十二番番目の志士(第二部)8 翌日太政官に出仕すると伊藤が部屋に入って来て、今板垣と大隈が辞表を岩倉卿に出したので受理したそうです、参議は大久保、伊藤、後藤、副島となり各閥一人づつ


十二番番目の志士(第二部)8


翌日太政官に出仕すると伊藤が部屋に入って来て、今板垣と大隈が辞表を岩倉卿に出したので受理したそうです、参議は大久保、伊藤、後藤、副島となり各閥一人づつに、

なりましたと言ったのです、よく大隈が辞表を出しましたねと言うので、出さないと太政官顧問襲撃の首謀者として禁固刑になりますよと言うと、なんと襲われたのです、

かと聞くので、


不問に付しますよといい、伊藤さんも、大久保さんも気をつけてくださいと言ったのです、しかしその犯人を野放しにしておくとまずいですよと言うので、更正させて、

北海道に行かせましたから大丈夫ですと言うと、なんとお人好しなのと笑っていたのです、それでは今日は見届けましたのでこれで帰りますというと、どうぞ、今回も、

大活躍でしたねと部屋を出て行ったのです、


板垣と大隈が部屋に入って来て今辞表を出してきましたと言うので、そうですかこれからは浪人です、外から見ると良く見えますよ、自由民権思想を幅広く伝えてくださ、

い、大隈さんは学者だから学校でも作るといいですね、ここに添え状を書きました、これを山城屋にもって行きなさい、その為の資金を用立てしてくれますよというと、

彼を潰そうとした肥前の者に、


そんな便宜を計ってくれるでしょうかと言うので、今は事業も何倍も大きくなり、そんな事はとっくに忘れていますよと笑ったのです、それでは頂戴しますと頭を下げて、

受け取ったのです、大隈が私はこれでと言うので頑張ってと声をかけたのです、板垣にイスを勧めるとイスに座り、私も本当の所は自由民権の思想はよく分からないので、

すと言うので、


なあに簡単な事です、国民の教育水準を上げて皆が国政に参加できるようにする事ですよ、人によつて色んな考え方がある訳ですから、物事は多数決で決める事になりま、

すが、少数意見も尊重しなければなりません、お互いが暴走しないように監視しあうのが基本ですかねと言うと、そのバランスが大事なわけですかと言うので、たとえば、


板垣さんはストレート派、大隈さんはどっちつかず派、大久保さんは一徹派、伊藤さんは大隈さんに似ているのですがその分お互いが受け入れられないと言うわけですと、

いうと、なるほど面白い分析だ、ところで新之助さんはと聞くので簡潔派と言う事でしょうか、なんせ、めんどくさい事が嫌いですからと言ったのです、なるほどたつた、

5人でも、


色々違うのでもつと大勢だとバラバラになるので何処かで妥協も必要なわけだ、中には自由の嫌いな人もいるかも知れないですねと言うので、そうなんですよ自分が良い、

と思った事でも、よくないと思う人がいるもんです、全員一致なんてのは殆んどないわけですと笑ったのです、それでは又と言って板垣が部屋を出て行ったのです、


太政官を出て馬車に乗り紀伊坂を通ると、この前襲われた場所に羅卒が2人立っているので馬車を止めると敬礼するので、太政官顧問の高杉新之助だ何をしているのだと、

聞くと、ついこの前太政官の高官が襲われたとの事で警戒しているのですというので、誰の命令だと聞くと川路大警視でありますと言うので、それはどの辺だと聞くと、

この当たりだと聞いていますと言うので、


誰か見ていたのがいるのかと聞くとそれはわかりません、この当たりだと聞いたのですと言うので、ご苦労様といい馬車に乗り込み警視庁に向かったのです、桜田門に着き、

川路の部屋に行くと、これは新之助さんめずらしいとイスを勧めるので、紀伊坂に羅卒がいたがあそこで誰が襲われたのだと聞くと、また、新之助さんでしょうと言うので、


誰に聞いたのだと聞くと大久保さんですよと言うので、うそをつけ何処かで羅卒が見ていて傍観していたのだろうと言うと、冷や汗をかいてその通りですと言うのでどこの、

出身の者だと聞くと薩摩ですと言うので、その羅卒を呼ぶのだと言うと、部下に呼びにいかせたのです、部屋に入って来たのでイスに座らせ、お前だけかと聞くといえもう、

一人いましたと言うので、


その者をここえと言うと連れて来たので二人をイスに座らせ、お前達は剣の腕はと聞くとあんまり得意ではなくてと言うので、うそをつくなその指は竹刀たこだろう、正直、

に言えば職務怠慢は見逃してやるが、正直に言わないなら太政官の高官が襲われていたのに傍観していたとして、川路大警視に責任を取ってもらうぞと言うと、高杉さんは、

大久保参議と親しいと聞いています、


今回我々は命がけで薩摩に潜入したのです、褒め言葉も報酬もなく郷士の我々は低くみられています、今回は大久保参議に大警視が叱責までうけました、そんな人達は助け、

たくないと思ったのですと言ったのです、川路が私の責任です即刻辞表を出しますというので、何を言っているんだ何でもすぐやめればいいと思っているのかと怒ると恐縮、

しています、


確かに叱責はあんまりだったかも知れないが、大久保さんの盟友である西郷さんを討伐するのがどんな気持ちだったか分かってやれないのか、この政府を守る為に不平薩摩、

士族を道ずれにして死んだ西郷さんだぞ、もし本気で反乱を起こすなら熊本城なんか囲むか、押さえの兵を置いて長崎に出て、汽船を奪い大阪に出て兵を集めて東京に進軍、

すればこの政府は簡単に吹っ飛んだぞ、


わざと熊本城を囲み討伐軍がくるのを待って兵を消耗させる為に九州を転戦して、不平薩摩士族のエネルギーを沈静化させて大勢の薩摩兵児をつれて死んだのだぞと言うと、

そうだったんですか、この政府を潰すなんて元々なかったんですかと言うので、そのつもりなら、熊本、萩、秋月の乱の時に立ち上がっているはずだろうと言うと、


川路がすみもうはん、長年城士に見下されてきたと言う意識がありもんどんと言うので、もう武士はなくなったんだよ、確かに大久保さんは城士だったかも知れないが家禄、

の低い末端の藩士だったんだろう、お前達となんら代わらないではないかと言ったのです、僕は君達に助けてもらおうなんて思っていないが、今政治をやつている参議は、

この国の為に頑張っているのだ、


職にありつけなかったからと言って暗殺しょうとはけしからん、勉学にはげめば必ず職にありつけるだろう、なにもしないでいるだけで食えた武士の時代は終わったのだ、

と言ったのです、全員がすまんこつてごわしたと言うので、今回は不問に付すが次回は厳しく糾弾するぞと言ったのです、それではと部屋を出ると川路が追いかけて来て、

あの者達はと聞くのでそのまま勤務させるのだと言ったのです、

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