で質問に答えた
『そっか、でも風邪ひいちゃうよ?』
いくら雨が好きでも、傘もささないでいるのは風邪を引いてしまう
とても、心配そうな目で少女を見ていた
『…そうですね。でも、別に風邪引いたっていいです』
小さな声で心配してくれる人なんていないし…と言っていた
少年にはその声が聞こえていた
少女は聞こえないと思っているようだか
『そんなことないよ?少なくとも僕は心配だよ』
とても優しい笑顔でそう言った
でも、すぐは!っとして『ご、ごめんね!初対面の人にこんな事言われても困るよね!』
少女は小さく笑って
『クスクス、いえ大丈夫ですよ
確かに驚きましたけど、ありがとうございます』
少年は驚いた
『…⁈』
『どうしました?』
『ああ、いや
やっと笑ってくれたなぁって思ってね』
少女は自分が笑っていたことにとても驚いた
何故なら、もう何年も笑っていないから
『え、私が?』
うん!とでも言うような笑顔で頷いた
突然少年があ!っと言った
そして、申し訳なさそうな顔で
『ごめんね、もう帰らなきゃ
あの、良かったらお名前…』
『…私の名前は時雨
皐月時雨だよ、貴方は?』
元気な笑顔で
『素敵な名前だね!
僕は、神崎遥だよ。よろしくね』
この少年はまるで太陽のようだ…
そして、少年 遥はじゃあ、またね!と軽くて手を振ってから去って行った
本当に太陽みたいな人だなぁ
私と違って…
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