第2話「本日はダンジョン屋開店準備です」
黒い霧をくぐった先はまだ日中だった。
外国か。
日本は夜だったから、地球の反対側のどこかなのだろう。
「ここがダンジョンルーラーの本拠地じゃ」
「ここはどこなんだ?周囲は崖や緑ばかりで建物一つもないぞ?」
「この世界は『ホープ』と呼ばれているらしい。そして星の名前は『スターシス』。余が名付けたのじゃ。かっこいいじゃろ?」
「ん?ここって俺のいた地球じゃないのか?」
「違うぞ」
「ええええ!?いやいや、地球には魔瘴がないんだろ?なんで地球じゃじゃないんだよ!?」
「あー、あの星は魔瘴濃度がほぼ0なんじゃ。それにもう支配体系が天族に移行して久しいからの。要は魔族の介入する世界ではもうないんじゃ」
よ、よくわからない。
どうみたって地球だろ。
特段目新しい植物もないし、空も至って地球と変わらない。
後ろを振り返る。
ん?なんだこれ?樹皮のように見える。
俺は上を見上げる。
「うおおおお!?なんだこの馬鹿でかい樹は!?横幅も先が見えないんだけどおお!?」
「この樹はこの世界で最も大きい、そして唯一魔瘴を放つ『聖魔の大樹』という。この星は魔法や魔族こそいないが、ある程度の濃さの魔瘴はあるのじゃ。あとはダンジョンをきっかけに人族が魔瘴を浴び、魔法や英気を養えば、魔族の糧となってくれるわけじゃ、クックック」
その発想はさておき、こんな巨木は地球にはない。
異世界に来てしまったようだ。
「それで、一体どうするんだ?シス」
シスが極めて冷酷な目線を俺に向けた。
殺意がこもってるのがよくわかる。
「え?え?え?」
俺、もしかしてはめられた?殺されるためにやってきたのか?
「先程は随分と大魔王である余に対して無礼千万を働いてくれたな。万死に値する!直ちに余に平伏し、態度を改めよ!」
「お、おいおい、冗談だよな?お、俺はダンジョンルーラーだぞ?殺していいのか?」
突如、殺意むき出しの彼女の人差し指から赤い閃光が放たれた。
ドォンという轟音と共に俺の後ろの岩がバラバラに砕け散る。
「ひいいいいいい!!フ○ーザかよ!!」
大魔王はともかくとして、コイツは魔族だ!
やばい、やばすぎる!
「二度は言わん。お前の代わりなどいくらでもいるのじゃ。自分が特別だと思うなよ?」
死にたくない!
そうだ!ダメ元でも!
俺は鞄から雑誌を取り出し、大魔王の足元に投げた。
「なんじゃこれは?」
「そ…それは料理の本だ」
読み始めるシス。
「……ふぁあああああ!すごーい!なにこれ!はわわわあああ…!」
はっはっは。
どうやらうまくいったようだ。
料理人として日々鞄には関連書籍を収納しているのだ。
「どうだ地球の料理は。それだけじゃないぞ?地球にはまだまだ舌を唸らせてやまない食い物で溢れているんだ」
「ほ、ほんとに!?あの料理だけじゃないの!?」
あの料理だけって、どんだけレパートリーの無い世界に住んでるんだこの女は。
「ああ。地球人誰もが作れるわけじゃない。だが俺は違う!和洋中スイーツ全てを満遍なく網羅した俺なら、その本にある料理を全て作れる。それ以外のものもな!」
「ふぁあああああああああああ!!」
またしてもきれいな宝石のような瞳から光が発せられている。
興奮すると目が輝く仕様の魔族か。
「それでも俺を殺すというのか!?やってみろ!!俺を殺した瞬間、お前はまたワームやその辺の雑草食生活に逆戻りだ!はっはっはっはっは!!」
「いやああああああああああ!!」
「お前にすっげえうまい料理を振る舞い、更にダンジョンルーラーとして働く俺にこそ敬意を払うべきだ!それができないなら、俺、帰るわーー!!じゃあなーー!」
俺は黒い霧のところにスタスタと歩く。
「いやあああああ!!ごめんなさいい!!ちょっと調子に乗ってみただけなのおお!!もうこんなことしないからああ!!だから料理作って!!捨てないでええ!!」
「だあああ!痛い痛い!角も刺さって痛い!わかってくれるだけでいいから!」
凄い力で抱きつくヘタレ大魔王。
しかも、ダンジョンルーラーとしてじゃなく、料理作ってとか、色々ダメだろコイツ!
