第2話
「みんな優しいな。オレの思いつきでしかないのに、一緒にやってくれるなんて!」
「えへへ。王さまゲームなんて実際にやるの初めてだよぅ」
「これで王さまになったら、どんな命令も聞いてくれるのよね。ああ、楽しみだわ」
王さまゲームのプレイヤーは僕を含めて四人のようだ。五反田さんが怪しい笑みを浮かべている以外に不安な要素はないけど、少しだけ参加したことを後悔している。
「なつ……また賢一君たちと遊んでいるの? って、それ王さまゲームじゃん‼︎ ずるい! ワタシも混ぜてよ‼︎ ねえ、賢一君もいいでしょ⁉︎」
賢一が持参した割り箸を僕らに配ろうとすると、なつの後ろの席から甲高い声が飛んできた。あの子たちは確か、なつの友だちの
「あ、ごめんごめん……別に仲間はずれにした訳じゃないよぅ」
「それは分かっているけどさ。賢一君が居るときはワタシも混ぜてって言ったよね!」
飛び入り参加を希望した四葉さんは、なつや五反田さんとは違った、すごくやりにくいタイプの女子だ。まず僕の世界には存在しないから、ちょっと新鮮味がある。
「じゃあ、四葉を入れた五人で始めるけど、異論はないな?」
賢一の言葉にみんな頷き、いよいよ王さまゲームが始まった。どんな命令が飛び交うのか、ひとりだけ素性を知らない四葉さんが居るから、余計に緊張感がある。
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