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インターハイをかけた地区予選。
頑張ってきたみんなを見ている事しかできない。
祈ることしかできない。
それでも…私も…
ここに居る。
みんなと一緒に居たい。
サッカー部のみんなと一緒に…。
終了の笛が鳴り響く。
部員たちがフィールドに崩れるように倒れた。
ボロ負け…
みんな…悔しくて泣いてる…
その場所に私は居ない。
私の場所は…なかった。
私には、泣く資格もないだろう…
頑張った人たちが泣くのは許されても
見ていただけの私は泣いてはいけない。
きっと…みんな気分を害する。
けれど、せめて、みんなに何か声をかけてあげたい。
泣かないように
奥歯が痛くなるほど歯を食いしばった。
喉の奥が熱くて
言葉がでなかった。
『お前にはわからない』
そう言われるのが怖かった。
私はみんなの輪から少し離れたところに居た。
近づけない気がした。
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