「ふぉんとに…?」
泣きっ面が妙に憎めないんだよなあ。
美少女だからか、仕草のせいなのかはわからないが捨て置こうとは思えなくなるんだよ。
「ああ。これまで通り接することができるならちゃんと料理も作るし、ダンジョンルーラーってのもやってみるから」
「ふ…ふっふっふ!余の駄々っ子作戦はうまくいったようじゃ!令司よ!さあ、働くがよい!」
うぜー…。
それ絶対作戦じゃないだろ。
しょっぱいプライドを持つとこうなるんだなあ。
「いや、働くがよいって言うのはわかるが、一体何をすればいいんだよ」
「そこで見ているがよい」
詠唱するシス。
長い。15分くらい詠唱している。
彼女の体から赤い光のもやが放出されている。
「この地に顕在せよ!ダンジョンアピアランス!」
シスの言葉と同時に、大樹の前に3メートル程の扉が出現した。
チーク材のような色合いで木製。
両開きの扉だった。
「フッフッフ。余の力を見たか。令司、こちらに来て扉を触るのじゃ」
ドキドキしつつも、恐る恐る扉へ手を触れる。
すると、赤い光が扉から俺の体を駆け巡り、消えていった。
「な、なんだ?何が起こったんだ?」
「この扉に最初に触れた者はダンジョンルーラーの資格を得る。お前は今ここでルーラーとなったのじゃ!」
「そ、そんな簡単に!?」
「そうじゃ。そしてお前にはダンジョンに関する特殊能力が備わった」
「マジか!?それって炎魔法とかアバンギャルドストラッシュみたいな技が使えるってことか!?」
「後者が何なのかはよくわからんが、どちらも使えん」
おいおいー…なんだそれ?
てっきりファンタジー世界のように俺も魔法とか使えるのだと思ったぞ。
「…じゃあ何が使えるんだ?」
「ルーラーとしての管理魔法や技じゃな。例えばダンジョン内部の様子を映像化できる魔法やダンジョン探索者の許可といった管理魔法じゃ。まあ色々あるから少しずつ覚えていけばよい」
「あ、そう…。で、どうやって金銀財宝を手に入れるんだ?」
「歴代のルーラー達は探索者から探索料を徴収したり、探索者がダンジョンから持ち帰った戦利品の何割かをもらってたりしていたみたいじゃ」
「なるほど」
「善は急げじゃ!只今をもってこの地でダンジョンルーラーとしての使命を果たすのじゃ!」
「お、おーーー!!」
大樹の前にポツリと佇む大扉にジャージとティーシャツ姿の俺。
シスが陽気に歌を唱う。
「探索者♪探索者♪探索者はまーだかなー♪」
「いらっしゃーいいらっしゃーい…」
……
…………
「探索者♪探索―」
「ってそうじゃなあああああい!!」
「なんじゃ騒々しい」
この大魔王はバカなのか?
「そうじゃないだろう。なんでこんな野ざらし状態の扉と場所で、こんな貧乏丸出しの服装で商売をしなきゃだめなんだ?机もなければ屋根もない、家もない。周りを見ろよ。崖に囲まれて緑しかないこんな場所に誰が来るってんだ?」
ポカーンと口を開き、じっと俺を見つめてくる無能大魔王。
「ど、どどどうしたらいいのじゃ!?」
このおバカ、絶対ダンジョン管理とか初めてだろ!
