十二番番目の志士(第二部)
十二番番目の志士(第二部)3 女将の酌で飲んでいると菊奴が入って来たので、あれ、よんでないよと言うとまだお座敷の前ですよ、女将はいそがしいので、暫くは私がお相手しますというので盃を干
十二番番目の志士(第二部)3 女将の酌で飲んでいると菊奴が入って来たので、あれ、よんでないよと言うとまだお座敷の前ですよ、女将はいそがしいので、暫くは私がお相手しますというので盃を干
十二番番目の志士(第二部)3
女将の酌で飲んでいると菊奴が入って来たので、あれ、よんでないよと言うとまだお座敷の前ですよ、女将はいそがしいので、暫くは私がお相手しますというので盃を干し、
返杯すると飲み干して上手いと言ったのです、仲居が今日は新之助様のお好きな江戸前のアジにアナゴですよと膳にならべたので、アナゴをつまむと、ふつくらして美味し、
いので、ヤツパリ江戸前の魚は美味いというと、
それは良かったわと女将が喜んでいます、それでは菊奴さんよろしくと部屋を出て行ったのです、島田屋はあれから随分金持ちになったが、そぱめになる気はないのかと、
聞くと、私ももうすぐ三十路になるしいいかなと思っているのですよ、但し芸者は続けさせてくれればと言うので、後妻と言っていたが、それでもいいんではないか、
僕が言ってやろう、
大喜びするよというと、その前に一回新之助様の情けをください、そうすれば承知しますよと酌をしたのです、それでは島田屋に悪いよというと、なら厭ですといったの、
です、参ったそれでは考えておこうというと、きっとですよと指をからめたのです、女将が入って来て、あら、あら、仲の宜しい事でといい、お2人がお着きになりまし、
たと案内したのです、
仲居が膳をならべて菊奴が酌をすると、西郷さん、木戸さんの冥福を祈ってと乾杯したのです、伊藤が今回は国債を引き受けてもらうのに新之助さんの名前を拝借しました、
と言うので佐々木から聞きました戦費の調達が上手くいって良かったですよと言うと、大浦屋、長崎屋、島田屋、山城屋、に関東産業、五代産業とグラバーの紹介で多くの、
アメリカ、イギリスの投資家も沢山引き受けてくれたのですよと言うので、
菊奴がみんな新之助様の知り合いではないのと言うと、大久保がみんな新之助さあに借りがあっとでごわすよと笑ったのです、そういう伊藤君も借りがあっとじゃろうと、
大久保が言うと、ええ、新之助さんが参議に推挙してくれたので今があるんですと酌をしたのです、菊奴が私もあるのですよ、それを返さなくてはと言うので、女将が、
私も彦根藩の乱暴者からお助けいただいたんだわと言ったのです、
伊藤が新之助さんは誰かに借りがあるのですかと聞くので、一杯あるよと言うと、どんなと聞くので、まずは島田屋に浪人の時算術指南で糧を貰っていたんだよ、それに、
ここの女将にも沢山ご馳走してもらったし、今回は薩摩軍の参謀だったのに命を助けてもらったよと言うと、大久保がそれは政府の為と西郷さんの為にやった事ごわす、
借りはおいどんのほうですよ、
というのでそれではここの飲みだいは大久保さん持ちでというと、よかごわんそ、芸者もなんぼでも呼んでよかがと言うので、菊奴がやったあと部屋を出て行き、暫くして、
戻って来て、とびっきりの芸子を後二人呼びましたよと言うので、菊奴さんはお座敷が入っているのでしょうと女将が言うと、梅菊に代わってもらいましたよと言うので、
女将があきれたと笑ったのです、
新之助が僕は顧問だから気が楽だけど、大久保さんと伊藤さんは日夜お国のためにがんばっているご苦労様と2人に酌をすると、大久保がこの気の使いようにみんな、
ほろっとくつとですよと笑い、西郷さあが新之助さんと飲む酒はたのしかといい、木戸さんはあのしかめ面がにこやかになるから不思議ごわしたが、やつとわかりもした、
ほんのこつ楽しかですと新之助に酌をするので、
女将が大久保さんが人に酌をするのは始めてですよと驚くと、そうごわすかと大久保が言うので、みんなが大笑いしたのです、そこに芸者が2人って来て、幾松に夕霧で、
すと畳みに頭をつけて、みんなに酌をするので飲み干し、幾松に今回はお気の毒でしたと返杯すると飲み干し、いいえ、いま頃は西郷さんと酒を酌み交わして幕末をかけ、
めぐった思い出話しをしていますよと言ったのです、
今日は、西郷さんと木戸さんを忍んでパッとやりましょうというと、それでは一指しと幾松がいい、夕霧の三味線で踊ったのです、さすがに優雅な舞いです、みんなが、
見とれています、舞終ると大きな拍手をしたのです、それでは私もと立ち上がりセンスを持ち敦盛を舞ったのです、舞い終わると幾松が木戸がこの舞をみたそうで剣の、
腕も凄いが、敦盛の舞いも凄いといつも言っていましたと言ったのです、
あの羽織はどうしましたと聞くとあの世で新撰組に襲われるといけないですから、着せて冥土に旅立ってもらいました、あれを着ていれば新撰組は手をださないでしょう、
と笑ったのです、これからどうするんですかと聞くと、木戸が一生食べていけるように沢山残してくれましたから、芸者を続けて置屋を開こうと思っていますと言うと、
女将がひいきにして貰うようにしますよと言と、お願いしますと頭を下げたのです、幾松が酌をして新之助様に情けをいただければ嬉しゅうございますというと、菊奴が、
幾松さんそれだけは堪忍してくださいと手を合わせるので、幾松があら、あら、菊奴さんは新之助様にほの字なのねと新之助の足を抓るのでイテテといい、まいったなあ、
そんな事すれば、木戸さんが化けて出てきますよと酒を飲み干すと、
いいえ、自分に何かあれば新之助様を頼れと言っていましたよというので、大久保と伊藤が新之助さんは女難の相があるのかと大笑いし、女将が私もほの字ですからダメ、
ですよと言ったのです、盛り上がっている内に時間も過ぎて菊奴と夕霧は他のお座敷があると席を下がり、女将は幾松に頼んで部屋を出て行ったのです、伊藤が大隈と、
板垣がなにやら画策しているようなのですと言うと、
幾松が座をはずしましょうかと言うので、いいえ話しを聞いても差し支えありませんと伊藤が言ったのです、新之助がそれは今の参議方式をやめて、議会制民主主義に、
移行すべきだと言っているのでしょう、薩摩長州に政治を握られているのが不満で参議を合議制で決めるという事の焼き直しです、あくまでも議会で決めてそれを、
行政府が実行するというわけです、
それをやるにはまず選挙制度を確立しなければなりません、税金を納入している人のみ選挙権をあたえるべきなのです、したがって税徴収の改革もしなければなりません、
それらが出来なければ議員を選ぶ事など出来ないのです、まず志を同じくする者が政党を作り、立候補者を出して選挙資格のある者の入れ札で選出するのです、というと、
大久保がそれの制度を作ってからだと言っておるんでごわすがそれにはもう二、三年はかかりもんそというので、そのとおりです、その為には薩摩と長州が邪魔と思って、
いるのです、西郷さんと木戸さんがいなくなった今が自分の藩閥を増やすチャンスだと思っているのですよと言ったのです、
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