憧れ
「本当に憧れている人とは1日に3言までしか話しちゃいけない。」らしい。幻滅はその人を知れば知るほど見えてきた悪いところが原因だと。憧れ続けていたいのなら、無知でいることだと言う。馬鹿で間抜けな自分のままその人を下から見つめ続けなければならない。憧れとは、盲目であることでしか成立しない。僕はこの考え方が好きだ。結局、完璧な人間はおらず、結局、憧れるに値するような人間もいない。憧れは幻で、自分自身で作るものだ。あの人になりたいというのは、あの人に見えている誰かをあの人として見続けること成り立つ感情だ。勝手に幻滅して、裏切られたと感じるのは、全くの自己責任で、盲目になりきれなかった自分を責めるか、あの人として誰かを選んでしまった自分を責めるべきなのだ。
僕はイチローが好きだ。小さい頃はあんな人になりたかった。だけど彼も完璧ではなかったし、憧れだったものは自然と好きな人へとシフトした。そういうものだと、大人のふりをした僕は納得して、そういうものだったのかと、子供の僕は少しイチローに近づいた気がした。憧れなんてものは大したことじゃない。裏か表かで前方の違うコインを、裏の時は目を閉じて、表の時だけ、見ていなきゃいけない。結局は自分自身だということだ。
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