「どうすればいいって、それは俺が聞きたいんだが…。まず俺はダンジョンルーラーだってのに、ダンジョンの仕様も知らなければ、探索者の対応方法もさっぱりだ。商売をするなら商売知識を頭に入れておかないと。そして建物も必要だ。こんな雨風まともに受ける状況で人を呼び込むとか狂気の沙汰じゃない。こんなの探索者からクレームの嵐だ。手始めにダンジョンのルールブックとかそういうのはないのか?」
「それならあるぞ!」
シスが何かを口ずさんだ瞬間、空から広辞苑3冊分程の分厚い本が降ってきた。
衝撃で地面が凹む。
俺に六法全書以上の知識を身に付けろってことかよ…。
「おい、シス。こんな分厚いルールブックを理解できると思っているのか?」
「そんなこと言っても、それしかないんじゃ」
開くと、馬鹿でかいフォントサイズで1ページずつにルールが簡潔に記載されていた。
「文字でかすぎて逆に読み辛いわ!」
全く、魔族ってのは老眼なのか?
それになぜか読めるし。
まあいい。これなら少しずつでも理解できそうだ。
「他にやることはないのかの?」
「営業用の店舗施設が必要だ。ちゃんとダンジョン屋としての体を成さなければだめだ。とういうことで、魔法でちゃちゃっとそれらしい建物を建ててくれ」
「そういうのはできん」
「へーそうなのか。って、え!?」
「余ら魔族は破壊魔法を得意とし、建造物を含めた有機、無機加工はほとんどできんのじゃ」
「いやいやいや、さっきダンジョン作っただろ?」
「あれは太古より作られ、既に放置されたどこぞのダンジョンへの入口をこの魔法扉に繋げただけじゃ。だが、そのダンジョンへの魔族配置は余がやったがの!」
抱きつかれてわかったその小さな胸を張り出してドヤ顔しているポンコツ大魔王。
「おいおい、どうするんだよ。俺は建築技術など持ち合わせていないぞ。そうだ。シスは魔界の住人だよな?魔界にも魔王城とかあるだろ?それってどうやって建てているんだ?」
「おお!魔王城を知っているとは、地球とかいう世界はなかなかやるな!うむ、確かに魔界にも様々な建築物がある。一般魔族の職人によって手作業で建てられておるのだ」
「それを早く言ってくれよ。お前大魔王なんだからここに配下の魔族を呼んで作らせればいいんだよ」
ん?なんだ?シスの目が随分と泳いでいるな。
「そ、それは…無理…かなあ…」
あー…これは聞いちゃダメな感じがプンプンするなあ。
でも聞かないと店を建てられないし。
「な、なんで無理なのか聞いてもいいかな?」
「…ダメ」
イラッ!
うん、これはもう辞めよう。
大体にして、コイツ胡散臭さ満開なんだった。
「そうかーじゃあ、俺ちょっと部屋に戻って足りない物資持ってくるから、シスは少し待っててく―って、イテテテテテ!!やめろ!痛い痛い!!」
「捨てないでえ!!絶対戻ってこないでしょ!料理作ってくれるって約束したでしょー!」
コイツ、こんな時に限って妙に勘がいいな。
「おまえ、絶対大魔王じゃないだろ!!胡散臭さ全開なんだよ!!しかも第一声が料理作ってとか、ダンジョンルーラーの俺を手伝う気、皆無じゃねえか!!」
「だ、大魔王だし!健在真っ只中だし!」
耳がすごくピクついてるぞ!
「だったら部下を呼んで作らせろよ!こんなんじゃルーラーとして働けるわけないだろ!」
「できないの!それは無理なの!何とかして!お願いしますうう!!」
腐っても魔族。
抱きしめる力が強く、俺は引きずってでも黒い霧のところに向かう。
と、その時、
「えい!!」
シスが黒い霧を掻き消した。
「うわあああああ!!何てことしやがるうう!!地球に帰れないだろおお!!」
「えっへっへー!」
ググッ!
女を殴ることは俺のポリシーに反するが、コイツは殴りてええ!
