十二番番目の志士(第二部)
十二番番目の志士(第二部)9 むかっ腹が立つので昼飯を食べようと浅草のうなぎ屋に入りうなぎと酒を頼んだのです、酒を飲んでいると一人の男が久方ぶりですと前に座るので見ると、大阪であっ
十二番番目の志士(第二部)9 むかっ腹が立つので昼飯を食べようと浅草のうなぎ屋に入りうなぎと酒を頼んだのです、酒を飲んでいると一人の男が久方ぶりですと前に座るので見ると、大阪であっ
十二番番目の志士(第二部)9
むかっ腹が立つので昼飯を食べようと浅草のうなぎ屋に入りうなぎと酒を頼んだのです、酒を飲んでいると一人の男が久方ぶりですと前に座るので見ると、大阪であった、
彦八ですおう元気だったかと言うと、旦那は偉い人だったそうではないですかと言うので、たいして偉くないよと酒を飲み干すと、あれ、何かいやな事でもおありなさった、
んでと言うので、
わかるかと言うと、商売がらわかるんですよと酌をして、あっしで良かったらお付き合いしますぜと言うので、ここで何しているんだと聞くと、あつしはうなぎが大好きで、
して、ここのうなぎは美味いんで時々くるんですよと言うので、おまえも飲めといい仲居に酒とと盃をたのんで酌をすると飲み干し、どうしたんですかと聞くので、どいっ、
もこいっも人の気持ちの分からんバカもんに腹がたったんだよと言うと、
だんなが怒るとは思いませんでしたがと不思議がっています、うなぎが来たのでさあたべようと箸をつけると、ふつくらしていたとても美味いので、2人で美味い、美味い、
と食べたのです、食べ終わると酌をするので飲み干し、ああ、美味かった、うなぎを食べたらスッキリしたよと笑うと、そうこなくちゃと酌をするので、新之助も酌をして、
景気の方はどうだと聞くと花街は世の中がどう変わっても、男と女がやる事は変わりませんよと笑い、これからいい女を紹介しますよと言うので、女は余っているよと言うと、
そういわないでこんな時は女と遊ぶのが一番ですよというので、馬車に乗り彦八について行くと、花柳楼という場所に連れて行き座敷に上がると、ここに霞という女郎がいる、
んですが、
これがまたいい女なんですよといい、それではあっしはと彦八は帰って行ったのです、女が入って来て霞ですと頭を下げて傍に座り酌をするので顔を見ると、凄い美形です、
お流れをというので盃を渡し酌をすると飲み干し美味しいといったのです、お前くらい美形だとすぐ花魁になれるだろうと言うと、旦那は口がうまいですね、おいらんなん、
てならなくていいんですよ、
というのでどうしてと聞くと格式がどうのこうのとめんどくさいだけです、男と女のやる事は決まっているでしょうと言うので、違いないと酒を飲むと、それではそろそろ、
と帯をとこうとするので、帯は解かなくていいよと言うと、私では気にいらないのですかと言うので、そんな事はない今日はそんな気にならないのさと言うと、私は楽でい、
いけど、
お足は変わらないわよと言うのでああちゃんと払うから心配するなと言ったのです、旦那は江戸の人と聞くのでいや日向の高鍋というところだよと言うと、随分遠い所です、
ねと言うので、もう誰もいないよ江戸に来て随分経つからなあと言い、霞は生国はと聞くと青森の弘前ですよ、寒いところで冬はねこみたいに縮こまってじっとしているん、
ですよと言うので、
お父さんが病気になって売られて、流れ流れて東京に来たわけだと言うと、そうなんですよと酌をするので、それはうそだな、生まれは関西で元は武家の娘だ、武士がなく、
なり東京に来て両親がなくなりお茶屋に奉公して、ここに来たわけだというと、なぜわかるんですかと聞くので、一つは少し関西訛りがあり、酌をする時に武家の娘の酌の、
仕方だよ、
兄弟はいないのかと聞くと弟が一人いますと言うので、何をしているのだと聞くと、日雇いの仕事で食べているようです、すこしは渡してやっているのですけど、親の借金、
を返しているので沢山は上げられないのですというので、弟は幾つだと聞くと18になりますと言うのでそれでは職を紹介してやろう、どこに住んでいるのだと聞くと、名前、
は山崎俊介と言って深川の八幡様裏の源兵衛長屋ですと言ったのです、
親の借金はどの位あるのだと聞くと母が病気になった時の医者と薬代で50円です、ちっとも減らないのです、そうかそれは大変だなと言うと、弟の事お願いしますと言う、
のでわかったよ、弟が稼いでお前をここから出してくれるよと言うと、私はここが好きなんです、ここにいれば食いはぐれがないんですよと笑ったのです、そうかいま、
さら奉公も出来ないかと言うと、
そうですよ朝から晩までこきと使われるのは厭ですよと笑ったのです、それでは小料理屋でもやればいいよと言うと、いつになったら出来る事やらと言うので、まずは、
ここから出る事だなと言うと、旦那はやさしいのねと言うので、それが取り得なのさと盃を干したのです、色々話をして夕方になったのでそれでは帰るよというとまた、
きてくださいというので、
分かったと返事をして10円渡すとこんなに入りませんというので、借金を返すのだ取っておきなさいと言うと、私の話はうそかも知れませんよと言うので、それでも、
いいんだよといい店を出たのです、馬車に乗り込み自宅に戻ったのです、次の日には源兵衛長屋にいき尋ねると本を読んでいるので、高杉新之助と申す、君の姉さん、
にたのまれたのだ、
これから勤め先につれて行くのでしたくをしなさいと言うと、わかりましたとしたくをしたので、馬車に乗せ高野造船に連れて行き、峯五郎に事情を話し頼むと分かり、
ましたといい、ここは蒸気船を作っているがやってみるかと聞くと、ええ、是非やらせて下さいというので、会長とよく話すのだといい、俊介を預けて高野造船を出て、
彦八の元に顔を出すと、昨日は済みません、旦那に世話をかけるつもりではなかったのですがと言うので、いいんだよ、ところで霞はいくらで身請けできるのだと聞く、
と100円もあればといい、まさか身請けなさるんでと言うのでそうだよと300円渡しこれで身請け代と借金が返せるだろう、余った金で小さな小料理屋を手当てしてくれ、
といい、
これは彦八の手間賃だと10円渡したのです、旦那は本当に人がいいんですね、分かりました段取りします、段取りできて店を開いたら教えてくれと頼んだのです、色々、
用意をして彦八は霞の所へ顔を出し話すとビックリしています、旦那の世話になってもいいんだねと言うと、勿論ですよこんな夢のような話は有りませんというので、
女将に100円で身請けしたいと言うと、
驚いて勿論いいですよ今直ぐにでもといい身請け書を作ったのです、金を払い、霞を連れ出して借金を全て返し、呉服屋に行き身なりを整えさせて、着物を何枚か買い、
見つけていた深川の小料理屋に連れて行ったのです、頼んでいた板前を紹介して、今夜から店開きだここの二階に住めばいい、一階は30人位は座れるよ、儲かれば、
女中を雇えばいいと話し、
仕入れから料理は板前の源介が全てやるよと話したのです、源介が宜しくお願いしますというので、岡場所の女だけどよろしくと霞がいい、旦那は今日きてくれるかしら、
と聞くと勿論来ますよ、それから知り合いに声をかけてひいきにしてくれるよう頼んでおいたよと話したのです、残りの金を渡しこれだけあれば十分やっていけるよと言、
ったのです、
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