悲しい雨

夜桜ゆき

第1話

ある日


雨が降っていた


少し激しい雨が


人はこんな雨の中誰1人としていなかった


ただ1人を除いて


そう、少女がこの雨の中1人立っていた


もちろん、全身びしょ濡れで


少女の目は死んだ魚のような目をしていた

いったいどこを見つめているのか分からない


まるで、感情がないような


こんな雨の中だ

人なんている訳が無い

いたとしても、誰も少女のことは気にしないだろう

素通りしていくでしょう


だが、たった1人傘をさして少女に近づくもの好きがいたのです。


『ねぇ、君この雨の中傘もささずに何してるの?

風邪ひくよ?』


少女はまさか人に話しかけられるとは思っていなかったので少しびっくりした

だけど、やはり顔には出ていなかった


『雨を見ているんです

私、雨好きなので』


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