「これでお前は戻れない!さあ、何とかするのじゃ!」
口調がまた似非大魔王のそれに戻ってやがる。
悪魔なんて碌なもんじゃねえ。
「ぐっ…!こんな格好と所持品、俺の能力でどうすれっていうんだよ。お前のために作ろうとした料理の食材だって部屋に戻らないとないんだぞ?もう食べれないんだぞ?」
「うっ…!と、10日後にまた戻れるようになるし、それまで我慢するし!」
「え?10日後に戻れるのか?」
「令司の世界につなげるのはすごい魔力が必要だから、消したらもう一度出すのに10日はかかる」
ホッ。
帰れるならまあ安心だ。
とはいえ、食料とか水とかどうするべきか。
見知らぬ世界で生きる術なんて何も知らないし、ダンジョンの前に食料探しが必要か。
「仕方ない。お前は魔族だから飢え死にはないと思うが、俺は人間だから食料が必要だ。ルーラー業の前に食料と水を確保する。何かこの辺りの地理的情報は持ってないか?」
「それなら、この方角に歩いていくと湖があったの」
「ナイス!初めてお前をそう思ったよ。付いて来い。俺のボディーガードだ」
30分程森を歩いていくと湖のほとりに出た。
気候は温暖で、ティーシャツでも寒さは感じない。
森の中は虫やらで気持ち悪かったが、危険生物はいないようだ。
バッグの中の飲みかけのお茶を飲み干し、透明度の高い湖水を汲む。
「シス、この湖水を大量に大樹に持ち帰る便利魔法とかないのか?」
「あるぞ。液体凝縮魔法じゃ」
「おいおい、どうしたシス、これまでのポンコツさが嘘のようじゃないか!」
「ポンコツじゃないわ!!」
シスの手首が上にクンッと振られると、巨大な水の固まりがゆらゆらと宙に浮いた。
そして、その水球に向かって魔法を唱える。
あっという間に水球が氷球となった。
「これが液体凝縮魔法じゃ」
「ただの氷結魔法じゃねえか!一工程多いよ!」
だが、どうせ水は煮沸消毒するし、食料保存には氷は不可欠だから結果オーライか。
俺達は一旦聖魔の大樹に戻った。
次は石の器を作ろう。
手頃な大きな石を拾い、シスに真ん中をくり抜いてもらい器とする。
木の器も同様に。
「いやー魔法って便利だな!俺には使えないんだろ?」
「うむ。ダンジョンルーラーとは魔族と探索者の仲介役みたいな存在じゃからな。お前の想像するような炎や氷、雷といった攻撃魔法や防御魔法は使えん」
「ふーん…ま、地球に戻ってもお前がやったように魔法が使えないんじゃ意味ないしな。じゃあ次は食料を探しに行くぞ。小動物とか見つけるサーチ魔法とかないのか?できれば鳥がいいな」
「どれどれ…ふむ、いるな。こっちじゃ」
シスに付いていくと、森の開けた所で7羽の鶏らしき鳥が地面をついばんでいた。
え?野生の鶏?
まじかよ。
外見も地球のそれと何ら遜色ない。
比内鶏やシャモ、白と赤い顔のザ・ニワトリらしいレグホーンまでもいる。
「あんなのが旨いのか?」
「食べたことがないのか?旨いってもんじゃない。さらに人工飼料でなく、自然の餌を食ってるんだからその旨さは折り紙つきだ」
「ふぁああああああ!!よし、殺そう!」
「だあ!待て待て、乱獲は禁止だ。他にもまだいそうか?」
「うむ!まだまだいるぞ!」
「じゃあ、取り敢えずその七匹を連れて帰ろう。魔法で運べるか?」
「誰に聞いておる?大魔王シスにとってそんなこと造作もないわ!」
ついでに卵もないか辺りを調べてみると、3個あったので拾う。
卵、肉、水。
うん、これだけあれば10日は持つな。
鞄には塩コショウ砂糖醤油七味など携帯調味料も入っている。
今日ほどこの無意味な収納物が役に立ったと思ったことはない。
シスには木を長板に切ってもらい、それを地面に突き立てて簡易檻とする。
この中で鶏を飼えばしばらくはいいだろう。
餌は地面をついばんでいたから、草やミミズやら虫を食べているのだろう。
今日は可哀想だが、一匹締めて命の糧とさせてもらおう。
鳥の解体は料理で身につけ、何百羽としてきたから問題ない。
包丁は石でシスに作ってもらった。
