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コーチの話が終わると、
動けなくなっている私たちの前に
キャプテンと部員全員が前に立った。
「マネージャー…
インターハイ、連れてってあげられなくてごめん。」
いつも、ピリピリしていて怖いキャプテンが頭を下げた。
「いつも、ありがとう。
今まで本当にありがとう。」
「インターハイ、連れていってやりたかった。
力不足で悪かった。」
次々と部員たちが頭を下げていく…
今まで“ありがとう”の一言もいったことがなかった部員たちが…
「マネージャーたちがいたから、俺達頑張れたんだよ。」
「いつも、試合応援してくれて…俺達より緊張してて…ありがとう。」
私は部外者…じゃなかった…?
気がついたら
声を出して泣いていた。
私の場所はないってずっと思っていたのに…
あった…
ずっと、あったんだ。
気持ちをひとつにできないと思っていたのは
私の方だったのかも…
「私の…場所…」
頭が痛くなるほど泣いた。
試合に負けて悔しくて
普段怖い先輩達が泣いているのが悲しくて
みんなの気持ちが嬉しくて
もうワケがわからない。
「マネージャーたち、泣きすぎ!」
みんな笑っているんだか、泣いているんだかわからない状態。
小さなころから好きだったサッカー。
大好きなサッカー部のみんな。
役に立たないと嫌いになりかけた自分自身。
ここに居てもいいんだ…
試合は負けてしまったけど
それはとても残念だけど…
「みんな…ありがとう。」
一瞬で素敵な日に変わったのに、
涙はなかなか止まらなかった。
自分の居場所 東雲光流 @shinonomehikaru
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