十二番番目の志士(第二部)
十二番番目の志士(第二部)4 まず薩摩に狙いを定めたのでしょうというと、大久保がどうするつもりなんですかねと言うので、北海道の官有物払い下げが黒田さんから出ており、それを薩摩の五代産
十二番番目の志士(第二部)4 まず薩摩に狙いを定めたのでしょうというと、大久保がどうするつもりなんですかねと言うので、北海道の官有物払い下げが黒田さんから出ており、それを薩摩の五代産
十二番番目の志士(第二部)4
まず薩摩に狙いを定めたのでしょうというと、大久保がどうするつもりなんですかねと言うので、北海道の官有物払い下げが黒田さんから出ており、それを薩摩の五代産業、
にという稟議書ですが、払い下げの価格は安くしなければ今後の運営に困りますので、当然安くなります、それを黒田さんと五代産業の癒着だと糾弾して薩摩閥を追い込む、
腹でしょう、
その裏は美唄炭鉱長は土佐、釧路炭鉱長は肥前出身の人間です、搾取している金の一部を板垣と大隈が貰っているのでしょう、それもあって払い下げに反対しているのです、
もつとも各たる証拠はありませんがと言うと、大久保が成る程といい、伊藤がその不正はなんとか暴けませんかねと言うので、現地の調査をやれば必ずシッポをだすはず、
です、
見つかれば板垣、大隈を参議から解任し野に下ってもらいます、野に下れば権力を取り替えそうと必死になり、自由民権運動にちみちをあげます、そうすれば民衆に自由、
民権の議会制民主主義の考えが根ずく事になり、平民が政治に感心を持ちます、二、三年たつたところで議会制民主主義に移行すればスムーズに行きます、早急にやると、
何でも自由だという思想が蔓延し、民衆の暴動につながります、ある程度は政府で押さえ込みコントロールする必要があるわけです、今までも新聞が民衆を煽る事件は一杯、
あったでしょう、ペンの暴力も少しは取り締まるべきなのです、やりすぎると弾圧になりますのでさじ加減が難しいですがと話し、板垣、大隈も本当の民主主義は理解して、
いないと思います、これから二、三年はみんなで勉強する時間が必要です、
こればかりは外国の物まねしても上手くいきません、わが国に合った民主主義が必要なんですと話しを結んだのです、大砲や軍艦のように真似をしても人が絡む事だから、
上手くいかんというこつごわすかと大久保が言ったのです、この策を取るなら私が釧路に行ってその不正を暴きましょう、それでもって、2人の辞任と引き換えに払い下、
げは実行し、
二、三後には議会制民主主義に移行すると約束すれば喜んで下野しますというと、板垣はそうするかもしれないが大隈はどうでしょうかと伊藤が言うので、それなら罷免、
すればいいですよ、肥前は反乱する力などなく、まして大隈が下野して国に帰るわけありません、この前の佐賀の乱を傍観していたのですから、誰も彼を担ぐ士族など、
いませんよと言ったのです、
幾松が成る程新之助様は策士ですね、木戸が京都で新撰組に追いかけられてあやうい処を、通りかかった新之助様が木戸を幕府の旗本榎本釜次郎だと新撰組に言った時は、
ビックリしたそうです、瞬間に策を思いつく人だと感心していました、高杉新作殿とよく似ていると言うていましたがと笑ったのです、木戸は以外と人の好き嫌いが激し、
いのですが、
新之助様と坂本様は好きだったのですね、木戸とは性格はまるで正反対ですと言ったのです、坂本様はお気の毒でしたと言うので、実は龍馬は生きているのです、今は、
北海道で高杉新八と名前を変え、牧畜、酪農、農業、ビール、ウイスキーを作っていますというと、なんと生きていたのですかと驚くので、命を狙われない策ですよと笑、
ったのです、
大久保が政府に入って政治などやりたくないので死んだ事にしたそうです、幾松がでも荼毘に付して東山に眠っていると聞きましたがと言うので、あれは襲った刺客の2、
人ですと説明したのです、とつさに考えついたのでしょう、その刺客を殺害したのは新撰組の斉藤ですと言うと、どうしてと聞くので経緯を話し、今幌内炭鉱の保安隊長、
をしていますと教えたのです、
すご~い、新之助様は色んな人を世の中に役に立つ人に変えておしまいになるのですねと感心して、ヤツパリ木戸がいうていたようにこれからは新之助様を頼りにします、
というと、伊藤が木戸さんにはひとかたならぬ恩がありますので少しは私にも頼ってくださいと言うと、そうでした、伊藤さん、大久保さんこれからはごひいきにと酌を、
したのです、
大久保と伊藤がこれで失礼します、後は幾松さんと昔話でもして楽しんでくださいと帰っていったのです、幾松がそれでは2人水入らずで昔話でもしましょうといい、塩辛は、
ないかなというと、それでは貰ってきますと調理場に下りていったのです、お銚子と塩辛を持って来て酌をするので飲み干し、塩辛をつまんでこれが美味いんですよと言うと、
本当に光物が好きなんですねと言うので、さしつ、さされつで京都の出来事をはなして盛り上がったのです、女将が戻ってきて私もお仲間に加えてくださいというので、酌を、
するとおしそうに飲み干したのです、いそがしそうだねと聞くと、ええおかげさまで島田屋さんが一杯お客さんを紹介してくれたんですよと言うので、あいつも随分金持ち、
になったからなあと言うと、
そうなんですよ羽振りがよくて、仲居まで気を使ってこころずけをくれるんですよと言ったのです、あんなにピシ~と女将に断られたのにと笑うと、今は菊奴さんにご就寝、
なんですよと笑ったのです、まだ後妻はもらっていないのと聞くと、私が断ったので後妻はいらないそうなんです、おめかけを探しているんですよと言うので、あっちの方、
もまだ大丈夫なのと聞くと、
本人はピン、ピンしていると言っているけど本当はどうだかと笑い、新之助様は大丈夫なんでしょうと聞くので、多分大丈夫と思うよというと、あら、それでは奥方と、
おめかけさんが寂しがるでしょうと言うと、幾松がそんなに何人もいるのですかと聞くので、まあと返事すると、女将が2人いるんですよと言うと、3人目は私かしら、
と言ったのです、
女将がいいえ私が3人目で幾松さんは4人目ですよと幾松に酌をしたのです、それでもいいですわ旦那様と幾松が酌をしたのです、帰るに帰れなくなりまいったなあと思っ、
ていると、幾松がもうこんな時間だはこれからお座敷が一件だけ入っているのと言うので、ホッとしていると、近々必ず呼んでくださいねと言って立ち上がり部屋を出て、
いったのです、
女将が良かったですね、これからおめかけの家へ行くのでしょうと言うので、なんで分かるのと言うと、女の感は鋭いのです、どうせ今日はお泊りなんでしょう、もう少し、
付き合ってくださいなと言うので、いいよといい酌をしたのです、何か幾松さんは本気みたいですねと言うので、まいったよと酒を飲むと、断れない新之助様ですからねえ、
その内何人いるか分からなくなったりしてと笑ったのです、
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