十二番番目の志士(第二部)6 札幌に戻り黒田に全てを話し、予定通り払い下げは実行できるよと言うと、これで二つの炭鉱も利益がでて国の税収もあがります、まつたく中央の派閥争いで地方は迷


十二番番目の志士(第二部)6


札幌に戻り黒田に全てを話し、予定通り払い下げは実行できるよと言うと、これで二つの炭鉱も利益がでて国の税収もあがります、まつたく中央の派閥争いで地方は迷惑、

するのですと言うので、もう二、三年後には議会制民主主義に移行できるだろう、そうなれば薩長土肥だけではなく幅広い人材が集るわけだ、しかし人間は一度権力を、

握るとそれにしがみつこうと人が変わってしまうからなあと言ったのです、


黒田が西郷さんは残念な事ですと言うので、これも新しい国を作る為の試練なんだ、西郷さんは生き方をまっとうして満足な顔で黄泉の国へ旅立ったよ、後は黒田、大山、

従道さんに頑張ってもらわねばと言うと、きもに命じて頑張りますと言ったのです、今日はどうしますと言うのでこれから東京に帰るよ、私が釧路、美唄の不正を暴いた、

事は大隈、板垣の耳には入っているだろう、


変な動きをされる前に叩き潰す必要があるのさ、多分軍隊を使って警察署長と炭鉱長を脅かして自白させた、司法への強権介入だと言うさ、しかしこの調書がある限りいい、

のがれは出来ん、さぞかし夜も眠れないだろう、へたすれば不平士族を扇動して私を襲うかもしれないと言うと、気をつけてくださいよと黒田が言うので大隈は僕の腕を、

知っているので大丈夫だが、


心配なのは大久保さんだ今回の件で薩摩人からは憎まれているので、身辺に気をつけるよう言っているのだがと言うと、川路が今回の西郷さん刺殺の件で大久保さんから、

叱責を受けたそうで、あやつは自分が郷士の出の為、鹿児島城士を恨んでいるので警備の手を抜かなければいいのですがと黒田が言ったのです、開拓史を出て軍艦にもどり、

一路東京へ向かったのです、


東京に着き翌日太政官に出仕し、まず大隈の部屋に行くと真っ青な顔をしています、イスに座り覚悟は出来ていますなと言うと、軍隊を率いて自白を強要するとは司法権を、

ないがしろにする行動ではないかと言うので、大隈さんともあろう人が炭鉱夫からピンハネしたものを賄賂として貰うとはどうゆう了見なのと聞くと、ともかく不正なやり、

方で得た自白書は無効だと言うので、


認めないならこれを司法省に渡し再調査するまでだ、そうなれば全て明らかになり貴方は政治生命は断たれて野に朽ち果てるのみだ、反省の心があるなら今日料理屋でまつ、

といい席を立ち板垣の部屋へ行くと、お待ちしていましたと言うのでイスに座ると、まさか現地に調査に行くとは思いませんでしたと言うので、なぜあんな事をと聞くと、


美唄の炭鉱長は最初に釧路警察署長から話しを持ちかけられたそうで断ると、炭鉱長が酔っ払ってアイヌを犯した事を問題にすると脅かされそれで加担する事になったそう、

なんですが、その後大隈から話しがありこれが発覚すれば美唄炭鉱長を推薦したのは板垣だから罷免は免れないと言ったのです、まさか大隈が賄賂を貰っていたとは知らな、

かったのです、


どうすればいいかと聞くと目を瞑る事だというので了承すると、毎月金を送ってくるので炭鉱長に聞くと目をつむってくれたお礼だといい、受け取らないといつ告発される、

か分からないといい、一回でも受け取ったら同罪だと言うのでそのままズルズル受け取ってしまったのです、新之助さんに告発されるのは仕方ありません、板垣一生の不覚、

でした、


明日参議の辞表を岩倉卿に出しますというので、私は事を大げさにするつもりはありません、そんな事をやっていれば炭鉱の利益がでるわけありません、利益を上げて税収、

を増やす為の払い下げなのに、強行に反対するのでおかしいと思ったまでです、不正はいつかは発覚するものですよといい、やめてどうするんですかと聞くと自由民権運動、

を進めて、


議会民主主義に早く移行できるようにしようと思っています、しかしこんな事が発覚しては無理ですねと言うので、この件は目を瞑ります、野に下って民衆に自由民権と、

は何かを正確に教えてください、自由を振りかざすとかつての攘夷みたいに自由だけが一人歩きし、なにもやつてもいいのだと勘違いするものが増えますと言ったのです、


板垣が目を瞑ってもらえればありがたいといい、今まで貰った金は手付かずに手元にありますこれは何処に返せばいいですかと聞くので、自由民権運動には金がかかるでし、

ようそれに使ってください、それから野に下ったら志のある者と政党を作り幅広く寄付を集めればいいですよ、ここに添え状があります、島田屋と関東産業に頼みなさい、

寄付をしてくれますよと渡したのです、


それはありがたい感謝しますと受け取ったのです、辞任の理由は払い下げの反対意見が通らなかつたからとして下さい、午後の会議では貴方は反対してください、但し後藤、

さんは賛成するように説得してください、そうすれば大久保、伊藤、後藤が賛成で、大隈、板垣が反対となり払い下げは裁可されます、また太政官において三年後までには、

議会制民主主義に移行するという提案をしてくださいといい、


板垣の部屋を出て大久保と伊藤に段取りを説明し自分の部屋に戻ったのです、マリアの作った弁当を食べて一服していると、会議が始まると呼びに来たので会議室に行くと、

岩倉が議題を出し審議して、北海道の官有物払い下げの議題に移ると、大久保と大隈の論戦になったのです、2人とも一歩も譲らないので岩倉が、ほな新之助の意見はと、

聞くので、


議論は出尽くしましたので採決すればよろしいのではと言うと、それでは賛成はと聞くと、大久保、伊藤、後藤が賛成、大隈、板垣は反対したのです、岩倉がこの件は可決、

され払い下げの時期は北海道開拓史にまかせますと言ったのです、板垣が三年以内の議会制民主主義への移行を提案したいと言うと、意見はと岩倉が言うと、伊藤が三年、

あれば、


仕組みは十分考えられると思いますと発言し、採決に入り全員一致で可決されたのです、それでは今日はこれにてお開きとすると岩倉がいい会議は終了したのです、大隈は、

不正の件が議題にでるのではとドキドキしていたのですが議題には上がらずホットしたのです、太政官を出て馬車で深川に向かっていると紀伊坂まで来ると前に3人の男が、

立っています、


馬車の前に立ち塞がり、太政官の高杉新之助だな天誅を加えるというので、馬車をおり拳銃を構え一人の男の刀の根元に向かって引き金を引くとぱ~んと音がして刀の、

根元に当たりポキリと折れたのです、隣の男に踏み込んで刀の柄を握り足で蹴飛ばすと刀を放し尻餅をついたのです、拳銃を仕舞い刀を峰に持ち替え刀を持った一人の男、

の手を打つと刀を落としたのです、


3人の肩と足を打つとぎ~つと言って転がったのです、そんな腕で俺が切れると思ったのかといい、一人の男めがけてこの愚か者死ねと言って刀を振り下ろしたのです、

刀は鼻先をかすめ和服の腹帯がパ~シと音がして切れたのです、今のは脅かしだ暫くは足が痺れて立てないだろうと笑ったのです、

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