自分の居場所
東雲光流
1
小さい時からサッカーが好きだった。
男の子たちとだって絶対に負けないって思ってた。
小学校に入って
だんだんと男の子たちとの差を感じるようになった。
悔しかった。
けど…
見ているだけで楽しかった。
私はサッカーが好きなんだって強く認識した。
だから、高校はサッカー部のマネージャーになった。
けど、マネージャーって仕事は、ユニフォームの洗濯や飲み物の準備など
雑用ばかり。
ある日一緒に入った同級生に訊かれた事が衝撃的だった。
「ねぇ…誰が好きでマネージャーになったの?」
「え?私は好きな人が居たからマネージャーになったんじゃないよ?
サッカーが好きなの。」
「え~?!それすごくない?
こんな雑用ばっかのマネージャーなんか、
ハッキリいって意味ないし。
も~ホント、好きな人でもいないとやってる意味なくない?」
「そんな事…ないよ…」
ユニフォームを洗っていた手が冷たい水で痛くなった。
サッカーが好きで部に入ったのに…自分の気持ちと何かが噛み合わない。
“雑用ばっかで意味ない”
マネージャーって、役に立っているのかな…?
私って…役に立っているのかな…。
サッカー部員として、私はここに居る?
試合のとき
スコアブックをつけるのはマネージャーの仕事.。
試合をしっかり見ていなきゃ…
けど、心臓が痛くなるほど…怖くなる。
“負けないで”
けど、私がそんなこと言ってもいいのかなぁ…?
祈っても…いいのかな…?
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