4話 見えない未来

青葉様が王の間に入って、しばらく経った。


旦那様がどんな話をしているのかは、僕も知らない。これほどの長間なしになるということは、2人の相性が良かったということなのだろう。


僕の予測では、旦那様は姫様の話をしているはずだ。そうではなかったら、僕を王の間から追い出す必要はない。僕は、姫様に忠誠を誓った身。そして、僕を姫様の執事にしているのは、旦那様ではなく、奥様。僕が耳にしたことは、奥様の耳にも入る可能性があるからだろう。


軽く呪文を唱え、目を閉じる。僕には、少し先の未来が見える。未来がある限り、何も見えないということはあり得なかった。


しかし、何も見えなかった。いつもは、何かが見えるのに、今回は真黒な世界が広がるだけ。


目を開けて空を見ると、まがまがしい雰囲気を感じさせるような空が広がっていた。


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