剣を真似するように作ってくれと言ったら、粗雑で切れ味はひどいが使える。
石を積み、かまどを組み立て、上に平の石を置く。
日も完全に落ちた。
ついさっきまで日本では夜だったというのに、これじゃ時差ボケするぞ。
「よし、夕食を作るぞ」
「待ってたぞ!!さっき鳥を殺してたが、何を作るんじゃ?」
「調理器具も揃ってないからな。しばらくは焼き中心の食生活だよ。ズバリ、焼き鳥!」
「や・き・と・り!!」
「いや、そんな大袈裟なものじゃないから」
熱した石にさばいた肉や内臓を並べ、塩コショウを振る。
「なんていい匂いなんじゃああ!!ふぁああああ!!もういいじゃろ!?な?な?」
「待て待て、もう少し火を通さないとダメだ。……よしいいぞ」
「うまあああああああいい!!ただ焼いた肉なのに、なぜこんなに旨いのじゃああ!!」
相変わらずいい表情とリアクションをしてくれるなあ。
「それはお前、俺の腕がいいからに決まってるだろ」
「令司は天才じゃ!食事の神!食神じゃ!!」
「あ…いや、そこまで褒められるとな…」
素材がいいからとは既に言い直す雰囲気ではなかったからやめておこう。
俺はここまで日照時間のズレで寝ていなかったため、木の板を地面から少し積み上げて並べた簡易ベッドで眠ることにした。
シスも睡眠は必要のようで、隣で眠った。
そして朝。
「ふぁ~あ…太陽光で直接起きるなんて子供の時のキャンプ以来かな」
「令司!朝ごはんはまだかの!?」
「飯か…じゃあかまどに火を熾してくれ」
スクランブルエッグにするか。
「今度は何かな♪何かな♪」
「ほら、スクランブルエッグだ。甘くて旨いぞ」
「あまあああああいい!!これは余の味覚にビンビンくるぞ!!」
「ははは、そいつは良かった」
朝ごはんをペロリと平らげた自称大魔王。
「お昼はなんじゃろなーなんじゃろなー」
「おいおい、もう昼飯のことを考えてるのか?そうだなー何にするかなー」
……
…………
「って、ちがーーーーーーーーう!!」
「うお!なんじゃ令司!また大声を張り上げてどうしたんじゃ?」
「そうじゃないぞ、大魔王。俺達はダンジョンルーラーなんだから、なんでこんなに食いもんのことで盛り上がってるんだよ。もっとルーラー的な何かをしないと」
「た、確かに…。じゃがこれを始めたのは令司じゃぞ?」
「ぐぎぎ…誰のせいでこうなったと思ってんだよ…」
はぁ…どうすっかなー……。
◆◇大魔王シス視点◆◇
あの宮洞令司という人間め…余にこれぞとばかりに不敬な言動をするなんて……。
しまいには『本当に大魔王なのか?』とかほざくし!
そりゃまあ?ちょっと色々あったけどー?
でも余は大魔王なの!その事実に変わりはないの!
いつか痛い目に遭わせてやる!
人選誤ったかなー…
でもなーたまたま人選目的で使った遠隔映像魔法に映ったあの麻婆豆腐っていう料理?
すっごい美味しそうだったし、100日も飲まず食わずだったんだからそりゃふら~っといっちゃうよね!
実際にちょーーー美味しかったし、あんなの食べたことなかったから、あいつについついルーラー資格渡しちゃったわけだけど…。
それでも!
もっと余を敬うべきだよ!
全魔族の頂点の大魔王と下等生物で更に底辺生活を送ってる人間だよ!?
月とスッポンどころか、太陽とミジンコ程の差もあるよ!
ぜーーーったい、痛い目に遭わせて、余に平伏させるんだ!
よし!今から厳しくいかないと!
「おーい、昼飯できたぞー」
「わああああああ!!これはなんなんじゃ!?」
「丼無しバージョン親子丼だ!ちょっと味付けは特殊だが、まあ旨いぞ」
「ふぁああああああああ!!やっばこれ!!やめらんないーー!」
「そうかそうか。食べ終わったらすることあるから手伝ってくれよ」
「うん!」
……ってちがうちがうーー!!
厳しくいかないと!!
あーもーーなんでこうなるのーー!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます